Synology NASへの動画アップロードが途中で失敗する原因と対策

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自宅のSynology NAS(DS218play など)にリモート環境から数GBの動画データ(MP4など)をアップロードしようとした際、98%~99%まで進行した後で失敗する問題に直面することがあります。本記事では、この問題の原因と具体的な対策について詳しく解説します。

NASへのリモートアップロードが途中で失敗する主な原因

この問題が発生する原因はいくつか考えられます。以下の要因をチェックすることで、適切な対策を講じることができます。

1. VPN接続の影響

会社支給のラップトップPCが常時VPN接続されている場合、VPN経由でNASにアクセスすることになります。VPN接続では以下の点が影響する可能性があります。

  • パケット制限: 一部のVPNは、大容量データの転送を制限している。
  • タイムアウト設定: VPNのセッションが長時間維持されない設定になっている。
  • スループットの制限: 企業のVPNゲートウェイが帯域を制限している可能性がある。

対策として、可能であれば一時的にVPNをオフにしてアップロードを試してみると、問題の切り分けが可能です。

2. NAS側のアップロード制限

Synology NASの設定によっては、以下のような制限がかかっている場合があります。

  • アップロードファイルサイズの制限(DSMの設定やFTPサーバーの制限)
  • タイムアウト設定(長時間のアップロードで切断される)
  • ストレージの空き容量不足(ディスク残容量がギリギリ)

Synology DSMの「ファイルサービス」→「FTP」または「WebDAV」などの設定を確認し、ファイルサイズの制限やタイムアウト設定を見直しましょう。

3. ネットワークの不安定性

大容量ファイルのアップロードでは、通信が途中で途切れるとエラーが発生します。特にリモート環境では、以下の点が影響することがあります。

  • インターネット回線の不安定性(Wi-Fiやモバイル回線を利用している場合)
  • ルーターのNATセッション制限(長時間の接続が切断される)
  • ISPの帯域制限(特定の時間帯に速度が低下する)

対策としては、可能であれば有線接続を利用し、アップロードを行う時間帯を変更してみることが有効です。

4. ファイル転送プロトコルの影響

Synology NASへのファイルアップロードには、いくつかの方法がありますが、それぞれに特性があります。

転送方法 特徴 問題発生の可能性
Webブラウザ(DSM File Station) 手軽にアップロード可能 ブラウザのタイムアウトで失敗しやすい
FTP/SFTP 大容量ファイル転送に適している サーバーの設定次第で制限あり
Synology Drive 公式クライアントソフトで安定 VPN環境での制限が影響

もしWebブラウザ経由でアップロードしている場合は、FTPやSFTPを利用することで、より安定した転送が可能になります。

対策:Synology NASへのアップロードを成功させる方法

上記の原因を踏まえて、具体的な解決策を紹介します。

1. VPNをオフにしてアップロード

可能であれば、会社のVPNを一時的にオフにし、通常のインターネット接続でNASにアクセスしてみましょう。

VPN経由でのアップロードに制限がある場合、これにより問題が解決する可能性があります。

2. 転送方法を変更する

Webブラウザ経由ではなく、以下の方法を試してみましょう。

  • FTP/SFTPクライアント(FileZilla など)を使用
  • Synology Drive クライアントを利用(PC用アプリでアップロード)
  • WebDAV接続(WindowsやMacのネットワークドライブとしてマウント)

3. NASの設定を確認

DSMの管理画面で、以下の点をチェックしましょう。

  • 「ファイルサービス」→「FTP」または「WebDAV」の設定を見直す
  • 「共有フォルダの権限」で正しくアクセス権が設定されているか確認
  • 「ディスクの空き容量」をチェックし、余裕を持たせる

4. ルーターの設定を調整

リモートアクセスの場合、ルーターの設定も影響します。

  • UPnPやポートフォワーディングの設定を確認
  • NATセッションのタイムアウトを延長
  • QoS(帯域制御)でアップロード優先度を調整

特に、長時間のファイル転送が途切れないように、NATセッションの設定を見直すことが重要です。

まとめ

Synology NASへのリモートアップロードが途中で失敗する場合、以下の点をチェックしましょう。

  • VPN接続が影響していないか確認
  • アップロード方法を変更し、FTPやSynology Driveを試す
  • NAS側の設定(ファイルサイズ制限やストレージ空き容量)を見直す
  • ネットワーク環境を最適化(ルーターのNATセッション設定など)

これらの対策を講じることで、大容量ファイルのアップロードがスムーズに行えるようになるでしょう。

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