3Dプリント用フィラメントの選び方|PLA・PETG・TPU・PVAで何ができる?

3Dプリンター

3Dプリンタを使う上で、フィラメントの素材選びは非常に重要です。特に、家庭用の小物や屋外で使用するピクニック用品を作成する場合、どの素材を選べばよいか迷うことも多いでしょう。本記事では、PLA・PETG・TPU・PVAの各フィラメントの特徴と、どの用途に向いているかを詳しく解説します。

3Dプリント用フィラメントの種類と特徴

まず、今回比較する4種類のフィラメント(PLA・PETG・TPU・PVA)について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

フィラメント 特徴 適した用途
PLA 初心者向け、扱いやすい、低温でプリント可能 室内用の小物、フィギュア、試作品
PETG 強度が高く、耐水性がある、少し反りやすい 屋外用品、強度が必要なパーツ、ボトルや収納ケース
TPU 柔軟性があり、ゴムのように曲がる スマホケース、クッションパーツ、耐衝撃部品
PVA 水に溶ける、サポート材に最適 複雑な形状の造形サポート材

このように、用途によって最適なフィラメントが異なります。次に、それぞれの詳細と使用例を見ていきましょう。

1. PLA:手軽に使える初心者向けフィラメント

PLA(ポリ乳酸)は、最も一般的な3Dプリント用フィラメントです。低温でプリントでき、プリンターの設定も比較的簡単なため、初心者にもおすすめです。

メリット

  • プリントが簡単で、ノズル詰まりが少ない
  • 反りにくく、寸法精度が高い
  • 植物由来で環境に優しい

デメリット

  • 耐熱性が低く、60℃程度で変形する
  • 強度や耐候性が低く、屋外使用には不向き

おすすめの用途: 室内用の小物、デスクオーガナイザー、フィギュア、装飾品

2. PETG:屋外でも使える強度の高い素材

PETG(ポリエチレンテレフタレートグリコール)は、PLAよりも強度が高く、耐水性や耐候性に優れています。

メリット

  • PLAよりも高い耐熱性(80℃程度)
  • 耐水性・耐候性があり、屋外での使用も可能
  • 適度な柔軟性があり、割れにくい

デメリット

  • プリント中に糸引きしやすい
  • PLAより反りやすい

おすすめの用途: ボトルホルダー、ピクニック用品、収納ケース、耐久性の必要なパーツ

3. TPU:ゴムのように柔軟な素材

TPU(熱可塑性ポリウレタン)は、ゴムのような弾力性を持つフィラメントで、耐衝撃性のあるパーツを作るのに最適です。

メリット

  • 柔軟性があり、衝撃を吸収する
  • 耐摩耗性が高く、長持ちする
  • 滑りにくい表面仕上げが可能

デメリット

  • プリント速度を遅くしないと失敗しやすい
  • 押し出し機の構造によっては詰まりやすい

おすすめの用途: スマホケース、自転車用グリップ、クッションパーツ、耐衝撃部品

4. PVA:水に溶けるサポート材

PVA(ポリビニルアルコール)は、水溶性のフィラメントで、特にデュアルヘッド(2つのノズル)を搭載した3Dプリンターで使用されることが多いです。

メリット

  • 水に溶けるため、サポート材として優秀
  • 複雑な形状のモデルを作成可能

デメリット

  • 湿気を吸収しやすいため、保管に注意が必要
  • 通常の造形材料としては使用されない

おすすめの用途: 複雑な構造のモデルのサポート材

どのフィラメントを選ぶべき?

質問者の用途(家庭用の小物、ピクニック用品、数キロのものをぶら下げる)を考えると、以下の選択が適しています。

  • 室内の小物: PLA(手軽でプリントしやすい)
  • 屋外使用のピクニック用品: PETG(耐候性・耐水性がある)
  • 衝撃吸収が必要な部品: TPU(柔軟で耐久性が高い)
  • 複雑な構造のサポート材: PVA(水溶性で後処理が簡単)

まとめ

3Dプリント用のフィラメントは、それぞれ異なる特性を持っています。家庭用の小物や屋外での使用を考慮すると、以下の組み合わせが最適です。

  • 手軽にプリントしたいなら PLA
  • 屋外や強度が必要なら PETG
  • ゴムのような柔軟性が必要なら TPU
  • 水に溶けるサポート材を使うなら PVA

用途に応じたフィラメントを選び、3Dプリントを楽しみましょう!

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