Ender-3 V3 KEを使用して3Dプリントを行う際、「印刷物が手前に出てこない」または「一度前に出てきても後ろに下がってしまう」という問題が発生することがあります。これらの症状は、プリンターの設定やキャリブレーションの問題が原因である可能性があります。本記事では、考えられる原因とその解決策について詳しく解説します。
1. 印刷物が手前に出てこない原因
印刷物が期待した位置に出てこない場合、以下の要因が考えられます。
- ベッドキャリブレーションのズレ – 印刷開始時のZ軸やベッドレベルが適切でないと、プリント位置がずれることがあります。
- Gコードの設定ミス – スライサーで生成したGコードが適切でない場合、プリントの開始位置が異なる可能性があります。
- ホームポジションの誤認識 – X軸、Y軸、Z軸の原点設定がずれていると、正しい位置で印刷されないことがあります。
2. 一度手前に出てきた後に後ろに下がる原因
一度手前に出てから後ろに戻ってしまう場合、以下の原因が考えられます。
- スライサーのオフセット設定 – CuraやPrusaSlicerの設定で、オフセット値が誤っていると、意図しない位置に移動することがあります。
- エンドストップ(リミットスイッチ)の誤動作 – Y軸のエンドストップが正しく機能していないと、位置がずれることがあります。
- モーターのステップロス – ベルトの張り具合が緩い、またはステッパーモーターが正常に動作していないと、移動が正しく行われない可能性があります。
3. 解決策:ベッドキャリブレーションの調整
ベッドレベルが適切でない場合、プリント位置がずれることがあります。以下の手順でキャリブレーションを行いましょう。
- プリンターのメニューから「オートホーム」を実行し、原点位置を確認する。
- 「ベッドレベリング」オプションを開き、手動で四隅の高さを調整する。
- 紙1枚分の隙間をノズルとベッドの間に設定する(軽く引っかかる程度)。
- 再度オートホームを実行し、プリント位置が適切か確認する。
4. 解決策:スライサーの設定を確認
スライサー(Cura、PrusaSlicerなど)の設定が誤っていると、プリント位置がずれることがあります。以下の点をチェックしてください。
- ビルドプレートの中心設定 – スライサーの「ビルドプレートオフセット」が適切か確認する。
- 開始Gコードの修正 – Gコードに不適切なオフセットが設定されていないか確認する。
- プロファイルをデフォルトに戻す – スライサーの設定をリセットして再設定する。
5. 解決策:モーターやエンドストップのチェック
エンドストップやモーターの動作に問題があると、プリントの位置がずれることがあります。
- Y軸のエンドストップを確認 – エンドストップが正常に反応するか手動で押してチェックする。
- ベルトの張り具合を調整 – Y軸のベルトが緩んでいないか確認し、必要に応じて張りを調整する。
- モータードライバーの異常チェック – モーターが適切に動作しているか確認し、異音がある場合はステッパードライバーを確認する。
まとめ
Ender-3 V3 KEで印刷物が手前に出てこない、または一度前に出た後に後ろに下がる問題は、ベッドキャリブレーション、スライサーの設定、エンドストップやモーターの動作不良などが原因の可能性があります。
以下の手順を試しながら、問題を解決してみましょう。
- ベッドキャリブレーションを適切に行う。
- スライサーの設定(ビルドプレートのオフセットなど)を確認する。
- エンドストップやベルトの張りをチェックし、異常がないか確認する。
これらの対策を試しながら、適切な調整を行うことで、スムーズな3Dプリントが可能になります。
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