PCのメモリを増設することで、動作がより快適になり、複数のアプリケーションをスムーズに実行できるようになります。しかし、異なるメーカーのメモリを使用しても問題なく動作するのかは、多くの人が気になるポイントでしょう。
本記事では、メモリの増設時に気をつけるべき点や、異なるメーカーのメモリを使用する場合の影響について詳しく解説します。
PCのメモリ増設における基本ルール
メモリを増設する際に確認すべき基本的なルールを押さえておきましょう。
① メモリの規格を統一する
PCに搭載するメモリは、同じ規格(DDR4-2666など)を揃える必要があります。
規格が異なると、正常に認識されなかったり、動作不安定の原因になることがあります。現在のメモリが「DDR4-2666(1333MHz)」であれば、新しく増設するメモリも必ずDDR4-2666を選びましょう。
② メモリの動作クロックを統一する
メモリのクロック速度(例:2666MHz)が異なる場合、基本的に低い方に合わせて動作します。
例えば、PCに2666MHzのメモリと3200MHzのメモリを混在させると、3200MHzのメモリも2666MHzにダウンクロックされます。性能を最大限に発揮するためには、すべてのメモリを同じクロック速度に統一するのが理想です。
③ メモリのメーカーは異なっても動作する可能性が高い
一般的に、メーカーが違っても、規格とクロック速度が同じであれば動作することが多いです。
ただし、以下のような点には注意が必要です。
- 異なるメーカーのメモリを混ぜると、相性問題が発生することがある
- メモリのチップの種類(シングルランク・デュアルランク)が違うと、不安定になる可能性がある
- BIOSやマザーボードの仕様によっては、一部のメーカーのメモリと相性が悪い場合がある
相性問題が気になる場合は、現在使用しているメモリと同じメーカーの製品を選ぶのが最も安全な選択肢です。
異なるメーカーのメモリを増設する際の注意点
異なるメーカーのメモリを増設する際には、以下のポイントに注意しましょう。
① メモリスロットの配置を考慮する
4つのメモリスロットがある場合、増設するメモリを正しい順番で配置することが重要です。デュアルチャネルを有効にするためには、同じ容量・規格のメモリをペアで設置する必要があります。
例えば、現在の構成が8GB×2枚なら、新しい8GB×2枚のメモリを以下のように配置しましょう。
スロット | 現在 | 増設後 |
---|---|---|
スロット1 | 8GB(既存) | 8GB(既存) |
スロット2 | 空き | 8GB(新規) |
スロット3 | 8GB(既存) | 8GB(既存) |
スロット4 | 空き | 8GB(新規) |
このように、スロットの1と3、2と4にペアで配置することで、デュアルチャネルの効果を最大限に引き出せます。
② BIOS設定を確認する
新しいメモリを増設した後は、BIOSで正しく認識されているか確認しましょう。
- PC起動時に「F2」または「DEL」キーを押してBIOSに入る
- 「メモリ情報」または「システム情報」を確認
- 合計32GB(8GB×4)が正しく認識されているかチェック
認識されていない場合は、BIOSのアップデートが必要な場合もあります。
③ メモリの動作テストを行う
増設後、PCが正常に動作するか確認するために、メモリのテストを行うことをおすすめします。
- Windowsなら「Windows メモリ診断ツール」を使用
- フリーソフト「MemTest86」を利用するとより詳細な診断が可能
テスト中にエラーが発生した場合は、メモリの抜き差しやスロットの変更を試してみてください。
まとめ
PCのメモリ増設時に、異なるメーカーのメモリを使用しても基本的には動作することが多いですが、相性問題が発生する可能性もあります。
メモリ増設時のチェックポイント:
- 規格(例:DDR4-2666)を統一する
- クロック速度を合わせる(異なる場合は低い方に合わせられる)
- メモリスロットの配置に注意する(デュアルチャネルを有効に)
- BIOSで正しく認識されているか確認する
- 動作テストを行い、エラーがないか確認する
より確実に動作させたい場合は、現在のメモリと同じメーカーの製品を選ぶのが安全な選択肢です。
これらのポイントを意識して、スムーズにメモリを増設しましょう!
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