SynologyのNAS「DS223j」は、手軽に監視カメラの録画データを保存できるモデルとして人気があります。しかし、監視カメラの台数が増えると、追加のカメラライセンスを購入するか、2台目のDS223jを導入するかで悩む方も多いでしょう。
本記事では、2台目のDS223jを購入した場合の使い勝手や設定方法について解説します。
DS223jを2台運用するメリットとデメリット
追加ライセンスを購入せずに2台目のNASを導入する方法には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
- カメラライセンスの追加コスト不要(SynologyのSurveillance Stationでは、無料で管理できるカメラは2台まで)
- データの分散保存が可能(1台のNASが故障しても、もう1台が動作する)
- 録画データの負荷分散により、NASのパフォーマンスが安定する
デメリット
- 2台目の設定が必要で、統合管理がやや面倒
- NAS間のデータ同期を手動で行う必要がある
- カメラの管理が2台のNASに分かれるため、一元管理ができない
2台目のDS223jを同じID・パスワードで運用できるか?
結論として、同じID・パスワードで設定することは可能です。ただし、両方のNASが別のIPアドレスを持つため、まるで1台のNASのように運用するには工夫が必要です。
統一したログイン管理を行う方法
以下の設定を行うことで、2台のNASをスムーズに運用できます。
- 同じSynologyアカウントを使用してログインする
- ネットワークドライブとして両方のNASをマウントする
- 監視カメラごとに別のNASを指定して録画する
DS223jを2台運用する際の設定方法
1. それぞれのNASの設定を統一する
2台のDS223jを「まるで1台のように」使うには、基本設定を統一するのがポイントです。
- 両方のDS223jに同じ管理者アカウントとパスワードを設定
- LAN内で固定IPを割り当て、識別しやすくする
- フォルダ構成を統一する(例:「/surveillance/camera1」「/surveillance/camera2」など)
2. Surveillance Stationでカメラを振り分ける
Surveillance Stationを使用してカメラを設定する際、1台目のNASにはカメラA・B、2台目のNASにはカメラC・Dというように分割することで、1台のNASに負荷が集中するのを防ぐことができます。
3. QuickConnectまたはDDNSを利用して外部からアクセス
外出先から録画データを確認したい場合、SynologyのQuickConnectまたはDDNS(ダイナミックDNS)を活用しましょう。
- 「コントロールパネル」→「外部アクセス」→「QuickConnect」を有効化
- 別のNASも同様にQuickConnectを設定
- スマホやPCから、それぞれのQuickConnectアドレスを使ってアクセス
4. NAS間でデータを同期する(オプション)
2台のNASに保存されたデータを同期したい場合、Synologyの「Hyper Backup」や「Synology Drive」を利用できます。
- Hyper Backup:定期的にバックアップを取る(推奨)
- Synology Drive:リアルタイムでデータを同期
これにより、どちらのNASにも録画データが揃うため、万が一のデータ消失にも対応可能になります。
まとめ:DS223jを2台運用するのはアリか?
監視カメラの録画データを保存するために2台目のDS223jを導入するのは、ライセンス費用を節約し、負荷分散を実現する方法として有効です。ただし、一元管理が難しくなるため、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 同じID・パスワードで運用可能だが、2台の管理が必要
- ネットワーク設定を統一して使いやすくする
- 監視カメラを振り分けて録画負荷を分散
- QuickConnectやDDNSで外部アクセスを簡単に
- Hyper BackupやSynology Driveでデータ同期を検討
初心者にとっては、最初の設定がやや手間ですが、一度設定してしまえばスムーズに運用できます。コストを抑えつつ監視カメラを増設したい場合は、2台目のDS223jを導入するのは十分にアリな選択肢です。
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