キーボードのルブ(潤滑剤塗布)は、打鍵音の軽減やスムーズなタイピングを実現する重要なカスタマイズの一つです。しかし、「GPL 205g0を使っても1時間程度で効果がなくなってしまう」という問題に直面している方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ルブの持続性を高めるための方法や、適切な塗布のコツについて詳しく解説します。
なぜGPL 205g0の効果がすぐに薄れるのか?
ルブがすぐに効果を失う原因はいくつか考えられます。
1. 塗布量が適切でない
潤滑剤の量が少なすぎると、摩擦を十分に減らせず、すぐにカチャカチャ音が戻ってしまいます。一方で、多すぎると粘性が強すぎて逆にキーストロークが重くなることも。
2. 塗布方法が適切でない
ルブを適当に塗るだけでは、均等に行き渡らず、短期間で摩擦が戻る可能性があります。キースイッチの適切な部位に、しっかりとルブを塗布することが重要です。
3. スイッチの種類と相性
GPL 205g0は、リニアスイッチ(赤軸など)に適した粘度の高いグリスですが、タクタイルスイッチ(茶軸やクリッキー軸)にはあまり適していません。スイッチの種類に応じた潤滑剤の選択もポイントになります。
4. ルブが摩耗してしまう
キースイッチの動作回数が多い場合、摩擦によって潤滑剤が削れたり、飛散したりすることがあります。適切な塗布技術を使うことで、より長持ちさせることが可能です。
ルブを持続させるための適切な塗布方法
ルブの持続時間を延ばすためには、正しい方法で塗布することが重要です。
1. キースイッチを分解する
適切にルブを塗るためには、キースイッチを分解して内部に直接塗布する必要があります。
- キースイッチを取り外す(キースイッチリムーバーを使用)
- スイッチを開ける(スイッチオープナーを使用)
2. ルブを塗るべき部位
以下の部位に均等に塗布するのがポイントです。
- スライダーの接触面(スイッチケースの内側と接触する部分)
- スプリング(スプリングノイズを減らすため、軽く塗布)
- ステムのガイドレール(ここが摩擦の主な原因となる)
3. ルブの塗布量の調整
適量を塗るのが重要で、厚塗りしすぎるとキーが重くなるため、次のような基準を目安にしましょう。
- ブラシの先端に薄く伸ばす程度にする
- 塗りすぎた場合は綿棒や布で軽く拭き取る
4. スプリングには別のルブを使用する
スプリングのノイズを抑えたい場合は、GPL 105(低粘度のオイルタイプ)をスプリングに使用すると効果的です。
ルブの持続性をさらに高めるための追加対策
適切にルブを塗布した上で、さらに持続性を高めるための方法を紹介します。
1. キーボードの内部にフォーム(吸音材)を入れる
キーボードの内部に吸音材(フォーム)を入れると、打鍵音をさらに抑え、不要な振動を軽減できます。これにより、ルブの効果が長持ちしやすくなります。
2. PBTキーキャップを使用する
キーキャップの材質によっても打鍵音が変わります。ABSよりもPBT素材のキーキャップの方が静音性が高く、ルブの効果を長く維持しやすいです。
3. ルブの種類を変更する
GPL 205g0は粘度が高く、リニアスイッチ向けですが、より長持ちするルブとして以下の選択肢もあります。
- Tribosys 3204: 少し軽めの粘度で持続性が高い
- Krytox 206g0: 耐久性があり、より長期間効果が持続
まとめ:ルブの持続性を高めるためにすべきこと
キーボードのルブがすぐに効果を失う場合、適切な塗布方法や追加の工夫を取り入れることで、長持ちさせることができます。
ルブの持続時間を延ばすポイント:
- 適量を均等に塗布し、厚塗りを避ける
- スイッチの摩擦が発生する部分(ガイドレール、スライダー)にしっかり塗る
- スプリングには低粘度のオイル(GPL 105)を使う
- キーボード内部にフォームを追加し、打鍵音を抑える
- PBTキーキャップを使い、より静音性を高める
- 持続性の高いルブ(Tribosys 3204、Krytox 206g0)を試す
これらの方法を取り入れることで、ルブの効果を長く維持し、快適なタイピング環境を実現できます。
キーボードのメンテナンスをしっかり行い、静音性を向上させましょう!
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