ネットワークストレージ(NAS)を活用することで、パソコンやスマホからデータを簡単に共有したり、DLNA対応のテレビで写真や動画を視聴することが可能になります。この記事では、QNAP TS-233とSynology DS223jのどちらが最適か、また、NAS用HDDの選び方について詳しく解説します。
QNAP TS-233とSynology DS223jの比較
どちらのNASも2ベイのストレージでRAID1(ミラーリング)構成が可能ですが、それぞれに特徴があります。
1. スペック比較
項目 | QNAP TS-233 | Synology DS223j |
---|---|---|
CPU | ARM Cortex-A55 クアッドコア 2.0GHz | Realtek RTD1619B クアッドコア 1.7GHz |
メモリ | 2GB DDR4 | 1GB DDR4 |
ネットワーク | 1GbE x1 | 1GbE x1 |
USBポート | USB 3.2 Gen1 x1, USB 2.0 x2 | USB 3.2 Gen1 x2 |
DLNAサポート | あり | あり |
2. パフォーマンスと拡張性
QNAP TS-233は、2GBのメモリを搭載しているため、複数のデバイスからのアクセスや動画ストリーミング時のパフォーマンスが向上します。特に、動画ファイルの管理やDLNAでのテレビ視聴を考慮すると、メモリ容量の多いTS-233のほうが有利です。
一方、Synology DS223jは、Synology独自のDSM(DiskStation Manager)による管理のしやすさが特徴で、直感的な操作が可能です。ただし、メモリが1GBしかないため、大きなファイルの転送や複数デバイスでの同時アクセス時に遅延が発生する可能性があります。
3. メディアストリーミング(DLNA)対応
どちらのNASもDLNA対応ですが、QNAP TS-233は4Kトランスコーディング機能を搭載していないため、高解像度の動画再生を安定させるには、テレビ側の対応が重要です。お使いの東芝V34シリーズはDLNA対応ですが、4K再生の負荷を軽減するために、事前に最適な形式(MP4/H.264など)にエンコードするのが推奨されます。
4. 導入予定の用途に最適なのは?
以下の用途に応じて選択すると良いでしょう。
- パフォーマンスを重視し、動画や写真の管理をスムーズに行いたい → QNAP TS-233
- シンプルで使いやすいインターフェースを求める → Synology DS223j
HDDの選び方:RED vs. BLUE
Western DigitalのHDDを使用予定とのことですが、REDとBLUEのどちらが適しているのかを解説します。
1. WD REDとWD BLUEの違い
項目 | WD RED | WD BLUE |
---|---|---|
用途 | NAS向け | デスクトップPC向け |
耐久性 | 24時間稼働対応 | 短時間稼働向け |
振動制御 | あり(NAS用) | なし |
2. 使用環境に適したHDDの選択
今回の用途では、午前5時〜午後10時のみの使用という点を考慮すると、WD BLUEでも運用可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- WD BLUEはNAS向けではないため、耐久性や振動対策が不十分
- 長期間の運用で故障リスクが高まる可能性あり
したがって、より安定した運用を求めるなら、WD RED(またはWD RED Plus)を選ぶほうが安心です。
その他のおすすめNAS
もしQNAP TS-233とSynology DS223j以外の選択肢を検討するなら、以下のモデルもおすすめです。
1. Synology DS220+
特徴:
- Intel Celeron J4025(デュアルコア 2.0GHz)
- 2GB DDR4メモリ(最大6GBまで拡張可能)
- RAID1対応
より高速な処理が可能で、長期運用を考えるなら適したモデルです。
2. QNAP TS-251D
特徴:
- Intel Celeron J4005(デュアルコア 2.0GHz)
- 2GBまたは4GB RAM(拡張可能)
- HDMI出力あり
HDMIポートがあり、直接テレビに接続できるため、メディアサーバーとしても活用可能です。
まとめ
今回の用途を考慮すると、QNAP TS-233が最適な選択肢となるでしょう。メモリ容量が大きく、動画の管理やDLNA視聴時のパフォーマンスが向上します。
HDDについては、運用時間を考えるとWD BLUEでも使用可能ですが、長期的な耐久性を考慮するとWD REDのほうが適しています。
また、より高性能なNASを検討するなら、Synology DS220+やQNAP TS-251Dも候補に入れると良いでしょう。
ぜひ、自分の用途に合ったNASを選び、快適なデータ管理環境を構築してください。
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