新しくPCを組み立てた際に、AMD Ryzen 7 5700XのCPUクロックが3.6GHzで固定され、ブーストクロックがかからない問題に直面することがあります。このような問題は、いくつかの設定ミスやハードウェアの問題が原因で発生することが多いです。この記事では、5700X CPUのクロックが固定されてしまう理由と、ブーストクロックを有効にするための解決策を説明します。
1. Ryzen 5700Xの仕様と動作原理
AMD Ryzen 7 5700Xは、Boost Clock(ブーストクロック)を自動的に調整するDynamic Boost機能を搭載しています。この機能により、CPUの負荷が高くなると自動的にクロックが上昇し、パフォーマンスを向上させます。しかし、何らかの原因でこのBoost Clockが機能しない場合があります。
2. CPUクロックが固定される原因
5700XのCPUクロックが3.6GHzで固定される原因として、以下のような要因が考えられます。
2.1. 電源設定が省電力モードになっている
Windows 11やBIOSの設定で、省電力モードが有効になっていると、CPUのクロックが制限されることがあります。特に「バランス」や「省電力」モードでは、CPUが最大クロックを発揮できないため、パフォーマンスが制限されることがあります。
2.2. BIOS設定の不適切
マザーボードのBIOS設定が不適切だと、5700Xのブーストクロックが機能しない場合があります。特に、「Precision Boost」や「PBO(Precision Boost Overdrive)」が無効になっていると、Boost Clockがかからないことがあります。
2.3. サーマルスロットリング
CPU温度が高すぎると、サーマルスロットリングが発生してクロックが制限されます。CPUが過熱しないように動作温度を下げるため、クロックが固定されることがあります。この場合、冷却システムの強化が必要です。
3. 5700Xのブーストクロックを有効にする方法
以下の手順を試すことで、5700Xのブーストクロックを有効にし、最大パフォーマンスを引き出すことができます。
3.1. 電源設定を高パフォーマンスモードに変更する
まず、Windowsの電源設定を「高パフォーマンス」に変更します。これにより、CPUのクロック速度が制限されることなく、最大パフォーマンスが発揮されます。
3.2. BIOSの設定を確認・変更する
次に、マザーボードのBIOSにアクセスし、以下の設定を確認・変更します。
- Precision Boost:有効にする。
- PBO(Precision Boost Overdrive):有効にする。
- CPUスロットリングの無効化:サーマルスロットリングが発生しないように設定する。
これらの設定を有効にすることで、Boost Clockが正しく動作するようになります。
3.3. 温度管理の強化
CPU温度が高すぎる場合、サーマルスロットリングが発生してクロックが固定されます。高性能なCPUクーラーを使用することで、温度を適切に管理し、安定したパフォーマンスを得ることができます。
4. その他の考慮すべきポイント
5700XのCPUクロックが固定される原因は、上記以外にも様々な要因があります。例えば、マザーボードのBIOSが古く、最新のRyzen 5000シリーズに最適化されていない場合、パフォーマンスに影響を与えることがあります。この場合、BIOSのアップデートを検討してください。
まとめ
Ryzen 7 5700XのCPUクロックが固定されている問題は、電源設定やBIOSの設定、温度管理などが原因で発生することがあります。これらの設定を見直し、適切なパフォーマンスを引き出すために、電源設定を「高パフォーマンス」に変更し、BIOSで「Precision Boost」や「PBO」を有効にすることが重要です。また、温度管理にも注意を払い、より高いパフォーマンスを実現しましょう。
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