自作PCの冷却性能を向上させるために、簡易水冷クーラー(AIO水冷)を導入するユーザーが増えています。しかし、マザーボードに専用のポンプ接続用「pump_fan」コネクタがない場合、どう接続すればいいのか、また、その後にどうCPU温度と連動させるかは少し迷う部分です。この記事では、Sys_Fanに接続した場合の設定方法と注意点について詳しく解説します。
1. 簡易水冷クーラーの接続方法
簡易水冷クーラーにはポンプ用のファンコネクタがついていますが、マザーボードに「pump_fan」という専用のコネクタがない場合、通常の「sys_fan」コネクタに接続することになります。しかし、Sys_Fanは通常、ケースファン用として使用されるため、冷却装置としては少し異なる動作をすることがあります。
この場合、Sys_Fanに接続することで、ファンが常に回り続けるか、システムの温度や動作に応じて制御することができます。
2. Sys_Fanでポンプの制御をCPU温度に連動させる方法
Sys_Fanに簡易水冷クーラーのポンプを接続した場合、その回転数や制御方法をCPUの温度に基づいて変更したい場合があります。これには、マザーボードのBIOSや、使用しているマザーボードの専用ソフトウェアを使用して設定を行います。
一般的に、以下の手順で設定できます。
- BIOSでファンの制御方法を設定:BIOSの「Hardware Monitor」や「Fan Control」セクションで、Sys_FanをCPU温度に連動させるオプションを選択します。これにより、CPUの温度が上昇すると、Sys_Fanの回転数が増加し、冷却効率が向上します。
- 専用ソフトウェアの使用:多くのマザーボードには、PC内部のファン制御をより細かく設定できるソフトウェア(例:ASUS AI Suite、MSI Dragon Center、Gigabyte’s EasyTune)が提供されています。これらのツールを使うことで、より詳細な温度連動設定を行えます。
3. BIOSでの具体的な設定方法
BIOSでの設定手順は、マザーボードのメーカーやモデルによって若干異なりますが、一般的な流れは次のようになります。
- PCを起動し、BIOSにアクセス(通常は「Del」キーまたは「F2」キーでアクセス)
- 「Hardware Monitor」または「Fan Control」セクションを探し、Sys_Fanの設定を「CPU温度に連動」に変更します。
- 温度の閾値やファンの回転数をカスタマイズします。たとえば、CPUが40℃を超えた場合にファンの回転数を60%に、70℃を超えた場合に100%に設定するなど。
- 設定後、保存してBIOSを終了します。
4. 専用ソフトウェアを使ったファン制御
もしBIOSでの設定が難しい場合や、より細かい制御を行いたい場合は、マザーボードメーカーが提供している専用ソフトウェアを使うことをおすすめします。例えば、ASUSの「AI Suite」やMSIの「Dragon Center」では、PC内の各種ファン(CPUファン、Sys_Fanなど)の回転数をグラフィカルに設定することができます。
これにより、CPU温度に基づいて水冷クーラーのポンプの回転数を調整でき、温度が高いときに冷却性能を強化することができます。
5. 注意点とおすすめの設定
簡易水冷クーラーをSys_Fanに接続した場合、いくつかの注意点があります。まず、ポンプの回転数を高すぎないように設定することが重要です。過剰な回転数は、ポンプや他のパーツに負担をかける可能性があります。
また、温度センサーが正しく機能していないと、ファン制御がうまく行われないことがありますので、冷却システムの動作を確認することも大切です。最初は低めの回転数で設定し、必要に応じて調整していくと良いでしょう。
6. まとめ
自作PCで簡易水冷クーラーをSys_Fanに接続し、CPU温度と連動させる設定は、BIOSや専用ソフトウェアを使って簡単に行うことができます。適切に設定すれば、効率的な冷却性能を維持しながら、PCの安定性も確保できます。正しい設定で、より快適なPC環境を実現しましょう。
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