モバイルバッテリーを使用して異なる機器に電圧を供給する際、特にPower Delivery(PD)規格を利用する場合、異なる電圧を同時に出力できるのかについて疑問を抱くことがよくあります。この記事では、PD給電で複数の電圧を同時に取り出す方法とその限界について詳しく解説します。
Power Delivery(PD)給電とは?
Power Delivery(PD)は、USB Type-Cポートを介してデバイスに電力を供給するための規格です。PDの特徴は、高い効率で複数の電圧(5V、9V、15V、20Vなど)をサポートできることです。これにより、異なる機器への給電が可能になり、急速充電が実現します。
通常、PD規格では、供給側(モバイルバッテリーや充電器)が出力する電圧をデバイス側が交渉して決定します。つまり、接続されたデバイスが必要とする電圧を自動的に認識し、供給される電圧が決まるのです。
異なる電圧を同時に出力する方法
モバイルバッテリーから異なる電圧を同時に出力するためには、専用のトリガーケーブルやPDハブを使用する必要があります。これにより、1つのモバイルバッテリーから複数の電圧を供給することが理論的には可能です。
例えば、15Vと20Vの2つの異なる電圧を取り出したい場合、モバイルバッテリーに対して2つのトリガーケーブルを接続し、それぞれ異なる電圧を出力するように設定することができます。しかし、すべてのモバイルバッテリーがこのような出力をサポートしているわけではなく、注意が必要です。
1つの電圧しか取れない場合とその理由
モバイルバッテリーのPD給電は、通常、1つの出力ポートから1つの電圧を供給します。そのため、2つの異なる電圧を同時に取ることができない場合もあります。
この場合、モバイルバッテリー側が複数の電圧を出力するための技術的な制限があるためです。例えば、PD給電の規格やハードウェア構成が単一の電圧のみ対応していることが考えられます。この場合、1つの電圧が優先されることになります。
どちらの電圧が優先されるのか?
もしモバイルバッテリーが異なる電圧を同時に供給できない場合、通常は最初に接続されたデバイスが要求した電圧が優先されます。例えば、最初に15Vを要求したデバイスが接続され、その後20Vを要求するデバイスが接続された場合、15Vの電圧が優先されることがあります。
これは、モバイルバッテリーが1つの電圧を供給する設計になっているためであり、複数の電圧を同時に供給することは、ハードウェアの対応次第となります。
まとめ
モバイルバッテリーから異なる電圧を同時に取り出すことは、理論的には可能ですが、すべてのモバイルバッテリーがその機能をサポートしているわけではありません。もし複数の電圧を取りたい場合は、PD対応のハブやトリガーケーブルを使用し、モバイルバッテリーが複数の出力をサポートしていることを確認する必要があります。
また、1つの電圧しか供給できない場合、どちらの電圧が優先されるかは、接続された順番やバッテリーの仕様によって決まります。最適な給電環境を整えるためには、使用する機器とバッテリーの仕様をよく理解しておくことが重要です。
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