会館などの施設において、ファンコイルユニットとエアハンドリングユニット(エアハン)を両方設置することがありますが、その役割や違いについて疑問を持つ方も多いでしょう。特に、「両方設置して意味があるのか?」という点は、設備の設計段階で重要なポイントです。この記事では、ファンコイルユニットとエアハンの違い、そしてそれぞれのユニットの役割について詳しく解説します。
ファンコイルユニットの基本的な役割
ファンコイルユニット(FCU)は、冷暖房を行うための空調機器で、主に室内の空気を冷却または加熱するために使用されます。FCUは、冷水や温水をコイルに流し、そのコイルを通過した空気をファンで送風して室内に供給します。
ファンコイルユニットの特徴としては、空気の温度調整機能があり、外気導入の機能がないことです。つまり、室内の空気を冷暖房するだけで、外の新鮮な空気を取り入れることはできません。そのため、室内の空気がこもりがちな環境では、換気が別途必要になります。
エアハンドリングユニット(エアハン)の役割
エアハンドリングユニット(エアハン)は、空調システムの一部として、室内に供給する空気を処理するための装置です。エアハンは、外気を取り込み、必要に応じて冷却や加熱を行い、フィルターを通して清浄化した空気を送風します。これにより、エアハンは外気導入の役割を果たすとともに、換気や空気清浄も行います。
エアハンの最大の利点は、新鮮な外気を取り入れ、室内空気の質を改善できる点です。ファンコイルユニットが室内の空気を冷暖房する一方で、エアハンは換気機能を提供し、施設内の空気の循環を促進します。
ファンコイルユニットとエアハンの違い
ファンコイルユニットとエアハンドリングユニットは、どちらも空調システムの重要な構成要素ですが、それぞれに異なる役割があります。
1. 空気の供給方法
ファンコイルユニットは、冷暖房するために室内の空気を循環させますが、外気を取り入れることはできません。一方、エアハンは外気を取り入れ、それを室内に供給する機能を持っています。この違いが、特に換気が重要な場所での選択に影響を与えます。
2. 換気機能
ファンコイルユニットは、換気機能がないため、換気が必要な場合は別途換気システムを設ける必要があります。対して、エアハンは換気機能を持っており、外気を供給しつつ、室内の空気を循環させることができます。
ファンコイルユニットとエアハンを両方設置する意味
「ファンコイルユニットとエアハン両方が必要か?」という質問に対しては、施設の目的や空調設計に応じて必要性が異なります。たとえば、ファンコイルユニットは温度調整をメインに行い、エアハンは換気と外気導入を担当するため、両方を設置することで、より快適な室内環境を提供できます。
特に、外気導入が重要な施設や、空気質を改善することが求められる場合には、エアハンとファンコイルユニットを組み合わせることが有効です。エアハンで外気を取り入れ、ファンコイルユニットで温度を調整することで、空気の質を維持しながら効率的に温度管理が行えます。
まとめ
ファンコイルユニットとエアハンドリングユニットは、それぞれ異なる役割を持っています。ファンコイルユニットは主に冷暖房を行い、エアハンは外気を導入し換気を行います。どちらを選択するかは、施設の空調ニーズや使用状況によって異なりますが、両方を併用することで、より快適で効率的な空調システムを構築することができます。
コメント