AMSでTPUフィラメントを使用できない理由とその対策

3DプリンターのAMS（Autonomous Material System）は、フィラメントを自動的に供給する便利な機能ですが、TPUなどの柔らかい素材に関しては使用できないという話をよく耳にします。この記事では、AMSでTPUフィラメントが使えない理由とその解決策について詳しく解説します。

AMSとは？

AMS（Autonomous Material System）は、複数のフィラメントを自動的に切り替え、3Dプリンターの印刷作業を効率化するシステムです。このシステムは、フィラメントの交換や供給を自動化することで、ユーザーの作業負担を軽減し、長時間の印刷を可能にします。

AMSは主に硬い素材に対応しており、標準的なフィラメントの交換には非常に便利ですが、柔らかい素材にはいくつかの制約があります。

TPUフィラメントは、柔軟性が高く、伸縮性のある素材であり、標準的な硬いフィラメントと異なります。そのため、AMSのようなフィラメント自動供給システムにはいくつかの技術的な課題があります。

具体的には、TPUフィラメントはその柔軟性のために、押し込みがうまくいかず、フィラメントの供給に支障をきたすことがあります。特に、AMSのフィラメントホルダーや供給機構が硬いフィラメント向けに設計されているため、TPUのような柔らかい素材にはうまく対応できないのです。

AMSはその構造上、フィラメントを自動的に送り出すために「強い押し込み力」を必要としますが、TPUのように柔らかい素材では、この力が強すぎるとフィラメントが曲がったり、押し出せなくなったりする問題が生じます。

また、TPUは他のフィラメントと比較して「摩擦」が高く、AMSの供給機構がフィラメントを適切に送り出せないことがあります。そのため、TPUフィラメントを使用する際には、手動でフィラメントを供給する方がスムーズに作業が進むことが多いです。

TPUフィラメントをAMSで使用したい場合、いくつかの解決策があります。

手動供給：AMSを使用せず、TPUフィラメントを手動で供給する方法です。この方法では、フィラメントの取り扱いに注意しながら、適切に供給することができます。
別のフィラメント供給機構を使用：AMS以外の柔軟なフィラメントに対応した供給システムを使用することで、TPUフィラメントを問題なく使用することができます。
TPU専用の設定調整：3Dプリンターの設定を調整し、TPUフィラメント専用の押し込み圧力や温度設定を適切に行うことで、AMSを使用しながらもTPUフィラメントをうまく扱える場合もあります。