リチウムイオンバッテリーの並列接続時における電圧降下と効率変化について

電池

リチウムイオンバッテリーパックの並列接続に関して、異なるバッテリーを並列に接続した場合、どのような影響があるのでしょうか。具体的には、36V20Ah(720Wh)のバッテリー①と、36V10Ah(360Wh)のバッテリー2つを並列接続したバッテリー②の比較について解説します。この際、並列接続機器を経由することによる電圧降下の影響と、取り出せる電力の変化について詳しく見ていきます。

1. 並列接続による電圧降下の原因

並列接続されたバッテリーパックにおいて、電圧降下が見られるのは、接続機器の内部抵抗やケーブル、接続部品の抵抗などが原因となります。特に、並列接続機器を経由すると、電流の流れにわずかな抵抗が加わり、その結果として電圧降下が発生します。これにより、並列接続されたバッテリー②の電圧が、単独のバッテリー①よりも低くなることがあります。

一般的に、並列接続されたバッテリー同士は電圧を揃えようとするため、最初の状態では電圧差があったとしても時間とともに均等化されますが、この過程で電圧降下が生じる可能性があるのです。

2. 電圧降下が引き起こす影響

並列接続において電圧降下が発生すると、その結果として取り出せる電力量が減少する可能性があります。これは、並列接続機器が負荷を受けることによる電力損失と考えることができます。たとえば、バッテリー②では、0.4V〜0.5V程度の電圧降下が発生するため、実際に利用できる電力量が若干減少することが予想されます。

この電圧降下分を除いた残りの電力量が取り出せる電力となるため、並列接続時には注意が必要です。ただし、0.5V程度の電圧差であれば、通常の使用で問題ないレベルの差であることが多いです。

3. 並列接続による余分な消費電力

並列接続機器を通すことで、電圧降下だけでなく、接続機器自体の内部抵抗やエネルギー損失が原因で、少し余分に消費される電力があることも考えられます。並列接続機器の設計によっては、電圧降下だけでなく、内部回路において若干のエネルギー損失が生じる可能性があり、その結果として、取り出せる電力が少なくなる場合があります。

そのため、並列接続の際には、接続機器自体の効率も考慮に入れる必要があります。高効率な接続機器を使用すれば、無駄なエネルギー損失を抑えることができます。

4. 誤差と実際の影響

電圧降下やエネルギー損失による影響は、確かに存在しますが、その差は誤差の範囲内であることが多いです。例えば、バッテリー①とバッテリー②の容量が同じ720Whである場合、0.5Vの差があっても実際に取り出せる電力に与える影響は比較的小さいことが多いです。

このような影響は、使用する際に気になることはあまりないかもしれませんが、高精度なバッテリー管理が必要な場合や長時間使用する場合には、少しでも無駄を省くために注意することが推奨されます。

5. まとめ:並列接続の効果的な利用法

並列接続において電圧降下やエネルギー損失が発生するのは避けられませんが、その影響は誤差の範囲であり、通常の使用には大きな問題を引き起こすことは少ないです。ただし、並列接続機器の効率や設計にも注意を払い、最適な接続機器を使用することが重要です。

最終的に、並列接続の利点としては、バッテリーの容量を増加させることができ、長時間の使用が可能となる点です。この利点を最大限に活かしつつ、電圧降下や消費電力の増加を最小限に抑えるためには、適切な機器選びが大切です。

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