UltimakerのTPU95Aフィラメントを使用して3Dプリントを行う際、以前のTPU95A(750g)では問題なく印刷できていたが、新しいTPU95A(700g)では押出し不良が発生することがあります。この問題にはいくつかの原因と対策が考えられます。この記事では、印刷準備段階で発生する問題とその対処法を解説します。
① フィラメントの湿気対策と保管方法
TPU95Aフィラメントは、湿気を吸収すると印刷時に問題が発生することがあります。たとえ保管している場所が湿気を吸収していないと考えていても、フィラメントが長期間空気に触れていると湿気を吸うことがあります。湿気を完全に取り除くために、フィラメントを再乾燥することをお勧めします。
乾燥機を使用してフィラメントを乾燥させ、再度印刷を試みると、問題が解決することがあります。また、フィラメントの保管方法も見直して、より密閉された環境で保管するようにしましょう。
② Curaの設定を見直す
Curaの設定がデフォルトのままで問題が発生する場合があります。TPUフィラメントは柔軟性があり、通常のPLAフィラメントとは異なる印刷条件が必要です。特に、押出し速度や温度設定が適切でないと、押出不良が起きやすくなります。
TPU95Aの場合、印刷温度は通常210°C~230°Cが推奨されます。また、印刷速度は30mm/s~40mm/sの低速で印刷することで、押出不良を避けることができます。Curaの設定を見直し、これらの変更を試してみると、印刷不良が改善される可能性があります。
③ ノズルとホットエンドの清掃
ノズルの詰まりが原因でフィラメントが正常に押し出されないことがあります。特に、TPUフィラメントは柔らかく、ノズルに残りやすいため、ノズルが詰まると印刷ができなくなります。ノズルのクリーニングには、クリーニング用フィラメントを使用して、完全に詰まりを取り除くことが重要です。
また、ホットエンドの清掃も忘れずに行い、フィラメントがスムーズに通るようにしてから印刷を再開しましょう。
④ フィラメントの直径と一致確認
新しいTPU95A(700g)と旧TPU95A(750g)の間でフィラメントの直径に微細な差がある場合、押出し不良を引き起こすことがあります。フィラメントの直径が不均一であったり、仕様と異なる場合は、フィラメントの供給が不安定になる可能性があります。
フィラメントの直径が指定の範囲内であるか、デジタルキャリパーを使って測定し、Curaの設定で直径の値を確認して適切に設定しましょう。
まとめ
Ultimaker TPU95A(700g)で印刷ができない問題は、湿気の影響、Curaの設定不備、ノズルやホットエンドの詰まりなど、いくつかの要因が考えられます。これらの問題を一つずつ確認し、適切な対策を講じることで、再びスムーズに印刷できるようになるはずです。設定の見直しやフィラメントの乾燥、ノズルの清掃を試して、印刷品質の向上を目指しましょう。
コメント