イタリアのNHOA ENERGY(旧Engie EPS)は、再生可能エネルギーと蓄電池技術を融合させ、持続可能な電力供給の実現に取り組む企業です。特に、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の分野で世界的に高い評価を受けています。
企業概要と歴史
NHOA ENERGYは、2005年に設立され、イタリア・ミラノに本社を構える企業です。もともとは、ミラノ工科大学とトリノ工科大学の大学発ベンチャーとしてスタートし、エネルギー貯蔵技術の研究開発を行ってきました。2015年にはEuronext Parisに上場し、2018年にはENGIEグループの傘下に入りました。2021年には、台湾のTCCグループがENGIEから株式を取得し、NHOA ENERGYはTCCグループの一員となりました。
主力事業と技術
NHOA ENERGYの主力事業は、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の設計、提供、運用サービスです。これらのシステムは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー源と組み合わせて、電力の安定供給と効率的な利用を実現します。特に、イタリア国内では、風力発電所と連携した50MWh規模のBESSプロジェクトを手掛けており、これにより電力網の安定化と再生可能エネルギーの導入促進に貢献しています。
グローバル展開と戦略
NHOA ENERGYは、イタリアを中心に、オーストラリア、台湾、米国、スペインなど、世界各国で事業を展開しています。特に、台湾市場では、2.5GWh以上のBESSプロジェクトを手掛けており、アジア市場での強固な地盤を築いています。今後は、日本市場への進出も視野に入れており、グローバルなエネルギー転換に向けた取り組みを強化しています。
持続可能性と社会的責任
NHOA ENERGYは、国連グローバル・コンパクトに参加し、環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点からも積極的な取り組みを行っています。2024年には、ニカラグアのアマヨ風力発電所からのカーボン・クレジットを購入し、Scope 1およびScope 2の排出量を相殺するなど、気候変動対策にも注力しています。
まとめ
NHOA ENERGYは、再生可能エネルギーと蓄電池技術を駆使し、持続可能な電力供給の実現に向けて世界中で活躍する企業です。日本市場への進出も期待される中、今後の動向に注目が集まります。
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