APS-C機にフルサイズレンズを装着した際の画角変化とポートレート撮影の考慮点

APS-C機にフルサイズレンズを取り付けることで、画角がどのように変化するのか、特にポートレート撮影における影響については、カメラ設定を決める際に重要な要素です。この記事では、その変化を理解し、最適な撮影方法を探るためのポイントを紹介します。

フルサイズレンズをAPS-C機に装着した場合の画角の変化

APS-C機にフルサイズレンズを使用すると、フルサイズセンサーに比べて画角が狭くなります。これは、APS-Cセンサーがフルサイズセンサーよりも小さいためです。このセンサーサイズによるクロップ（トリミング）効果で、例えば50mmのフルサイズ用レンズが75mm相当になり、望遠効果が強調されます。

これにより、ポートレート撮影では、背景が圧縮されて被写体がより際立ちます。フルサイズで得られる広い画角とボケ味の効果を期待する場合は、APS-C機にフルサイズレンズを取り付けることで、画角がやや狭くなり、使用感に違いを感じるかもしれません。

APS-Cセンサーでフルサイズレンズを使うことで、ポートレートに適した焦点距離を得ることができます。例えば、50mmのフルサイズレンズをAPS-C機に装着すると、焦点距離が約75mmになるため、被写体をより近づけずに撮影できます。

これは、ポートレート撮影において理想的な焦点距離の一つで、背景のぼけ味も美しく表現できます。フルサイズレンズならではの描写力を活かしつつ、狭い画角でポートレートに集中することが可能になります。

フルサイズレンズをAPS-C機で使用する際の主な注意点として、前述した画角の狭さと、レンズの最適な活用方法を理解することが大切です。また、フルサイズレンズはAPS-Cセンサーに対して設計されていない場合が多いため、イメージサークル（画角の広さ）を完全にカバーできないことがあります。

そのため、APS-C機にフルサイズレンズを使う場合は、特に周辺部の画質に注意を払うことが重要です。解像度が落ちることもありますので、撮影前に試し撮りを行い、実際の結果を確認することをお勧めします。

フルサイズレンズをAPS-C機に装着することは、画角の変化を考慮しつつ、ポートレート撮影において有利な焦点距離を得る方法として非常に有効です。特に、背景を圧縮し、被写体を際立たせる効果が期待できるため、ポートレート撮影においてはその利点を活かせます。

ただし、画角の狭さに慣れることと、レンズの性能を最大限に活かすための工夫が必要です。最終的には、自分の撮影スタイルに最も適した組み合わせを見つけることが大切です。