SME 3012 S2と3012 Rはどちらも高性能なトーンアームで、オーディオ愛好者にとっては興味深い選択肢です。どちらも精密な作りと美しい音質で知られていますが、いくつかの違いがあるため、使用するターンテーブルやカートリッジによって選択肢が変わってきます。この記事では、これらの違いを解説し、SPUカートリッジを使用する際の最適な選択肢を提案します。
1. SME 3012 S2と3012 Rの違い
SME 3012 S2と3012 Rの最も顕著な違いは、使用されている素材と内部設計にあります。
- ナイフエッジの違い：3012 Rではナイフエッジがプラスチック製に変更され、軽量化されています。これにより、音質がよりクリアになり、音の細部がより鮮明に感じられます。
- 内部配線：3012 Rは、内部配線が細くなり、軽量対応になっています。これによって振動の影響を受けにくく、音質が向上します。
- MM用途向き：3012 Rは特にMM（Moving Magnet）カートリッジ向けに最適化されていると言われており、これにより音のバランスが取れたクリアな再生を実現します。
2. SPUカートリッジ使用時の比較
SPUカートリッジ（Moving Coil）を使用する場合、3012 S2と3012 Rはどちらが適しているのでしょうか？ SPUはその重さと特性により、トーンアームの性能が重要になります。
- 3012 S2：3012 S2は、SPUカートリッジの重さとバランスに最適です。重いカートリッジを扱う場合、3012 S2の設計がその特性に最適で、豊かな低音と安定感のある音質を提供します。
- 3012 R：3012 Rは、軽量化が進んでおり、SPUに対応するためには少し調整が必要ですが、音の鮮明さとディテールが際立つため、軽やかな音楽再生を求める人に向いています。
3. 中古市場での価格と取引の違い
中古市場でのSME 3012 S2と3012 Rの価格差にも注目するポイントがあります。3012 S2の初期モデルは、特にオークションや販売店で高額で取引されていることが多いですが、その理由は何でしょうか？
- 3012 S2の価格：初期の3012 S2は、特に音質や構造の精度が非常に高いため、オーディオファンから評価され、プレミアム価格が付けられています。
- 3012 Rの市場価値：3012 Rはより現代的で、軽量で使いやすいため、より多くのユーザーにとって実用的な選択肢となり、比較的手に入れやすい価格帯で取引されています。
4. 初期モデルと後期モデルの違い
SME 3012 S2には、初期モデルと後期モデルが存在し、その違いについて疑問に思う方も多いでしょう。主な違いはウェイトの設計にあります。
- 初期モデル：初期の3012 S2は、ウェイトが一体型で設計されており、重さの調整が難しい部分があります。
- 後期モデル：後期の3012 S2では、ウェイトが分割されており、より細かい調整が可能になっています。これにより、特に音質の調整が細かくでき、SPUカートリッジとの相性が向上しています。
5. まとめ
SME 3012 S2と3012 Rはどちらも素晴らしいトーンアームであり、用途やカートリッジの種類によって選択が変わります。SPUカートリッジを使用する場合、3012 S2が安定感と低音の豊かさを提供する一方で、3012 Rは音の細部まで明確に再生する軽量化された設計が魅力です。市場での価格差は、各モデルの音質や使いやすさに基づいた需要の違いを反映しています。自分のオーディオシステムに最適なモデルを選ぶためには、実際に音を聴いてみることが最も重要です。
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