パソコンの構成要素を見比べると、SSDは2TBや4TBといった大容量が一般的になっている一方で、メインメモリ(RAM)は128GBでも「大容量」とされます。この容量差はなぜ生まれるのでしょうか。この記事では、メモリとSSDの仕組みや役割、製造技術の違いからその理由を解説します。
メインメモリとSSDの役割の違い
まず大前提として、メインメモリ(DRAM)は「一時的な作業領域」であり、SSDは「長期的な保存領域」として設計されています。メインメモリはCPUと直結し、非常に高速な読み書きが求められるのに対して、SSDは大容量のデータを保存することが重視されています。
この役割の違いが、容量の設計方針や価格の差に直結しています。
DRAMとフラッシュメモリの構造の違い
メインメモリに使われるDRAMは、1ビットを「コンデンサ+トランジスタ」で構成し、電荷を保持する仕組みです。このため高速ですが、揮発性で電源を切るとデータが消えます。
一方、SSDに使われるNANDフラッシュメモリは、電荷を浮遊ゲートに閉じ込める方式で、電源を切ってもデータを保持できます。さらに1セルに複数ビットを格納できる(SLC・MLC・TLC・QLC方式)ため、大容量化が可能です。
製造コストと密度の違い
DRAMは構造がシンプルで高速ですが、リフレッシュ回路が必要であり、高密度化に限界があります。また、製造歩留まり(不良率)も考慮すると、大容量化はコストが跳ね上がります。
逆にNANDフラッシュは、1セルに複数ビットを保存できるため、大容量化に適しています。その結果、同じシリコン面積でもより多くの容量を確保でき、SSDはTB単位が一般的になっているのです。
実際の利用例から見る違い
例えば、最新のハイエンドPCでは128GBのメインメモリを搭載することが可能ですが、それは動画編集や科学計算など特殊な用途に限られます。一方でSSDは一般的なノートPCでも1TB以上が搭載され、動画やゲーム、写真といった大容量データを保存できます。
つまり、メモリは「速度を優先するため容量に制約がある」、SSDは「大容量保存を優先するため速度をある程度犠牲にできる」という違いが反映されているのです。
将来的な展望
技術進歩により、DRAMの大容量化や新しいメモリ方式(MRAM、ReRAMなど)が研究されています。ただし、SSDのようにTB級の容量をメインメモリで実現するのは、コストや消費電力の面で現実的ではありません。
一方で、ストレージ側もNVMe SSDのように速度を高め、メインメモリとの差を縮める方向に進化しています。
まとめ
メインメモリとSSDの容量差が大きいのは、役割・構造・製造コストの違いに起因しています。DRAMは「超高速だが高価で揮発性」、NANDフラッシュは「比較的低速だが大容量で不揮発性」という特徴を持っているため、それぞれ最適化された用途に使われています。この違いを理解することで、PCの構成選びやアップグレードの際により適切な判断ができるでしょう。
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