冷凍サイクルのモリエル線図と過熱度・過冷却度についての測定方法

エアコン、空調家電

冷凍サイクルのモリエル線図や過熱度、過冷却度の理解は、エアコンや冷凍機器の性能を最適化するために非常に重要です。特に、適切なデータの測定方法とその解釈が求められます。この記事では、モリエル線図に関連するデータの測定方法、過熱度・過冷却度の算出方法について解説し、特に圧力計がない場合の対処法についても触れていきます。

1. モリエル線図とその重要性

モリエル線図は、冷凍サイクル内での圧力と温度の関係を示すグラフであり、冷却システムの運転状態を可視化するために使用されます。エアコンや冷凍庫などの冷却装置の効率を評価するために、この図を使ってシステムの過熱度や過冷却度を測定します。

  • モリエル線図: 圧力-温度を関係づけて、冷媒の状態変化を示します。
  • 過熱度: 蒸発器の出口での実際の温度が、その時点での飽和温度よりどれだけ高いかを示します。
  • 過冷却度: 凝縮器の出口での実際の温度が、凝縮圧力に対応する飽和温度よりどれだけ低いかを示します。

2. 測定すべきデータとその位置

モリエル線図を使用するためには、特定の箇所で温度と圧力を正確に測定する必要があります。以下の場所での測定が重要です。

  • h1: 圧縮機の吸入配管(室外機入口配管)の温度と圧力を測定。ここから過熱度を計算します。
  • h2: 圧縮機の吐出配管(圧縮機出口)の温度と圧力を測定。ここでのデータは冷却システムの効率に関連します。
  • h3: 膨張弁の入口配管の温度と圧力を測定。冷媒の膨張後の温度を追跡します。
  • h4: 膨張弁の出口配管(室外機出口配管)の温度と圧力を測定。

3. 過熱度・過冷却度の計算方法

過熱度と過冷却度は、測定した温度と圧力から飽和温度を算出し、その差を求めることで計算できます。これらの計算を行うためには、冷媒の物理的特性に関するデータが必要です。

  • 過熱度: h1の温度 – h1の圧力から算出した飽和温度で計算。
  • 過冷却度: h3の温度 – h2の圧力から算出した飽和温度で計算。

4. 圧力計がない場合の対処法

圧力計がない場合でも、圧力を推定する方法はあります。以下の方法を参考にしてください。

  • 圧力センサー: 一部のエアコンや冷凍機には圧力センサーが内蔵されているため、センサーの出力データを利用することができます。
  • 温度-圧力関係の利用: 温度と冷媒の性質を基に、圧力を推定する計算式を使用する方法もあります。
  • 専門機器: さらに精度の高い測定を行いたい場合、専用の圧力計を使用するか、専門家によるメンテナンスを依頼することを検討しましょう。

まとめ

冷凍サイクルにおけるモリエル線図や過熱度、過冷却度の計測は、冷却システムの効率を把握するために非常に重要です。適切な測定位置でのデータ取得と、圧力計がない場合の代替方法を活用することで、より効率的な冷却システムの維持が可能です。測定したデータをもとに、冷媒の適切な状態を管理し、最適なパフォーマンスを維持しましょう。

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