TRSフォンジャックからTSフォンジャックへの変換ケーブルを使う際、その仕組みや出力信号について疑問が生じることがあります。特に、アナログオーディオ信号のバランス方式からアンバランス方式に変換される際、どのような影響があるのかについて詳しく解説します。また、オーディオインターフェースとアンプの接続方法についても触れていきます。
TRSとTSの基本的な違い
TRS(Tip-Ring-Sleeve)とTS(Tip-Sleeve)の違いは、主に信号の伝送方法にあります。TRSは、3つの端子(先端、リング、スリーブ)を使用して、バランス接続(左右の音声信号と共通のグラウンド)を行います。一方、TSは2つの端子(先端とスリーブ)で、アンバランス接続(片方の音声信号と共通のグラウンド)を行います。
TRSの信号は、左右のチャンネル(L/R)の音声信号とグラウンドの3つを分けて伝送するため、ノイズに強い特徴があります。対して、TSはアンバランス接続であり、1つの信号ラインとグラウンドで音声信号を伝えるため、ノイズの影響を受けやすいという特徴があります。
変換ケーブルの仕組み
TRSフォンジャックからTSフォンジャックへの変換ケーブルは、TRSの3端子をTSの2端子に変換するため、実際には2つの端子の情報を1つにまとめることになります。この変換により、LRの情報が両方の信号線にミックスされ、アンバランス方式に変換されます。
具体的には、TRSからTSへの変換ケーブルは、バランス信号を片方の信号とグラウンドで伝送するアンバランス信号に変換します。これにより、ノイズ除去機能が失われることがあるため、音質に影響が出る可能性があります。また、片耳用のモノラル信号がミックスされてステレオ信号に変換されるため、位相の変化が生じることはありませんが、音の分離感が失われることがあります。
オーディオインターフェースとアンプの接続方法
オーディオインターフェース(例えばTascam 2×2)とアンプ(例えばVOXmini10)を接続する場合、オーディオインターフェースのステレオ出力(TRS)をアンプのモノラル入力(TS)に接続することができますが、上記の変換ケーブルを使用する必要があります。もし、アンプに2本のマイクを接続したい場合、オーディオインターフェースの出力がステレオであれば、変換ケーブルを使って1本のケーブルで接続することになります。
ただし、この方法ではステレオ信号がミックスされてモノラル信号となるため、音質や音の分離に影響が出る可能性があります。音質を重視する場合は、オーディオインターフェースのマイク入力端子を2つ使って、2本のマイクを個別に接続した方が良いかもしれません。
まとめ
TRSフォンジャックからTSフォンジャックへの変換ケーブルは、バランス信号をアンバランス信号に変換するため、音質やノイズの影響を受けやすくなります。また、TRSからTSへの変換は、LR信号をミックスするため、音の分離感が失われることもあります。オーディオインターフェースとアンプの接続方法については、接続の仕組みを理解し、適切なケーブルを選ぶことが重要です。アンプにマイクを2本接続する場合は、音質を重視して、オーディオインターフェースの2つのマイク入力端子を使うことをお勧めします。
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