APS-Cサイズのカメラとフルサイズのカメラでは、同じ焦点距離のレンズを使用した際に、得られる視野が異なります。特に、APS-Cサイズのレンズをフルサイズカメラで使用する場合や、フルサイズ用のレンズをAPS-Cサイズのカメラに使用する場合、焦点距離の換算が必要になることがあります。ここでは、APS-Cサイズとフルサイズのレンズの違い、そして焦点距離の換算についてわかりやすく解説します。
APS-Cサイズとフルサイズのカメラの違い
カメラのセンサーサイズは、画像の視野角や画質に大きな影響を与えます。フルサイズセンサーは35mmフィルムと同じサイズで、より広い視野を提供します。一方、APS-Cサイズのセンサーは、フルサイズよりも小さく、同じレンズを使用した場合、得られる画像の視野が狭くなります。
- フルサイズカメラ: より広い視野角と浅い被写界深度が特徴。ボケやディテールが美しく、広角撮影にも強い。
- APS-Cサイズカメラ: より小さなセンサーで、同じレンズを使うと視野角が狭くなる。ズーム倍率が高く感じられる。
焦点距離の換算について
APS-Cサイズのカメラでフルサイズ用のレンズを使用した場合、視野が狭くなります。このため、焦点距離に換算を適用して、どの程度のズームが可能かを理解することが重要です。APS-Cサイズのセンサーには通常、1.5x~1.6xの換算係数があり、これを使用して焦点距離を計算します。
- 例: EF-S18-55mm f/3.5-5.6 IS STMの18mmの焦点距離をフルサイズ換算すると、18mm x 1.6 = 28.8mmになります。
- 1.6倍換算: APS-Cカメラ(Canon)で使用する場合、焦点距離を1.6倍にする必要があります。これにより、得られる画像の視野角がフルサイズ用レンズに比べて狭くなることを理解できます。
フルサイズのレンズをAPS-Cサイズのカメラで使用する場合
フルサイズのレンズをAPS-Cサイズのカメラに装着すると、焦点距離に換算を加えずに使用できますが、視野角が狭くなるため、実際の焦点距離を理解するためには換算を考慮する必要があります。例えば、フルサイズ用の35mmレンズをAPS-Cサイズのカメラに使用すると、視野角が狭くなるため、実際の焦点距離は35mm x 1.6 = 56mmに相当します。
APS-Cとフルサイズレンズを使用する際のポイント
- レンズの選択: APS-Cサイズのカメラには、APS-C専用のレンズ(EF-Sレンズ)があり、フルサイズのカメラに比べて軽量でコストパフォーマンスが良いことが多いです。しかし、フルサイズのレンズを使うと、将来的にフルサイズカメラにアップグレードする際にもレンズを共用できるというメリットがあります。
- 焦点距離の理解: APS-Cサイズのカメラでの撮影時は、焦点距離の換算を意識することで、望んだ構図を得るための適切なレンズ選びができます。
まとめ
APS-Cサイズのカメラとフルサイズのカメラでは、センサーサイズの違いにより焦点距離の感じ方が異なります。APS-Cカメラを使用する場合、フルサイズ用レンズで撮影する場合は焦点距離の換算が必要ですが、APS-C専用のレンズを使う場合はそのままの焦点距離で使用できます。レンズの選択や焦点距離の換算について理解し、目的に応じた最適なレンズを選ぶことが、より良い写真を撮影するための鍵となります。


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