CDをパソコンに取り込んだら曲が“2分29秒→2分36秒”に変わった?原因と“正確に取り込む”ための手順

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CDからパソコンに取り込んだ際に「元の曲の長さより数秒長くなった」「2分29秒だった曲が2分36秒になった」と感じたことはありませんか?実はこの現象には、CDの構造やリッピング(取り込み)処理の仕様が影響しており、適切な設定を行えば「元の時間で取り込む」ことも可能です。

なぜ取り込むと曲時間がズレるのか?CDのギャップ/プリギャップとリッピングの影響

音楽CD(いわゆる「赤本」仕様=Red Book)では、各トラックの前後に「ギャップ(=無音領域)」や、トラックの前(Index 0)に「プリギャップ」と呼ばれる領域が存在することがあります。([参照](https://getmusicbee.com/forum/index.php?topic=3673.0))

例えば、あるトラックの後に約2秒の無音ギャップが設けられていると、リッピング時にそのギャップをどのように扱うかで「トラック長がわずかに長く表示」されたり、メディアプレーヤー上で正確な時間とずれたりするケースがあります。([参照](https://dbpoweramp.com/spoons-audio-guide-cd-ripping.htm))

具体例:2分29秒の曲が2分36秒に見える理由

実例を挙げると、CDのトラックAが実際には2分29秒(149秒)であるにも関わらず、リッピングソフトが前後のギャップを含んで“154秒(=2分34秒)〜157秒(=2分37秒)”と取り込んでしまうことがあります。

このようなズレが起きる主な原因は以下です:

  • リッピングソフトがトラック間の無音ギャップを「次のトラックへの続き」として取り込んでしまう
  • CDメディア自体に「前トラックの終わりに余分な無音(プリギャップ含む)」がある
  • プレーヤーやリッピングソフトがMP3/AAC等の変換時に可変ビットレート(VBR)で長さを推定して表示しており、実際の再生時間とずれが生じる。([参照](https://forums.linuxmint.com/viewtopic.php?t=382847))

「変わらない時間で取り込む」ための設定・手順

ずれを最小限にして、元のトラック長に近づけて取り込みたい場合は、次の手順を試してください。

  1. 「Secure Ripping」モードを使う
    例:Exact Audio Copy(EAC)やdBpowerampなど、ギャップ処理・ドライブオフセット補正を行うソフトを使うことが推奨されています。([参照](https://dbpoweramp.com/spoons-audio-guide-cd-ripping.htm))

  2. ギャップ・プリギャップの設定を確認
    リッピングソフトの設定で「トラック間の無音ギャップを取り込まない/除去する」または「プリギャップを前トラックに含めない」等の項目があれば有効にしてください。例えば「Include pre‑gap for all tracks」のような設定があります。([参照](https://forums.stevehoffman.tv/threads/ripping-a-pre-gap-hidden-track-on-a-cd.114493.))

  3. 可変ビットレート(VBR)ではなく一定ビットレート(CBR)も検討
    MP3でVBRを使っていると、再生長さの推定誤差が出ることがあります。安定表示を重視するならCBR(例:320 kbps)で取り込む選択肢もあります。([参照](https://askubuntu.com/questions/135907/ripped-mp3-files-show-wrong-track-lengths))

  4. 取り込んだ音源を再生して確認
    取り込み後、再生ソフトで実際の再生時間を確認し、「元のCD再生時間+無音ギャップ分」と合致しているかチェックしてください。もし+数秒余分なら、ギャップ削除の設定が有効に機能していない可能性があります。

注意点:それでも完全に“元の表示時間”にならない場合もある

ただし、以下のような事情により、完全に元と同じ数字(2分29秒)として表示されない場合もあります。

  • CD自体のトラックデータに前後の無音やギャップの設計が組み込まれており、リッピングソフトがそれを異なる扱いをしている。
  • メディアプレーヤーの「表示上の時間計算」がサンプル数/再生フレーム数・ビットレート推定に基づいており、若干のずれが残る。([参照](https://askubuntu.com/questions/135907/ripped-mp3-files-show-wrong-track-lengths))
  • CDドライブのオフセット(読み込み開始位置のズレ)やドライブ固有の仕様により、取り込んだファイルに数ミリ秒レベルの誤差が生じる。([参照](https://getmusicbee.com/forum/index.php?topic=3673.0))

まとめ:数秒のズレは仕様の範囲、対処すれば限りなく近づけられる

CDからパソコンに取り込んだ際に「2分29秒の曲が2分36秒に見える」という現象は、ギャップ/プリギャップ・リッピングソフトの設定・時間表示の仕様が複合的に影響した結果です。適切なリッピングソフトの選択と設定を行えば、トラック長のズレをかなり抑えられます。

もし「どうしても正確な長さで保存したい」「制作用途でずれが気になる」という場合は、Secure Ripping/ギャップ除去設定/CBR変換などを組み合わせて実践してみてください。

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