動力設備の選定には、使用する機器の消費電力や電気配線の規定に基づいた計算が必要です。この記事では、空調室外機の定格消費電力をもとに、主幹ブレーカと幹線サイズを選定する方法について解説します。
1. 主幹ブレーカの選定方法
主幹ブレーカ(メインブレーカー)は、全体の電力供給を管理する重要な役割を果たします。まず、各空調機器の定格消費電力を合計し、その合計に適したブレーカを選定する必要があります。
具体的な計算方法は、各機器の消費電力の合計をもとに、安全係数を加味して選定します。以下は、与えられた機器の消費電力です。
- 10.5kW × 4台 = 42kW
- 8.68kW × 6台 = 52.08kW
- 6.1kW × 1台 = 6.1kW
合計消費電力は、42kW + 52.08kW + 6.1kW = 100.18kWとなります。この合計消費電力に対して、適切な主幹ブレーカの定格を選定することが重要です。一般的には、負荷の合計値に安全係数(1.25倍など)を掛けて計算します。
2. 幹線サイズの選定方法
幹線のサイズ(配線の太さ)は、主幹ブレーカで選定された電流に基づいて決定します。一般的には、幹線の電流容量がブレーカの定格容量を下回らないように配線を選定します。
電流容量は、以下の式で計算します。
電流(A) = 消費電力(W) ÷ 電圧(V)
電流 = 100,180W ÷ 200V ≈ 500A
この電流容量に基づいて、適切な太さのケーブルを選定します。例えば、500Aの電流に耐えるためのケーブルの太さは、導線の材質や規格に応じて異なりますが、一般的に350mm²以上のケーブルが必要となる場合があります。
3. 追加の考慮事項
主幹ブレーカや幹線サイズの選定時には、他にも考慮すべき点があります。例えば、設備の稼働環境や負荷変動を考慮した計画が必要です。また、電力の使用量や安全性を確保するために、適切な電圧降下や過電流保護の設置も重要です。
まとめ
主幹ブレーカと幹線サイズの選定には、機器の消費電力をもとに適切な電流容量を計算し、安全係数を考慮したうえで選定することが大切です。今回のケースでは、空調室外機の合計消費電力を基にした計算が重要です。適切な配線とブレーカを選定し、設備の安全性を確保しましょう。


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