最近、携帯ショップでよく見かける「iPhoneが月々1円」の案内。これは端末を一定期間使用した後に返却することを前提とした割引プランで、買い切りとは考え方が大きく異なります。仕組みを正しく理解すると、買い切りよりお得になるケースもあれば、そうでないケースもあります。この記事では、月々1円プランの実態と注意点をわかりやすく解説します。
月々1円の仕組みは“返却を条件に残価を免除するプログラム”
月々1円でiPhoneが持てる理由は、多くが「残価設定型プログラム」を利用しているためです。これは2〜4年の分割設定をし、最終的に端末を返却すれば最後の残り金額(残価)が免除される仕組みです。
例えば、端末価格が12万円の場合でも「最終残価6万円を返却で免除」という形で、実質負担は最初の2年分だけになります。その結果、端末代が“月々1円”という表示になることがあります。
月々1円プランのメリット
・とにかく初期費用・月額負担が安い
高額なiPhoneを格安で利用できるため、端末価格を抑えたい人には最適です。
・2年おきに最新モデルへ乗り換えやすい
返却前提なので、新しいモデルへ定期的に切り替えたい人には便利です。
月々1円プランのデメリット
・返却時に“査定落ち”すると追加請求が発生
画面割れ・背面割れ・傷・水没などがあると、2万円〜5万円ほど請求されることがあります。
・手元にiPhoneが残らないため売却できない
買い切りならリセールバリューが高いiPhoneですが、返却前提プランでは売却は不可能です。
買い切りと月々1円プラン、どちらがお得?
・2年ごとに機種変更 → 月々1円プランが有利になるケースが多い
・長く使って売る → 買い切りの方がお得になりやすい
iPhoneは中古市場で非常に高く売れるため、「売却」まで含めて計算すると買い切りの方が安くなるケースも珍しくありません。
月々1円で契約後に格安SIMへ乗り換えは可能?
結論として、乗り換え自体は可能です。ただし、いくつか注意点があります。
① 分割支払いは継続する
キャリアを解約しても、本体代金の分割は完済まで支払い続ける必要があります。
② 返却条件は契約元のキャリアのまま
例えばドコモの返却プログラムを利用している場合、返却はドコモに行います。格安SIMへ乗り換えても返却条件は変わりません。
乗り換えで注意すべきポイント
・プラン(回線契約)を変更すると割引が消滅するケースもある
・乗り換え前に「割引が継続するか」を必ずショップで確認する必要があります
特に“月々の端末割引”が回線契約と紐づいている場合、乗り換えによって割引が消えてしまい本体代が高額になる可能性があります。
まとめ
月々1円でiPhoneを利用できるプランは魅力的ですが、「返却が必要」「傷があると追加費用」「売却できない」などのデメリットを理解したうえで選ぶ必要があります。また、格安SIMへの乗り換えは可能ですが、割引条件が継続するかを事前に必ず確認しましょう。利用スタイルによって最適な選択が異なるため、短期で乗り換える人は月々1円、長く使う人は買い切りが向いています。

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