エアコン吹き出し口から水がポタポタ垂れる原因と夜~朝の冷え込み時に起きやすいドレントラブル対策

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夜や朝の時間帯に、エアコンの吹き出し口から水がポタポタ垂れてきて「ドレンホースが原因かも」と見てみたら長くて垂れ下がっていた…という経験がある方向けに、よくある原因と自分でできるチェック手順、そして再発防止策を整理します。

なぜ冷え込む時間帯に水漏れが起きやすいのか

冷房・除湿運転中、室内機の熱交換器(エバポレーター)には空気中の湿気が結露して水滴となり、ドレンパンを経てドレンホースから外部へ排出されます。([参照]Trane:ドレンライン詰まりの解説)

特に夜〜朝の冷え込む時間帯では、室温・外気温・湿度の変化で「室外機/室内機の冷媒温度差」が拡大し、結露量が増えることがあります。そのためドレン排水能力の限界を超えて“吹き出し口付近から漏れる”という現象が起きやすくなります。

長い/垂れ下がったドレンホースが引き起こす問題

ドレンホースの長さが過剰、あるいは“床面から20 cmほど浮いている”ような設置では、以下のようなリスクがあります。

  • ホース内部に空気が入り込み「逆流」や“エアポケット”ができて、水の流れが止まる
  • ホース内に水が滞留し、ホースの傾斜が不十分だと自然流下しづらい

また、屋内2階から真下へ長く垂れて設置されているケースでは、ホース内に虫の侵入・ゴミ詰まり・凍結(冬場)などの複合的な阻害要因が考えられます。([参照]HotPoint:AC水漏れの一般原因)

「加湿機から出た水分量の多い風が出てきて元に戻る」という現象の意味

質問のように、「20分ほど経ったら加湿機から出た水分量の多い風が出てきて、元に戻る」という流れがある場合、以下のような流れが推察できます。

結露量が急増した後、内部での排水が遅れ→吹き出し口などで“滴下”→時間経過でドレンホースの排水が追い付き、また正常状態に戻る、というサイクルです。

言い換えれば「滞留した排水が一定量以上に達したときに漏れが起きている」ということが見て取れます。このため原因究明としては“滞留→流れ出すまでのホースの排水性能”を重点に見る必要があります。

その他チェックすべきポイント(2ヶ月前に内部洗浄済みでも)

内部洗浄を2ヶ月前に行っていても、下記のようなチェックポイントは残っています。

  • フィルター/吹き出し口のホコリ付着で風量が低下し、冷媒温度が下がりすぎて“凍結→融解”によって大量の水が発生するケースがあります。
  • ドレンパンや内部配管に傾き不良があると排水が流れづらくなり、ホース側が原因でないように見えて実は排水高低差が不足という事例もあります。
  • ドレンホースの出口が地面から浮いていたり、屋外で凍結や水溜まりがあると逆流や滞留しやすくなります。

実例として、2階設置+長いホースで「外壁で水が溜まってホースが浅く傾斜した」ために、冷え込む夜間に水が戻ってきて“吹き出し口から滴る”という現象があったという修理ケースがあります。

自分でできる簡易改善策と業者に頼むべきタイミング

簡易改善策としては。

  • ドレンホースの「傾斜を十分取る(1%以上)」「直線化を短く保つ」「床や壁から浮かせない」などの設置見直し
  • ホース出口の位置を地面“から”20cm浮かせず、可能であれば床と水平近くまたは少し上げに変更
  • フィルター清掃・冷媒温度の急低下を防ぐ設定(冷房設定温度を少し上げる)

ただし以下のような場合は、専門業者に診断・修理を依頼すべきです。

  • 何度も同様の水漏れが起きる/凍結痕がある/ドレンパンや配管に錆び・割れが見える
  • 排水ホースの傾斜調整が難しい構造/壁貫通・屋外長距離配管で設置条件が悪い
  • 内部冷媒異常(エバポレーター凍結→融解による大量水)と思われる異常運転がある

まとめ

吹き出し口から水が垂れてくるという現象は、冷え込む時間帯に結露が増え、排水ホースやドレン設置条件が追いつかない排水滞留が原因として非常に高い可能性を持っています。設置2階+長めのホース+20 cm浮きという条件も、流下を阻む要因となりえます。

まずはドレンホースの傾斜・長さ・形状を見直し、フィルター清掃などをご自身で行った上で改善しなければ、屋外ホース出口・配管設計・内部洗浄など業者対応を検討するのが安心です。

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