3DCGやVFXを行うためのPCを自作する際、パーツ選びは非常に重要です。特に予算を抑えつつ、必要なパフォーマンスを確保するために、適切なパーツ構成を選ぶことが求められます。この記事では、3DCG作業に必要なパーツとその最適化について解説します。
1. CPU選びの重要性
3DCG作業やVFX処理を行う場合、最も重要なのはCPUの選定です。Ryzen 7 9700Xは中級者向けの非常に優れた選択肢ですが、特に多くのコアを必要とするレンダリング作業を行う場合、もう少し高性能なCPUも視野に入れると良いかもしれません。例えば、Ryzen 9やIntel Core i9シリーズは、マルチスレッド処理に優れた性能を発揮します。
予算を30万円に抑えたいのであれば、Ryzen 7 9700Xでも十分ですが、将来的な拡張性を考え、少し上のクラスを選ぶことも検討すると良いでしょう。
2. GPUの選び方と重要性
3DCG作業においては、GPUの性能も非常に重要です。GeForce RTX 5070の12GBモデルは、ゲームだけでなく3DCG制作にも十分な性能を持っています。しかし、BlenderやV-Rayなどのソフトウェアでは、CUDAコア数やVRAMが大きな影響を与えるため、できるだけ高性能なGPUを選ぶことをお勧めします。
予算に合わせて、RTX 3060やRTX 4070など、少し安価でありながら良好な性能を持つ選択肢もありますが、RTX 5070はコストパフォーマンスが良いバランスの取れた選択肢と言えます。
3. メモリとストレージの選定
3DCG作業では、十分なメモリ容量と高速なストレージが作業効率を大きく左右します。24GBのDDR5メモリは十分ですが、将来的なソフトウェアの要求に備えて、32GBや64GBを選ぶことも考慮に入れても良いでしょう。
ストレージに関しては、NVMe SSD(AS2280Q4U)のような高速なドライブを選ぶことで、データの読み書き速度が向上し、作業効率が大きく向上します。また、大容量のHDD(6TB)はバックアップやデータ保存用に使用できますが、速度が求められる場面ではNVMe SSDをメインストレージとして使用することをお勧めします。
4. ケースと冷却性能のバランス
ケースの選定も非常に重要です。Fractal DesignのPop Silent TGケースは静音性と冷却性能のバランスが良く、空間に余裕を持たせることで将来的な拡張性も確保できます。
また、3DCG作業では長時間高負荷で動作するため、十分な冷却性能を持つCPUクーラーやケース内のファンの配置にも気を配る必要があります。AK500 WHのCPUクーラーは、静音性と冷却性能が優れた選択肢です。
5. 電源と予算内での調整
850Wの電源(TOUGHPOWER GT 0850W)は、十分な電力を供給できますが、もしさらに高性能なパーツを選ぶ場合や将来的なアップグレードを考えるのであれば、1000W以上の電源を選ぶことも検討してみてください。
予算内で最大の性能を引き出すためには、必要なパーツの優先順位を決め、不要なオプションを削減することも大切です。
6. まとめ
自作PCで3DCGやVFXを行うためには、CPU、GPU、メモリ、ストレージ、冷却性能、そして電源など、すべてのパーツが重要な役割を果たします。予算30万円であれば、Ryzen 7 9700XとRTX 5070をベースにした構成は非常にバランスが取れた選択です。
少しでも予算を抑えたい場合は、GPUやメモリ容量を調整することも可能ですが、長期的な作業効率を考えると、多少の追加投資をしてでも安定した性能を確保することをお勧めします。


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