ガラケー（フィーチャーフォン）はあと何年残る？日本で「なぜ使われ続けているか」を読み解く

東京・上野などでもたまに見かける「ガラケー（いわゆるフィーチャーフォン）」利用者。スマホ普及が進んでも“なぜ今もガラケーが使われているのか”、さらに「あと何年くらいでなくなるか、あるいは形を変えて残るのか」について、販売動向や利用者の事情を交えて論じます。

ガラケーの市場動向：減少傾向だがゼロにはなりにくい構造

日本ではガラケー・フィーチャーフォンの販売数・シェアともにスマホへ移行が進んでおり、例えば「日本のフィーチャーフォン市場の2024年時点の規模／今後の成長率」についても調査レポートで触れられています。 [参照]

ただし、「即ゼロになる」というわけではなく、今後も一定数が継続利用される見込みである旨も報じられています。たとえば、アジア太平洋地域におけるフィーチャーフォン市場は2024年から2031年で緩やかな年平均成長率（CAGR 約2〜4％）という予測も出ています。 [参照]

“いつまで残るか”については明確な時期を断定することは難しいですが、次のような予測と条件が指摘されています。

まず、キャリアが3G回線を廃止した段階でガラケーの機能が大きく制限されるため、その時期がひとつの節目となります。日本では主要キャリアが3G／4Gから5Gへの移行を進めており、ガラケー対応機種が5G環境下で使えなくなる可能性があります。

また、端末が故障・電池寿命・部品供給停止などで利用継続が困難になっていく点も要注意です。つまり「販売は終わっても、使い続けている人が少数でも残る」状況が当面続くと考えられます。

なぜスマホが安く入手できる現在でもあえてガラケーを使っている人がいるのか。その理由として、次のような実例があります。

・高齢者の方が「シンプルに通話・メールだけできればよい」と考えてガラケーを選んでいる。 [参照]
・SNS・アプリ通知を減らして“スマホ疲れ”を避けるため、あえて機能を絞ったガラケーを使う若年層も報告されています。 [参照]

また、機種・契約プランの維持費が安めである点や、耐久性・電池持ちの良さを重視するユーザーもいます。こうした“使い分けスタイル”が、稀ではあってもガラケーを“意図的に選ぶ”状況を生んでいます。

例えば、上野の展覧会場で撮影可の美術展に訪れた際、「撮影NGだから撮らない」「簡単な記録用にしかスマホを使いたくない」などの理由でガラケー利用者を見かけたという観察があります。こうした状況は“通信・撮影・アプリの多機能性”をそぎ落とした使い方を反映しています。

また、ある調査では「ガラケー利用者はリテラシー／目的／予算別にスマホとは違う使い方をしている」という分析もあり、単に“スマホへ移れない”という受動的な理由だけではなく、“あえてガラケーを使っている”という能動的選択も存在します。 [参照]

ガラケーが全くなくなる可能性は低く、むしろ次のような形で残る可能性が考えられます。

一方で、主流の通信・スマホアプリ利用・動画・SNS利用といった“マルチ機能スマホ需要”にはすでにガラケーでは応えきれず、そうした用途ではほぼスマホに移行が完了しています。つまり“主力端末”としてのガラケーの時代は終わりつつある、という見方もできます。 [参照]

日本国内でガラケー（フィーチャーフォン）が「あと何年でなくなるか」を1つの数字で示すことは困難ですが、少なくとも“主流端末”として使われ続けることは難しく、用途を限定した形で“残る”可能性が高いです。使い続けられる理由（使い勝手・費用・シンプル志向など）も明確に存在します。

したがって、「稀にガラケーを見かける」状況は、単なる過渡期ではなく、“選ばれるガラケー”としてのポジションを維持しているからとも言えます。スマホ万能とは限らない“使い方の選択肢”として、ガラケーはしばらく日本の街角に残りそうです。