CPUグリスを塗布した後にPCを起動したものの、電源は入るが画面が映らない、さらにUSBポートが認識されないといった問題が発生することがあります。これは、グリスの塗布ミスやCPU・マザーボードの接続不良が原因である可能性が高いです。この記事では、PCが正常に動作しない原因と対処方法について詳しく解説します。
CPUグリス塗布後に起こるトラブルの原因
CPUグリスの塗布後に発生するPCの起動トラブルの主な原因は以下のようなものが考えられます。
- グリスの塗布ミス – グリスが過剰に塗布され、CPUソケットやマザーボードに漏れた場合、ショートを引き起こす可能性があります。
- CPUの取り付け不良 – CPUが正しく装着されていない場合、PCが正常に起動しないことがあります。
- メモリや電源の接続不良 – CPUグリスを塗布する際に、メモリや電源ケーブルが緩んでしまい、通電しなくなることがあります。
- マザーボードの故障 – グリスが導電性を持っている場合、誤ってピンや基板に付着するとショートを起こし、マザーボードが損傷する可能性があります。
- BIOSのリセットが必要 – 一部のケースでは、CPUの交換や取り外し後にBIOS設定がリセットされないと正常に動作しないことがあります。
対処方法1:CPUの取り付けを再確認する
まず、CPUが正しく装着されているか確認しましょう。CPUの装着ミスは、PCの起動不良の主な原因の一つです。
- PCの電源を切り、コンセントを抜く
- CPUクーラーを取り外す
- CPUを慎重に取り外し、向きを確認して再装着
- CPUクーラーを再度しっかりと固定
- PCを再起動して確認
CPUの装着時には、向きを間違えないように注意しましょう。CPUには取り付け方向を示す三角マークがあるため、それを基準に正しく設置してください。
対処方法2:グリスの塗布量を確認・清掃する
グリスの塗りすぎが原因で、基板やCPUピンに付着してしまっている場合、ショートが発生している可能性があります。
- CPUクーラーを外す
- 過剰なグリスを無水エタノールや綿棒で慎重に拭き取る
- 適量のグリスを塗布し直す(米粒大が目安)
- CPUクーラーを再装着して再起動
特に、導電性のある液体金属タイプのグリスを使用している場合、基板やピンに付着すると深刻なトラブルを引き起こすため、徹底的に清掃することが重要です。
対処方法3:メモリや電源の接続を確認する
CPUグリスの塗布作業中に、メモリや電源ケーブルが緩んでしまうことがあります。
- メモリを一度抜き、端子をエアダスターなどで清掃
- スロットにしっかりと押し込む(「カチッ」と音がするまで)
- 24ピンのマザーボード電源と8ピンのCPU補助電源がしっかり接続されているか確認
また、前面のUSBポートが認識されない場合は、フロントパネルの接続ケーブルがマザーボードから外れていないかもチェックしてください。
対処方法4:BIOSのリセットを行う
CPUを取り外した後、マザーボードが正しく認識できていない可能性があります。BIOSをリセットすると、PCが正常に起動する可能性があります。
- PCの電源を切る
- マザーボード上の「CMOSクリア」ピンをショートさせる(詳細はマザーボードのマニュアルを参照)
- または、CMOSバッテリー(ボタン電池)を一度取り外し、数分待ってから再装着する
- PCを再起動し、BIOS画面に入る(DEL または F2 キーを押す)
対処方法5:マザーボードやCPUの損傷を確認する
上記の対処法を試しても改善しない場合、マザーボードやCPUが物理的に故障している可能性があります。
- CPUのピンが曲がっていないか確認する
- 別の電源ユニットを試してみる
- 可能なら別のマザーボードでCPUをテストする
もし別のPCやパーツでテストできる環境があれば、CPUやマザーボードの問題を切り分けることができます。
まとめ
CPUグリス塗布後にPCが正常に起動しない場合、以下の手順でトラブルシューティングを行いましょう。
- CPUの取り付けを再確認し、正しく装着されているかチェックする
- グリスが基板やピンに付着していないか確認し、必要なら清掃する
- メモリや電源ケーブルが緩んでいないか確認し、再接続する
- BIOSをリセットし、マザーボードの設定を初期化する
- 最終手段として、マザーボードやCPUの物理的な損傷を疑い、別のパーツで動作確認を行う
これらの対策を試すことで、PCの正常な動作を取り戻せる可能性が高いです。慎重に作業を進めながら、問題を解決していきましょう。
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