冊子を印刷する際、紙の選択は仕上がりの品質やコストに大きく影響します。特に紙の厚さ(重さ)は「K(キロ)」で表示されることが多く、用途によって適切な種類や厚さを選ぶことが重要です。本記事では、冊子の用途ごとに適した紙の種類と目安を解説します。
1. 冊子印刷における紙の基本知識
紙の厚さは「連量(K)」で表記され、これは紙1,000枚(1連)の重さ(kg)を示します。例えば、90Kの紙は1,000枚で90kgの重さになります。一般的に、連量が大きいほど紙が厚くなります。
主な紙の種類:
- 上質紙:表面加工がなく、コピー用紙に近い質感。鉛筆やボールペンで書き込みやすい。
- コート紙:表面が滑らかで光沢があり、カラー印刷の発色が良い。チラシやカタログによく使用される。
- マットコート紙:コート紙の一種で、光沢を抑えた仕上がり。落ち着いた印象の冊子に適している。
- 書籍用紙:ナチュラルな色合いで、長時間読んでも目が疲れにくい。文庫本や雑誌に使用される。
2. 冊子の用途ごとの適切な紙の選び方
用途 | 紙の種類 | 推奨連量(K) |
---|---|---|
会社案内・パンフレット | コート紙 / マットコート紙 | 110K~135K |
カタログ・商品紹介冊子 | コート紙 / マットコート紙 | 90K~135K |
取扱説明書・技術マニュアル | 上質紙 | 70K~90K |
小冊子・同人誌 | 書籍用紙 / 上質紙 | 70K~110K |
雑誌・フリーペーパー | コート紙 / 書籍用紙 | 90K~110K |
3. モノクロ・カラー印刷による紙選びの違い
冊子の印刷がモノクロかカラーかによっても、適した紙の選び方が変わります。
- モノクロ印刷:上質紙や書籍用紙が適している。インクがしっかり定着し、読みやすい仕上がりになる。
- カラー印刷:コート紙やマットコート紙がおすすめ。発色が良く、写真やイラストがきれいに映える。
特に、カラー印刷の場合はコート紙の方が発色が良くなりますが、光沢が気になる場合はマットコート紙が適しています。
4. 用途別のおすすめ紙の厚さ
紙の厚さ(連量)は、用途に応じて選ぶ必要があります。以下の目安を参考にするとよいでしょう。
- 薄めの紙(70K~90K):ページ数が多い冊子や、大量配布するパンフレット向き。
- 標準的な厚さ(90K~110K):カタログや小冊子、一般的な雑誌向き。
- 厚めの紙(110K~135K):高級感のある冊子や写真を多用するカタログ向き。
5. まとめ
冊子の印刷に適した紙の選び方は、用途や仕上がりのイメージによって異なります。以下のポイントを押さえて、最適な紙を選びましょう。
- モノクロ印刷には上質紙や書籍用紙、カラー印刷にはコート紙やマットコート紙が適している。
- ページ数が多い冊子は薄めの紙(70K~90K)、高級感を出したい冊子には厚めの紙(110K~135K)を選ぶ。
- 用途ごとの紙の種類と重さを確認し、適したものを選定することで、冊子のクオリティを向上させることができる。
印刷会社によって取り扱いの紙の種類や厚さが異なるため、事前にサンプルを取り寄せて確認することをおすすめします。
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