Unreal Engine(UE)は、ゲーム開発や映像制作など幅広い分野で使用される強力なゲームエンジンです。現在、Unreal Engine 5(UE5)がリリースされていますが、高グラフィックのものを作らない場合、依然としてUnreal Engine 4(UE4)を選択するのは合理的な選択肢でしょうか?また、UE4の動作には高いPCスペックが求められるのかについても解説します。
UE4とUE5の違いとは?
UE4とUE5の主な違いは、次世代のグラフィックス技術とワークフローの改善です。以下の比較表を参考にしてください。
項目 | UE4 | UE5 |
---|---|---|
グラフィック技術 | 従来のレンダリング技術(Cascade、Lumenなし) | Nanite(仮想ジオメトリ)、Lumen(リアルタイムGI) |
システム負荷 | 比較的軽量 | 高負荷(高スペックPCが必要) |
アニメーション | 標準的なリギングとスケルタルメッシュ | Control Rig、MetaHumanなどの高度な機能 |
推奨用途 | 2D/3Dゲーム、軽量3Dアプリ | リアルなグラフィックのAAAゲーム、映像制作 |
このように、UE5は次世代のリアルタイムレンダリング技術を備えていますが、それが必須でない場合はUE4でも十分対応可能です。
UE4は現在でも使用可能か?
UE4は依然として多くのプロジェクトで使われており、特に以下のような用途には適しています。
- モバイルゲーム開発
- 軽量な3Dゲームやインディーゲーム
- 高グラフィックを必要としないアプリケーション
- VRやARアプリケーション
Epic GamesもUE4のサポートを続けており、安定性や動作の軽さを重視するならば、UE4の利用は十分に現実的です。
UE4に求められるPCスペックは?
UE4を快適に動作させるには、ある程度のPCスペックが必要ですが、UE5ほどのハイスペックは求められません。公式の推奨スペックを以下に示します。
推奨スペック(UE4)
- CPU: Intel Core i7-7700K / AMD Ryzen 7 3700X 以上
- GPU: NVIDIA GTX 970 / AMD Radeon RX 480 以上
- メモリ: 16GB RAM 以上
- ストレージ: SSD推奨(HDDでも動作可能だが、処理速度が低下する可能性あり)
一般的なゲーム開発においては、この程度のスペックがあればスムーズに開発できます。
最低動作スペック(UE4)
- CPU: Intel Core i5-750 / AMD Phenom II X4 以上
- GPU: NVIDIA GTX 460 / AMD Radeon HD 6870 以上
- メモリ: 8GB RAM
- ストレージ: HDDでも可能(SSD推奨)
軽量なプロジェクトであれば、比較的低スペックなPCでも動作しますが、作業効率を考慮すると推奨スペック以上の環境が望ましいでしょう。
UE4とUE5のどちらを選ぶべきか?
高グラフィックを必要としないのであれば、以下のように選択するとよいでしょう。
- UE4を選ぶ場合: 軽量なプロジェクト、モバイル向け開発、PCスペックが控えめな場合
- UE5を選ぶ場合: 次世代グラフィックを活かしたい、最新技術を学びたい、AAAクラスの作品を目指す場合
まとめ
Unreal Engine 4(UE4)は、依然として多くのプロジェクトで活用されており、特に高グラフィックを必要としない開発では十分な性能を発揮します。また、UE4の動作にはある程度のPCスペックが求められますが、UE5よりも軽量であり、開発環境としても安定しています。
もしPCのスペックが十分であり、将来的に最新技術を活用したい場合はUE5を選ぶのも良い選択肢ですが、そうでない場合はUE4のまま開発を続けても問題ありません。
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