microSDカードの転送速度規格について調べていると、UHS-I規格に関する疑問が生じることがあります。特に、メーカーの商品説明では「最大読み込み速度:190MB/s」や「最大読み込み速度:240MB/s」など、UHS-I規格を超える転送速度が記載されている場合があります。これは一体どういうことなのでしょうか?この記事では、UHS-I規格とその転送速度の理解を深め、一般的な誤解を解消するための情報を提供します。
1. UHS-I規格とは
UHS-I(Ultra High Speed Phase I)は、SDカードの転送速度を高めるためにSD Associationによって定められた規格です。UHS-I規格の最大転送速度は、理論上104MB/sです。この速度は、カードがUHS-I対応のデバイスと接続されることによって実現されます。
UHS-Iは、主にデジタルカメラやスマートフォンなどのデバイスで使用され、データ転送の効率化と高速化を目的としています。しかし、UHS-I規格のカードに関して、「最大読み込み速度」「最大書き込み速度」などが異なる速度で記載されることがあります。
2. なぜ「UHS-I規格」を超える転送速度が記載されているのか
一部のメーカーがUHS-I規格に対して記載している「最大読み込み速度:190MB/s」「最大読み込み速度:240MB/s」といった数字は、実際にはカードの理論上の限界ではなく、カード自体が備える性能を示しています。これらの速度は、UHS-I規格を基にしたカードの実測値や、高速化技術による向上を示しています。
たとえば、SanDisk Extremeシリーズなどは、UHS-I規格に基づきながらも、内部でデータ転送を最適化する技術が組み込まれており、実際にはそれ以上の速度を提供することがあります。これが、商品説明における「190MB/s」や「240MB/s」といった記載の背景です。
3. UHS-I規格における実際の転送速度の違い
実際の転送速度は、UHS-I規格を基にした理論値を超えることがありますが、その速度は使用するデバイスや接続ポートに依存します。例えば、PCやスマートフォン、デジカメなど、デバイス側がUHS-I対応である必要がありますが、その他の要因も影響します。
例えば、読み込み速度は、カードが一度データを内部で処理してから出力する速度であり、書き込み速度は、データをカードに保存する速度です。これらの速度は、デバイス側のパフォーマンスやカードの種類(例:Class 10、UHS Speed Class 1など)によっても左右されます。
4. 転送速度が速いカードの選び方
高速な転送速度を求める場合、UHS-II規格やV30などの新しい規格を検討するのも一つの方法です。これらはUHS-Iよりもさらに高い転送速度を提供します。
また、カードの速度を活かすためには、デバイス自体が高速転送に対応していることが重要です。例えば、UHS-I規格のカードを使う場合でも、使用するカメラやPCがその速度をサポートしていなければ、カードの性能を最大限に活用することはできません。
5. まとめ
UHS-I規格のカードに記載されている転送速度は、理論的な最大速度に基づいていますが、実際にはその速度を超えることがあるのは、カードに内蔵されている高速化技術や最適化によるものです。実際の速度は、使用するデバイスや接続の方式にも大きく依存するため、商品説明に記載された最大転送速度を鵜呑みにするのではなく、デバイスとの相性や実際の使用環境を考慮することが重要です。
転送速度を最大化するためには、デバイスの規格やカードの種類を確認した上で、自分の使用目的に合ったカードを選ぶことが大切です。
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