3Dプリンターで広く使われているPLAフィラメントは、植物由来の素材として知られており、環境に優しいイメージがあります。そのため、コップやスプーンのような身近な物を作って口に入れても問題ないのではと思う人もいます。しかし、家庭用3Dプリンターで作成したPLA造形物を口に入れる用途には注意が必要です。この記事では、PLA造形物を食品用途に使う際のリスクや、安全に利用するためのポイントを詳しく解説します。
PLAフィラメントとはどのような素材なのか
PLA(ポリ乳酸)は、トウモロコシやサトウキビなど植物由来の原料から作られるプラスチック素材です。3Dプリンターでは扱いやすく、反りが少ないため初心者にも人気があります。
また、PLAは低温で印刷でき、家庭用3Dプリンターでもきれいな造形がしやすい特徴があります。そのため、フィギュア、模型、ケース、小物など幅広い用途で利用されています。
ただし、食品に触れる用途や口に入れる用途で安全かどうかは、素材そのものだけでは判断できません。造形方法や使用環境も大きく関係します。
3Dプリンターで作ったPLA造形物を口に入れるのが推奨されない理由
PLA自体が必ず有害というわけではありませんが、一般的な家庭用3Dプリンターで作った造形物は食品用途向けに設計されていないことが多いです。
大きな理由の一つは、積層によってできる細かな隙間です。FDM方式の3Dプリンターでは、フィラメントを一層ずつ重ねて形を作るため、表面に目に見えない凹凸や隙間ができます。
例えば、PLAで作ったスプーンを一度使用すると、洗浄しても積層部分に食べ物の成分や細菌が残る可能性があります。見た目がきれいでも、衛生面では市販の食品用プラスチック製品とは異なります。
PLAフィラメントの種類や添加物にも注意が必要
市販されているPLAフィラメントには、着色料や光沢剤、強度を高めるための添加物が含まれている場合があります。
食品用として安全性を確認された材料も存在しますが、一般的な3Dプリンター用フィラメントの多くは、食品接触を目的として製造されていません。
例えば、同じPLAという名前でも、メーカーによって使用している顔料や添加剤は異なります。そのため、単純に「PLAだから安全」と考えることはできません。
口に入れる可能性がある3Dプリント品の例と対策
短時間だけ触れる物や、口に入れることを目的としない物であれば、PLA造形物を利用できる場面は多くあります。
例えば、ゲーム用の小物、模型、展示用パーツ、工具の補助具などはPLAの特性を活かして作成できます。一方で、箸、食器、子どもの玩具、ペット用のおもちゃなど、口に触れる可能性がある物には慎重な判断が必要です。
どうしても食品用途で使いたい場合は、食品接触対応として販売されている材料を選び、表面処理や衛生管理についても十分確認する必要があります。
3Dプリンター造形物を安全に使うためのポイント
PLA造形物を安全に楽しむためには、用途を明確に分けることが大切です。観賞用や機械部品など、口に入らない用途で使用する場合は大きな問題になりにくいです。
また、印刷に使うノズルにも注意が必要です。真鍮製ノズルには微量の金属成分が含まれる場合があり、食品用途を考える場合は食品対応ノズルなどを検討する必要があります。
例えば、子どもが遊ぶ可能性があるフィジェットトイや小型パーツを作る場合は、誤飲の危険性も考慮してサイズや形状を設計することが重要です。
まとめ
PLAは扱いやすく人気の高い3Dプリンター素材ですが、家庭用3Dプリンターで作った造形物をそのまま口に入れる用途には向いていません。
理由は、積層による隙間、フィラメントの添加物、印刷環境などによって衛生面や安全性を保証できないためです。
3Dプリンターは非常に便利な道具ですが、用途に合わせた素材選びと使い方が大切です。口に触れる物を作る場合は、食品対応の材料や専門的な製造環境を検討し、安全性を確認してから利用しましょう。


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