3Dプリンターで積層方向に割れやすい部品の対処方法

3Dプリンター

3Dプリンターで水圧がかかる部品を作成する際、積層方向で割れが発生することがあります。このような問題に直面した場合、いくつかの対策を講じることで強度を改善し、部品をより堅牢にすることが可能です。この記事では、ENDER 3 NEO MAXで使用するABS樹脂を使用した場合の対処方法や改善策について説明します。

1. 積層方向の割れの原因とは?

3Dプリンティングでは、積層方向における弱点が部品の強度に影響を与えることがあります。特に、ABS樹脂のような材料では、各層が十分に接着しない場合に積層方向での割れが発生することが多いです。

ABSは冷却時に収縮する性質があり、この収縮が積層間での接着不良を引き起こす原因となります。特に水圧がかかる部品では、積層の接着強度が不十分だと割れやすくなります。

2. 3Dプリンター設定の見直し

まず、プリンター設定を見直すことが重要です。現在使用している設定(eSANのABS樹脂、樹脂量110%、レイヤー厚0.1mm)を基に、いくつかの設定を変更してみましょう。

温度設定: ABSはプリント温度が高いほど、積層がしっかりと接着しやすくなります。プリンターのノズル温度を240〜260℃に設定し、ヒートベッドは90〜110℃に設定してみてください。

3. アニール処理の方法と注意点

アニール処理(後熱処理)は、ABS部品の強度を向上させるための方法として有効です。しかし、サイズダウンを避けるためには、正しい温度と時間設定が必要です。

アニール処理の温度と時間: 100℃で30分程度のアニール処理を行う場合、サイズダウンを最小限に抑えるためには、温度の上げ方を段階的に行い、熱処理後はゆっくりと冷却することが大切です。

4. 支持材の使用と強度向上

積層方向での強度不足を補うためには、適切な支持材を使用することも重要です。特に複雑な形状や水圧がかかる部品では、適切な支持材を設計することで、プリント時の部品の安定性が向上し、割れのリスクを減らすことができます。

支持材の種類: 水溶性サポートや、硬い支持材を使って積層方向に対するサポートを強化することが効果的です。

5. 結論と今後の対応策

ENDER 3 NEO MAXを使用して水圧がかかる部品を作成する際、積層方向での割れを防ぐためには、プリンター設定の調整、アニール処理の適切な温度管理、そして支持材の使用が効果的です。特に、ABS樹脂は冷却時に収縮しやすいため、プリンターの温度や冷却設定を調整し、積層間の接着を強化することが重要です。

また、アニール処理を適切に行い、部品の強度を高めることができるので、再度試してみてください。

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