グラフィックボードのアップグレードを検討している方にとって、マザーボードとの互換性は非常に重要なポイントです。特に「H87-PRO」などやや古めのマザーボードに対し、プロフェッショナル向けGPUである「NVIDIA Quadro M5000」が使用可能かどうかは気になるところでしょう。この記事ではその互換性や注意点を詳しく解説します。
H87-PROマザーボードの概要とPCI Expressスロット
ASUS H87-PROは、第4世代Intel Coreプロセッサ(Haswell)に対応したLGA1150ソケット搭載のATXマザーボードです。拡張スロットにはPCI Express 3.0 x16スロットが1本搭載されており、これがグラフィックボード用に使用されます。
PCI Expressの規格は上位互換性があるため、PCIe 3.0スロットにPCIe 3.0対応のGPUであるQuadro M5000を物理的に接続することは問題ありません。
Quadro M5000の仕様と電源要件
NVIDIA Quadro M5000は、プロフェッショナル向けのGPUで、3DモデリングやCAD用途に適した製品です。消費電力は最大150Wで、補助電源として6ピンと6ピンの電源コネクタが必要になります。
そのため、電源ユニット(PSU)のスペックにも注意が必要です。最低でも450W以上、できれば80PLUS認証の電源を用意しましょう。補助電源ケーブルが足りない場合は、変換ケーブルを使うことで対応可能です。
BIOSの対応状況と事前チェック
マザーボードとGPUの物理的な互換性だけでなく、BIOSのバージョンも重要です。古いBIOSでは一部のGPUを正しく認識しない場合があります。
H87-PROの最新BIOS(通常はASUSの公式サイトからダウンロード可能)にアップデートしてからGPUを取り付けることを推奨します。BIOS更新は慎重に行いましょう。
OSとドライバの対応
Quadro M5000はWindows 10にも対応していますが、安定動作のためにはNVIDIA公式サイトから最新のドライバをダウンロード・インストールする必要があります。特にプロフェッショナル用途のQuadroシリーズでは、Studioドライバが推奨されることがあります。
また、WindowsのエディションがProやEnterpriseなどであれば、GPUの機能をより活かすことができる場合があります。
実際の使用例と注意点
H87-PROにQuadro M5000を取り付けて正常動作させた事例は複数存在しますが、以下のような注意点があります。
- PCケースのサイズがM5000の長さに対応しているか確認する
- 電源容量と補助電源コネクタの有無
- BIOSの更新
- OSとドライバの整合性
これらを事前にチェックしておくことで、トラブルを未然に防げます。
まとめ
H87-PROマザーボードは、PCIeスロットや電源条件さえ満たせば、NVIDIA Quadro M5000と物理的に互換性があります。BIOSの更新や電源ユニットの確認を行い、ドライバのインストールも正しく行えば、問題なく使用可能です。プロフェッショナル用途で高性能なGPUを活用したい方には、有効な選択肢となるでしょう。
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