ABSフィラメントを3Dプリンターで印刷していると、途中から積層割れが発生して悩むケースは非常に多いです。特にAnkerMake M5Cのような高速印刷対応機では、冷却やエンクロージャー内温度の管理が仕上がりに大きく影響します。
中でも「途中からファンが回って積層割れする」「最初から最後までファンを止めたい」という問題は、ABSユーザーがよく直面するポイントです。この記事では、AnkerMake M5CでABS印刷時に冷却ファンを制御する方法や、積層割れを減らすための設定について詳しく解説します。
ABSで積層割れが起きる主な原因
ABSは強度や耐熱性に優れていますが、温度変化に非常に敏感な素材です。
そのため、印刷中に急激に冷えると収縮が起こり、積層割れや反りの原因になります。
特に以下の条件では割れが発生しやすくなります。
- 冷却ファンが強く回る
- エンクロージャー内温度が低い
- 室温が低い
- 大型モデルを印刷している
- 高速印刷している
ABSではPLAと違い、「しっかり冷やす」よりも「急激に冷やさない」ことが重要になります。
AnkerMake M5Cでファンが途中から回る理由
AnkerMake M5Cでは、スライサー側の設定やG-codeによってパーツ冷却ファンが自動制御されています。
ABS用プロファイルでも、特定レイヤー以降でファンが有効になる設定が入っていることがあります。
特に以下のような設定が原因になりやすいです。
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| Cooling | レイヤーごとの冷却設定 |
| Fan Speed | 印刷中のファン回転率 |
| Minimum Layer Time | 小さい層で自動冷却 |
| Bridge Cooling | ブリッジ時だけファンON |
つまり、本体側ではなく「スライサー設定」で制御されているケースがかなり多いです。
ABS印刷では、まずスライサーのCooling設定を確認するのが重要です。
ファンを最初から最後まで止めたい場合の設定
ABSで積層割れを防ぐ場合、パーツ冷却ファンを0%に設定する方法が一般的です。
AnkerMake Studioや使用しているスライサーソフトの「Cooling」設定で、以下を確認します。
- Fan Speed → 0%
- Regular Fan Speed → OFF
- Maximum Fan Speed → OFF
- Bridge Fan Speed → 0%
- Layer Cooling → 無効
特に見落としやすいのが「ブリッジ時のみファンON」設定です。
通常印刷では止まっていても、橋渡し部分だけ自動的に回ることがあります。
また、一部プロファイルでは「数層後に自動ON」が入っていることもあるため、ABS専用プロファイルを自作する人も少なくありません。
ただし完全停止には注意点もある
ABSではファン停止が基本ですが、完全に止めることで逆に問題が出る場合もあります。
例えば以下のようなケースです。
- オーバーハングが崩れる
- ブリッジが垂れる
- 細かい部分が潰れる
- 糸引きが増える
特に高速印刷では熱がこもりやすく、細部の精度低下が起きることがあります。
そのため、完全停止ではなく「5〜10%だけ回す」という調整をするユーザーも多いです。
実際、ABS印刷は「積層割れ防止」と「細部品質」のバランス調整になることが多いです。
自作エンクロージャーの考え方はかなり良い
質問内容のように、温度センサー連動でエンクロージャー上部ファンを制御する方法はかなり理にかなっています。
ABSではエンクロージャー内温度を40〜50度前後に維持できると、積層割れがかなり減るケースがあります。
特に大型モデルでは、内部温度維持が仕上がりに直結します。
ただし、上部排気ファンが強すぎると、内部温度が急激に下がってしまうことがあります。
そのため、以下のような調整を試す人も多いです。
- 排気ファン回転数を下げる
- 排気開始温度を上げる
- エンクロージャー断熱強化
- プリント速度を少し下げる
ABSでは「冷却しすぎない」がかなり重要なポイントになります。
ABS印刷でおすすめされる設定例
AnkerMake M5CでABSを安定させたい場合、以下のような設定がよく使われています。
| 項目 | 目安設定 |
|---|---|
| ノズル温度 | 250〜265℃ |
| ベッド温度 | 90〜110℃ |
| パーツ冷却ファン | 0〜10% |
| エンクロージャー内温度 | 40〜50℃ |
| 印刷速度 | やや控えめ |
もちろんフィラメントメーカーによって最適値は変わりますが、積層割れ対策としてはかなり定番の方向性です。
まとめ
AnkerMake M5CでABS印刷時に途中からファンが回る場合、多くはスライサー側のCooling設定やG-code制御が原因です。
積層割れを防ぐなら、まずパーツ冷却ファンを0%に設定し、ブリッジ冷却なども確認するのが重要です。
また、自作エンクロージャーで温度管理している構成はABS向きで、かなり効果的な対策と言えます。
ABSでは「冷やす」より「急冷させない」ことが積層割れ防止の基本になります。
ファン完全停止だけでなく、エンクロージャー温度や排気量も含めて調整すると、かなり安定したABS印刷がしやすくなります。


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