携帯電話が使えないときや通信障害が発生したとき、公衆電話から119番へ緊急通報することができます。その際、「公衆電話は普通の電話を受けられないイメージがあるけれど、119番から折り返しの電話がかかってくることはあるのか」と疑問に思うことがあります。
公衆電話は普段、一般の人が電話番号を指定して着信させるための電話として利用するものではありません。しかし、119番・110番などの緊急通報については、緊急通報を受けた機関から通報元へ「呼び返し」を行える仕組みがあります。
実際に消防機関の案内では、公衆電話から119番した際、状況によって一度受話器を置いて消防からの呼び返しを待つよう説明している例があります。公衆電話から119番をかけた後に消防から電話がかかってくることはあり得るため、指令員から待つよう指示された場合や通話が正常にできなかった場合は、その公衆電話のそばをすぐ離れないことが重要です。
- 公衆電話から119番へ通報することはできる
- 119番通報後は消防から「呼び返し」されることがある
- 実際に公衆電話へ消防から呼び返すケースがある
- そもそも「呼び返し」と普通の着信は意味が違う
- なぜ119番から折り返し電話をするのか
- 公衆電話から119番したら場所を詳しく伝える
- 119番をかけた後は勝手にすぐ切らない
- 指令員から「電話を切って待ってください」と言われた場合
- 緑色・グレーの公衆電話から119番する方法
- 119番につながるか試しに電話するのはNG
- 携帯電話がつながらないとき公衆電話は重要な通報手段になる
- 公衆電話から119番するときのポイントを整理
- まとめ:公衆電話でも119番通報後に消防から呼び返しが入ることがある
公衆電話から119番へ通報することはできる
NTT東日本・NTT西日本の公衆電話は、110番、118番、119番への緊急通報に対応しています。緊急通報では硬貨やテレホンカードを用意する必要はありません。[NTT東日本:公衆電話の種類と利用方法]
赤い「緊急通報ボタン」が付いていない公衆電話では、受話器を上げて発信音を確認し、そのまま119をダイヤルします。
赤い緊急通報ボタンが付いている公衆電話では、受話器を上げて赤いボタンを押し、発信音が聞こえたら119をダイヤルします。こちらも硬貨やカードは必要ありません。
総務省消防庁も、携帯電話の通信障害などで119番へつながらない場合には、公衆電話を利用する方法を案内しています。[総務省消防庁:119番緊急通報]
119番通報後は消防から「呼び返し」されることがある
119番通報では、消防の通信指令員が火災・救急の内容、発生場所、負傷者の状態などを聞き取ります。必要な情報が不足していた場合や、通報途中で電話が切れてしまった場合には、消防側から通報元へ電話をかけ直すことがあります。
これは一般に「呼び返し」「再呼び出し」「折り返し」などと呼ばれます。緊急通報を扱う通信設備については、緊急機関から発信元へ呼び返しを行える機能などを備えることが制度上求められています。
総務省の事業用電気通信設備に関する規則でも、緊急通報について、緊急機関へ送信された電話番号による呼び返し、またはそれに準ずる機能を備えることが規定されています。
したがって「公衆電話は普通の着信に使わないから、119番からも絶対にかかってこない」という理解は正しくありません。緊急通報では特別な呼び返しの仕組みがあります。
実際に公衆電話へ消防から呼び返すケースがある
消防機関の公式案内にも、公衆電話へ消防側から呼び返すケースが明記されています。
例えば佐渡市消防本部では、ピンク色の公衆電話から119番をかけた際、一定の状態では通報者の声が消防側へ聞こえない場合があるため、「受話器を置き呼び返しを待つ」と案内しています。[佐渡市消防本部:119番通報の方法]
北海道苫小牧市も、緊急通報ボタンがない一部の公衆電話について、適切な操作をせず119番へ発信すると消防側に音声が届かない場合があり、その際には消防から呼び返すので、一度電話を切って待つよう案内しています。[苫小牧市:119番のかけ方]
現在街中で多く見られるNTTの緑色・グレーの公衆電話では通常の手順で双方向通話できますが、緊急通報では何らかの理由で接続が中断した場合にも呼び返しが行われる可能性があります。
そもそも「呼び返し」と普通の着信は意味が違う
ここで混同しやすいのが、一般電話から公衆電話へ電話をかけることと、119番通報後に消防機関が呼び返すことです。
公衆電話は基本的に、不特定多数の人が外出先から電話を発信するための設備として設置されています。自宅の固定電話のように、利用者が公衆電話の番号を相手へ知らせて日常的に着信を受ける使い方を想定したものではありません。
一方、119番や110番などの緊急通報では、通報途中で切断されたときに状況確認が必要になるため、緊急機関側から通報元を呼び返す仕組みが用意されています。
つまり、「普通の電話として着信を受ける機能」と「緊急通報後の呼び返し」は分けて考える必要があります。
なぜ119番から折り返し電話をするのか
消防が呼び返す最大の理由は、通報内容を正確に確認するためです。119番が途中で切れてしまった場合、消防側には「単なる間違い電話なのか」「通報者が倒れて会話できなくなったのか」が分からない場合があります。
総務省消防庁も、119番通報の内容を確認できなかった場合には、消防機関が発信元へ折り返し電話をしたり、共有された位置情報などをもとに現場付近へ消防車両を向かわせたりする場合があると案内しています。[総務省消防庁:119番からの折り返しについて]
例えば「救急車をお願いします」と伝えた直後に電話が切れ、住所を聞き取れていなければ、消防としてはそのまま放置できません。通報場所や傷病者の状態を確認するため、再度連絡を試みることがあります。
そのため誤って119番へ発信してしまった場合でも、無言で切るのではなく「間違いです。消防車・救急車は必要ありません」と伝えることが推奨されています。
公衆電話から119番したら場所を詳しく伝える
公衆電話から119番するときも、最も重要なのは火災や救急の発生場所を正確に伝えることです。
指令員から「住所はどこですか」と聞かれたら、市区町村名、町名、番地まで分かる範囲で伝えます。住所が分からない場合は、駅名、交差点名、コンビニ、学校、公園、ビルなど目立つ建物を伝えます。
例えば「○○駅東口の公衆電話です」「○○コンビニの前です」「国道○号の○○交差点付近です」のような伝え方でも位置特定の手掛かりになります。
固定電話や公衆電話からの119番では、消防側の発信地表示システムによって発信場所を把握しやすい場合もありますが、機械任せにせず自分の言葉でも場所を説明することが大切です。
119番をかけた後は勝手にすぐ切らない
119番へつながったら、必要なことを伝え終わったと思っても自分の判断ですぐ電話を切らないようにしましょう。
消防の指令員は、火事か救急か、住所、何が起きているか、傷病者の意識や呼吸などを順番に確認します。救急の場合は電話越しに胸骨圧迫などの応急手当を指導されることもあります。
基本的には指令員が「電話を切ってください」「救急車が向かっています」などと案内するまで質問に答えます。
公衆電話の場合でも同じです。通話途中に自分から切ってしまうと、必要な情報が不足し、消防から呼び返しが必要になる場合があります。
指令員から「電話を切って待ってください」と言われた場合
公衆電話の種類や通話状態によっては、指令員から一度受話器を置くよう指示される場合があります。その場合は指示に従い、公衆電話の近くで待ちましょう。
特に一部の旧式公衆電話では、119番への接続方法によって消防側へこちらの声が届かない状態になる場合があります。このようなときに消防側から呼び返すことで、双方向の会話を行うケースがあります。
受話器を置いた直後にその場所から離れてしまうと、消防が呼び返しても応答できません。
「一度切って待ってください」と指示されたら、その公衆電話が鳴る可能性があるため、受話器を取れる位置で待つと覚えておきましょう。
緑色・グレーの公衆電話から119番する方法
現在利用する機会が多い公衆電話について、NTT東日本の案内を整理すると次のようになります。[NTT東日本公式]
| 公衆電話 | 119番のかけ方 |
|---|---|
| 緊急通報ボタンなし | 受話器を上げて、そのまま119をダイヤル |
| 赤い緊急通報ボタンあり | 受話器を上げる→赤いボタンを押す→119をダイヤル |
| 硬貨・テレホンカード | 緊急通報では不要 |
「お金を持っていないから119番できない」という心配はありません。緊急通報は無料で利用できます。
119番につながるか試しに電話するのはNG
公衆電話を見つけて「本当に119番へつながるのか」「折り返しで鳴るのか」を確認したくなることがあっても、試験目的で119番へ電話してはいけません。
総務省消防庁は、119番がつながるか確認するためだけの通報を控えるよう明確に呼びかけています。消防で同時に受け付けられる119番通報の回線数には限りがあり、本当に救急車や消防車を必要としている人の通報を妨げる可能性があるためです。[総務省消防庁]
同様に「消防から公衆電話へ着信できるか試したい」という目的で119番することも避けましょう。
緊急ではない消防への問い合わせについては、地域の消防本部が公開している一般電話番号などを利用します。
携帯電話がつながらないとき公衆電話は重要な通報手段になる
大規模な通信障害や災害では、スマートフォンから119番へつながりにくくなる可能性があります。この場合、公衆電話は非常に重要な代替手段になります。
消防庁は携帯電話等から119番へつながらない場合の対応として、公衆電話を使う、周囲の人や店舗へ通報を依頼する、消防署へ直接駆け込むといった方法を案内しています。[消防庁公式]
NTT東日本・NTT西日本では公衆電話の設置場所検索も公開しています。普段スマートフォンしか使わない人でも、自宅や勤務先の近くに公衆電話があるか把握しておくと災害時に役立ちます。
公衆電話から119番するときのポイントを整理
| 疑問 | ポイント |
|---|---|
| 公衆電話から119番できる? | できる |
| 料金は必要? | 不要 |
| 硬貨・カードは必要? | 緊急通報では不要 |
| 消防から公衆電話へ着信する? | 緊急通報後に呼び返しされる場合がある |
| 通話後すぐ離れていい? | 指令員から待つよう言われた場合や通話が途中で切れた場合は近くで待つ |
| 試しに119番してもいい? | 不可。緊急時のみ利用する |
まとめ:公衆電話でも119番通報後に消防から呼び返しが入ることがある
公衆電話は通常、自宅の固定電話のように一般の人から自由に着信を受けて使う電話ではありません。しかし、119番などの緊急通報については、消防側から通報元へ「呼び返し」を行う仕組みがあります。
実際に消防機関の公式案内でも、一部の公衆電話から119番した際に音声が正常に届かなければ、一度受話器を置き、消防からの呼び返しを待つよう説明されています。[佐渡市消防本部] [苫小牧市]
そのため公衆電話から119番をした後、指令員から「そこで待ってください」「一度電話を切ってください」などと指示された場合は、その公衆電話から離れず呼び返しに応答できるようにしておくことが重要です。
なお公衆電話からの119番は無料です。赤い緊急通報ボタンがない公衆電話なら受話器を上げて119、ボタンがあるタイプなら受話器を上げて赤いボタンを押してから119をダイヤルします。[NTT東日本公式]
携帯電話の通信障害などでも公衆電話は重要な緊急通報手段になります。ただし、119番は消防車や救急車が必要な緊急時のための番号です。「着信するか試したい」「つながるか確認したい」という理由で発信することはせず、本当に緊急通報が必要な場合に利用しましょう。

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