マキタ純正のポータブル電源はある?18Vバッテリー4本で純正弦波AC100Vを出せるBAC01とPDC01を解説

電池

マキタの18V・40Vmaxバッテリーをすでに何本も持っていると、「EcoFlowのようにAC100Vを出せる純正ポータブル電源があれば、そのバッテリーを活用したい」と考えることがあります。特に非純正インバーターでは、出力波形や保護回路、対応電力などが気になるところです。

実はマキタには、一般的なポータブル電源そのものとは少し形が違いますが、純正のDC-ACインバーター「BAC01」があり、PDC01と組み合わせればマキタ18Vバッテリーを複数装着してAC100Vの純正弦波を出力できます。つまり、「18Vバッテリーを複数本挿してポータブル電源として使いたい」という用途にかなり近い純正システムは、すでに存在しています。

一方、2026年8月時点では、EcoFlowやJackeryの大型モデルのようにバッテリー・インバーター・ディスプレイ・キャスターまで一体化したマキタ純正の大型ポータブル電源や、40Vmaxバッテリーを直接複数挿す据え置き型電源は、国内のマキタ公式製品ラインアップでは確認できません。この記事では、現在利用できるBAC01・PDC01・PDC1200の違いと、今後の製品展開を考えるうえでのポイントを整理します。

マキタには純正のAC100V電源「BAC01」がある

マキタが販売している「BAC01」は、正式にはDCACインバータと呼ばれる製品です。単体ではバッテリーを内蔵しておらず、別売りのポータブル電源ユニットPDC01またはポータブル電源PDC1200を接続して使います。[参照:マキタ BAC01公式カタログ]

BAC01のAC100V出力は2口あり、連続出力1,400W、瞬間最大出力2,800W、しかも純正弦波です。出力周波数は50Hz・60Hzを切り替えられます。またUSB Type-A×2、USB Type-C×2、DC12V出力も備えています。

一般的な安価な非純正インバーターで気になる「矩形波や修正正弦波ではないか」という問題について、BAC01はメーカーが公式に「純正弦波」と明記しています。ノートPC、充電器、照明など、波形に敏感な機器を使いたい場合にも安心材料になります。

PDC01なら18Vバッテリーを最大4本装着できる

「手持ちの18Vバッテリーを複数挿して電源にしたい」という場合に重要なのがPDC01です。PDC01はマキタの18Vリチウムイオンバッテリーを装着して使用するポータブル電源ユニットで、最大4本のバッテリーを取り付けられます。[参照:マキタ PDC01取扱説明書]

BAC01の公式取扱説明書では、PDC01を電源にする場合、18Vバッテリーを2本または4本使用すると明記されています。したがって、例えばBL1860Bを4本持っているなら、その資産を純正システムでAC100V電源として活用できます。[参照:マキタ BAC01取扱説明書]

「マキタ18Vバッテリーを複数個挿してポータブル電源にする純正品が欲しい」という希望に最も近いのが、PDC01+BAC01の組み合わせです。

PDC01+BAC01はどんな構成になる?

構成は一般的なポータブル電源とは少し異なり、バッテリー部分とインバーター部分が分離しています。

18Vバッテリー×2または4本 → PDC01 → BAC01 → AC100V・USB・DC12V機器という流れです。

PDC01はもともと背負って大型のマキタ充電工具を動かす用途も想定された製品ですが、BAC01を接続すれば家庭用コンセントと同じAC100V機器へ給電できます。つまり「背負うバッテリーしかない」のではなく、その背負い式電源ユニットを純正インバーターへ接続して汎用電源化する仕組みが用意されています。

BAC01は純正弦波・1400Wなので意外に本格的

BAC01は単にスマートフォンを充電するための小型インバーターではありません。PDC1200と組み合わせた場合、連続1,400W、瞬間最大2,800Wまで対応します。

項目 BAC01
AC出力 100V・2口
波形 純正弦波
連続出力 1,400W(VA)
瞬間最大出力 2,800W(VA)
周波数 50Hz/60Hz切替
USB Type-A 2口
USB Type-C 2口・USB PD 30W
DC12V 12V/10A
対応電源 PDC01・PDC1200

マキタ自身も、災害時のスマートフォンやバッテリーの充電、現場照明、電源のない場所での充電などを用途として紹介しています。[参照:マキタ BAC01公式資料]

そのため、サードパーティー製の小型インバーターよりかなり本格的な仕様です。

ただしPDC01で使う場合は750W付近に制約がある

BAC01本体は連続1,400W仕様ですが、PDC01を電源として使用する場合には注意があります。マキタの取扱説明書では、PDC01使用時に750W以上で使用すると、バッテリー保護機能によって出力が停止する場合があるとされています。

つまり、18Vバッテリー4本を挿したからといってPDC1200と完全に同じ1,400W環境になるわけではありません。電気ケトル、電子レンジ、ドライヤーなど1,000Wを超える機器を安定して動かす用途にはPDC01よりPDC1200のほうが適しています。

一方、照明、ノートPC、テレビ、工具用充電器、スマートフォン充電、小型家電など数百Wクラスなら、18Vバッテリー資産を利用できるメリットは大きいでしょう。

18Vバッテリーでどのくらい使える?

例えばBL1860Bは18V・6.0Ahなので、公称値から単純計算すると1本あたり約108Whです。4本なら約432Wh相当になります。ただし実際にAC100Vへ変換するとインバーター損失や保護制御があるため、432Whをすべて取り出せるわけではありません。

マキタの公式値では、PDC01にBL1860Bを使用しBAC01から750Wを出力した場合、動作時間の目安は約10分とされています。これは高負荷時の参考値です。

例えば100W程度の機器なら高負荷時より長時間使えますが、実際の稼働時間はバッテリーの劣化状態、周囲温度、負荷変動などで変わります。EcoFlowなどのポータブル電源に表示される「残り○時間」のような高度な管理機能を期待する製品ではありません。

PDC1200なら容量1,200Whのマキタ純正電源になる

より大容量が必要ならPDC1200があります。こちらは市販の18Vバッテリーを差し込む方式ではなく、約1,200Whの大容量バッテリーを一体化したマキタ純正のポータブル電源です。

BAC01との組み合わせでは、1,000W出力時の動作時間が約56分と公称されています。BAC01本来の連続1,400W出力を活用したい場合もPDC1200が適しています。

ただしPDC1200はEcoFlowのような「本体正面にコンセントが並んだ箱型ポータブル電源」ではなく、もともと業務用工具への給電を主目的とした製品です。AC100V化するにはBAC01を追加する必要があります。

EcoFlowタイプとBAC01+PDCの違い

比較 マキタ BAC01+PDC01/PDC1200 一般的な大型ポータブル電源
AC100V
純正弦波 多くの主要製品は○
18Vバッテリー流用 ○ PDC01使用時 ×
一体型 ×
キャスター 本体一体型ではない 大型機ではあり
残量ディスプレイ 簡易的 高機能な製品が多い
家庭用蓄電池的な使いやすさ
マキタ工具との連携

つまりマキタのシステムは、EcoFlowの代用品として設計されたというより、現場で使うマキタ電源システムをAC100Vにも展開できるようにした製品です。そのため性能は高い一方、一般家庭向けポータブル電源ほど一体感や操作性を重視した形ではありません。

キャスター付きで運ぶことはできる?

BAC01そのものにはEcoFlow DELTA Proシリーズなどのような大型キャスターは付いていません。ただし公式カタログでは、マックパックやトローリなどと組み合わせて運搬する例が掲載されています。

BAC01は本体寸法が約395×345×163mm、質量約7.3kgです。そこへPDC01と複数の18Vバッテリーを加えるとそれなりの重量になるため、現場では台車やマックパック系運搬用品を組み合わせるほうが実用的です。

とはいえ「一つの箱にバッテリー4~8本を差して、伸縮ハンドルとキャスターで転がす」という製品ではありません。ここは現在のマキタ純正ラインアップでまだ埋まっていない部分です。

40Vmaxバッテリーを複数挿す純正インバーターはある?

2026年8月時点で国内のマキタ公式製品情報を確認した限り、BL4040FやBL4080Fなどの40Vmaxバッテリーを2本・4本と直接差し込み、AC100V純正弦波を出力する据え置き型インバーターは確認できません。

40Vmax製品をPDC01・PDC1200で使うためのアダプターは存在しますが、これはPDC側から40Vmax工具へ給電するための仕組みです。通常の40Vmax着脱式バッテリーをBAC01へ直接接続するものではありません。

そのため、現時点で「手持ちの着脱式バッテリーをポータブル電源化する」という用途なら18V+PDC01のほうが実現しやすい状況です。

なぜ40Vmax用の大型インバーターが欲しくなるのか

40VmaxにはBL4080Fのような大容量バッテリーがあります。仮に40Vmax 8.0Ahクラスを複数本組み合わせれば相当な電力量になるため、「これをAC100Vへ変換できれば便利なのに」と考えるのは自然です。

またマキタは40Vmaxシリーズを非常に積極的に拡充しており、2026年にもチェンソー、集じん機、インパクトレンチなど多数の新製品を発売しています。[参照:マキタ公式ニュース]

技術的には、複数バッテリーを安全に並列・切替制御し、BMSと通信しながら純正弦波インバーターへ給電する製品を作ることは考えられます。しかし、実際に発売するかどうかはメーカーの製品戦略次第です。

今後EcoFlow型の純正ポータブル電源を出す予定はある?

2026年8月27日時点で、マキタの公式ニュース、新製品情報、国内製品ラインアップを確認した範囲では、EcoFlowのような大型キャスター付き一体型ポータブル電源を今後発売するとした公式発表は確認できません。[参照:マキタ公式ニュース]

また、40Vmaxバッテリーを複数直接挿せる新型ACインバーターについても、発売予定を示す公式情報は現時点では確認できません。

したがって「今後出そう」という予想はできますが、現段階では噂や期待の範囲を出ません。発売予定として断定できる材料はありません。

ただしマキタが電源関連を拡充する余地は十分ある

一方で、マキタはすでにBAC01という1,400W純正弦波インバーターを商品化しています。つまり「工具用バッテリーを汎用AC電源として利用する」という方向性自体にはすでに踏み込んでいます。

また現在の主力である40Vmaxシリーズには大容量バッテリーも増えているため、将来40Vmax対応の電源関連アクセサリーが拡充されても不自然ではありません。

ただし、これは現在の製品展開から考えられる可能性であり、メーカーが開発・発売を予告しているという意味ではありません。発売を待つ場合はマキタ公式の新製品情報を確認するのが確実です。

サードパーティーのマキタバッテリー用インバーターは注意が必要

通販サイトでは、マキタ18Vバッテリーを装着してAC100Vを出力する非純正インバーターが数千円程度で販売されています。しかし製品によって出力波形、最大電力、低電圧保護、過電流保護、温度保護などの仕様に差があります。

特に「AC100V出力」とだけ書かれていて純正弦波と明記されていない製品では、矩形波・修正正弦波などの場合があります。モーター、ACアダプター、オーディオ機器、一部の電子制御家電などでは正常に動作しない可能性があります。

さらにマキタは、純正バッテリーについてPSE表示や安全上の注意を公開しています。高価な純正バッテリーを長く使用したいのであれば、過放電や異常電流に対する保護が不明な機器へ接続するリスクも考慮する必要があります。[参照:マキタ「純正バッテリと充電器のPSEマークについて」]

手持ち18Vバッテリーが多いならPDC01+BAC01はかなり面白い

すでにBL1860Bなどを4本以上持っているユーザーであれば、PDC01+BAC01は一般的なポータブル電源にはないメリットがあります。電池が切れても充電済み18Vバッテリーへ交換できるため、固定容量の内蔵バッテリーを充電し終わるまで待つ必要がありません。

工具作業中は18Vバッテリーとして使い、停電やアウトドア時にはAC100V電源として利用する、といった使い回しもできます。

一方でPDC01とBAC01を新規購入し、さらに18Vバッテリー4本まで揃えるとなると価格はかなり高くなります。マキタのバッテリー資産をすでに持っていない人なら、同じ予算で大容量の一体型ポータブル電源を購入したほうが容量・利便性とも有利な場合があります。

どんな人にBAC01+PDC01が向いている?

このシステムは、一般的なポータブル電源の代わりとして万人におすすめできるものではありません。特に相性がよいのは、すでにマキタ18Vバッテリーを複数所有している人です。

  • BL1860Bなど18Vバッテリーを4本以上持っている
  • 現場でAC100Vが必要になる
  • 純正弦波が必要
  • 非純正インバーターを使いたくない
  • 停電時に工具用バッテリーを非常用電源へ転用したい
  • 750W以下を中心に使用する

逆に、家庭の非常用として冷蔵庫や電子レンジなどを長時間動かしたい、ソーラー充電したい、大画面で残量を確認したい、キャスターで簡単に運びたいという用途なら、EcoFlowなどの一般的な大容量ポータブル電源のほうが使いやすいでしょう。

まとめ:マキタにはすでに18Vバッテリーを純正弦波AC電源にできるBAC01+PDC01がある

マキタにはEcoFlowのような箱型・キャスター付きの大型一体型ポータブル電源は、2026年8月時点の国内公式ラインアップでは確認できません。また、そのタイプを今後発売するという公式発表も現時点では確認できません。

しかし、「マキタ18Vバッテリーを複数挿してAC100Vのポータブル電源として使いたい」という希望そのものは、PDC01+BAC01ですでにかなり実現できます。PDC01には18Vバッテリーを2本または4本装着でき、BAC01からAC100V・純正弦波を出力できます。

BAC01は連続1,400W・瞬間最大2,800Wですが、PDC01使用時には750W以上で保護機能によって停止する場合がある点には注意が必要です。高出力・長時間運転が必要なら1,200WhのPDC1200との組み合わせが本来の性能を生かせます。

一方、40Vmaxバッテリーを2本・4本と直接差し込み、キャスター付きの一体型ポータブル電源として使える純正製品は現状確認できません。将来的に登場すれば既存の40Vmaxユーザーには非常に魅力的ですが、今のところ公式な予告はないため、手持ちの18V資産を今すぐ純正・純正弦波で活用したいならBAC01+PDC01が最も近い選択肢となります。

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