マルチカラー3Dプリンターは色を混ぜて印刷できる?多色印刷の仕組みと限界をわかりやすく解説

3Dプリンター

最近は、複数色で出力できる「マルチカラー対応3Dプリンター」が増えてきています。SNSなどでもカラフルな3Dプリント作品を見かける機会が増え、「普通のプリンターみたいに色を混ぜて自由にカラー表現できるの?」と気になる人も多いでしょう。

しかし、一般的な家庭用インクジェットプリンターと、現在主流のマルチカラー3Dプリンターでは、色の作り方がかなり違います。この記事では、多色3Dプリンターの仕組み、実際にできること、色混合タイプとの違い、現在の限界についてわかりやすく解説します。

一般的なマルチカラー3Dプリンターは「セットした色」を切り替えて使う

現在主流になっている多色対応3Dプリンターの多くは、複数色のフィラメントを切り替えながら印刷する方式です。

つまり、4色対応モデルなら「赤・青・白・黒」など、セットしたフィラメントを必要なタイミングで切り替えながら出力しています。

これは紙プリンターのCMYK混色とは少し違い、「色を切り替える」イメージに近いです。

代表的なマルチカラー方式

方式 特徴
フィラメント切替方式 複数色を順番に切替
複数ノズル方式 色ごとに別ノズル
混色ホットエンド方式 一部色混合可能

最近人気のBambu Lab AMSやCreality CFSなども、基本的には「色切替方式」に近い構造です。

普通のプリンターのような「自由な色混合」は基本的に難しい

インクジェットプリンターでは、CMYKインクを細かく混ぜながら無数の色を表現しています。

しかしFDM方式3Dプリンターでは、溶かした樹脂(フィラメント)を押し出して積層するため、インクのような超微細混色が苦手です。

そのため、一般的な多色3Dプリンターでは「赤フィラメント」「青フィラメント」をそのまま使う形が中心になります。

例えば4色機ならどうなる?

例えば以下のように4色セットした場合を考えます。

この場合、多くの機種では「赤部分は赤フィラメント」「青部分は青フィラメント」という使い方になります。

つまり、写真プリンターのように滑らかに色を混ぜてグラデーションを作るのは苦手です。

一部には「色を混ぜる」3Dプリンターも存在する

ただし、完全に不可能というわけではありません。

一部には、複数色フィラメントをホットエンド内部で混ぜる「混色ホットエンド」方式も存在します。

混色ホットエンドの特徴

これは、複数フィラメントを1つのノズルへ送り込み、内部で混ぜながら出力する方式です。

理論上は、中間色やグラデーション表現も可能になります。

ただし課題も多い

混色方式は面白い技術ですが、実際には以下の課題があります。

  • 色の再現性が難しい
  • 完全な均一混色が難しい
  • 色切替時に濁りやすい
  • ノズル詰まりリスクが増える
  • 設定難易度が高い

そのため、現在の主流は依然として「色切替方式」が中心です。

なぜ3Dプリンターは紙プリンターのようなカラー表現が難しいのか

最大の理由は、素材そのものが違うためです。

インクジェットプリンターは極小インク粒子を紙へ吹き付けていますが、FDM方式3Dプリンターは溶けた樹脂を物理的に積み上げています。

つまり、3Dプリンターは「色付きプラスチックを積み重ねる装置」に近い構造です。

そのため、微細なドット混色によるフルカラー表現が非常に難しくなります。

フィラメント交換時にはロスも出る

色を切り替える際、ノズル内部に前の色が残るため、不要部分へ排出する「パージ」が必要になります。

これにより、マルチカラー印刷ではフィラメント消費量が増えやすい特徴もあります。

最近の高性能機はかなり自然な多色表現が可能

完全フルカラーではないものの、最近のマルチカラー3Dプリンターはかなり自然な色分けができるようになっています。

特に以下のような用途では非常に人気があります。

  • フィギュア
  • ロゴプレート
  • キャラクター模型
  • ボードゲーム駒
  • アート作品

以前は塗装前提だった3Dプリントも、最近は多色印刷だけでかなり完成度が高くなっています。

本格フルカラー印刷は別方式になる場合が多い

もし「写真のようなフルカラー」を求める場合、FDM方式ではなく別方式になることがあります。

例えば以下のような技術です。

  • 石膏粉末+インク方式
  • UV硬化樹脂方式
  • フルカラー樹脂ジェット方式

これらは業務用中心で、価格もかなり高額になります。

家庭用マルチカラー3Dプリンターとは別ジャンルに近い存在です。

3Dプリンター選びでは「何色使えるか」より方式が重要

最近は「4色対応」「8色対応」などが注目されますが、実際には方式によって使い勝手がかなり違います。

例えば、色数が多くても切替時間が長かったり、フィラメントロスが多かったりする機種もあります。

そのため、単純な色数だけでなく、AMSや自動切替システムの完成度、ソフトウェア対応なども重要になります。

[参照]

まとめ

現在主流のマルチカラー3Dプリンターは、基本的に「セットしたフィラメント色を切り替えながら印刷する」方式です。

そのため、一般的なインクジェットプリンターのようにCMYKを自由混色して無限に色を作るわけではありません。

一部には混色ホットエンド方式も存在しますが、まだ課題が多く、家庭用では色切替方式が主流となっています。

ただし、最近の多色3Dプリンターは非常に進化しており、塗装なしでも高品質なカラー作品を作れる時代になっています。

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