リチウムイオンバッテリーの充電方式として一般的なCCCV充電は、一見すると「CVに入った瞬間=ほぼ満充電」に見えることがあります。しかし、その直後と最終的な充電完了状態には違いがあるのか、また同じ電圧に見える状態で何が起きているのかは直感的に分かりにくい部分です。ここではCCCV充電の内部で起きているプロセスを整理していきます。
CCCV充電の基本構造
CCCV充電は「定電流(CC)→定電圧(CV)」の2段階で構成されています。
例えばCC段では一定電流で急速に充電し、設定電圧に達するとCV段へ移行します。
この時点で電圧は上限に達しますが、まだバッテリー内部は完全な満充電状態ではありません。
CV開始直後①の状態とは
CVモードに入った直後は、電圧はすでに上限値に到達していますが、内部的には充電電流がまだ比較的高い状態です。
例えばSOC(充電率)で見ると、80〜95%程度の範囲にあることが多く、ここからじわじわと残りの充電が進みます。
この段階ではセル間のばらつきもまだ完全には揃っていない状態です。
充電完了②の状態とは
充電完了時点では、CV電圧を維持したまま電流が十分に低下した状態になっています。
例えば「充電電流が設定しきい値以下になった時点」で充電終了と判定されます。
この過程でセルバランスの微調整や内部拡散が進み、実質的により安定した満充電状態に近づきます。
①と②で何が違うのか
同じ電圧に見えても、①は「まだ充電が進行中の状態」、②は「電流がほぼ流れ終わった安定状態」という違いがあります。
例えば①で止めた場合は表面的には満充電近く見えても、内部的には若干の容量余裕が残っていることがあります。
一方②まで進めると、より電極の平衡が整った状態になります。
セルバランスとCV充電の役割
CV段では単なる充電ではなく、各セル間の電圧差を整える役割もあります。
例えば並列・直列構成のバッテリーでは、微小な差を時間をかけて補正する工程が含まれます。
そのため同じ電圧でも時間をかける意味があります。
90%で止めた場合との違い
CV開始直後で充電を止めた場合と、CV工程を経て90%相当で終了した場合では内部状態が異なります。
例えば前者は電圧上昇途中の「未安定状態の90%」、後者は電圧・拡散・バランスが整った「安定した90%」になります。
見た目のSOCが同じでも、内部抵抗や電圧分布に差が出ることがあります。
まとめ
CCCV充電におけるCV開始直後と充電完了時点は、同じ電圧でも内部状態が異なります。
前者は充電途中の不安定な段階、後者は電流減衰とセルバランス調整が進んだ安定状態であり、単純な電圧値だけでは同一とは判断できません。


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