FDM方式の3Dプリンターで造形した作品は、積層ピッチによる表面の段差や積層痕が残りやすく、そのまま塗装すると仕上がりに影響することがあります。特に0.2mmピッチ程度で印刷した造形物では、近くで見ると横方向のラインが目立つことがあります。
この記事では、FDM方式3Dプリンターで作った作品をきれいに塗装するための下処理方法、積層痕を目立たなくする方法、使用する塗料やトップコートの選び方について、初心者向けに詳しく解説します。
FDM方式3Dプリンターの作品は塗装前の下処理が重要
FDM方式の3Dプリンターでは、溶かしたフィラメントを一層ずつ積み重ねて造形するため、表面に細かな段差ができます。この積層痕を残したまま塗装すると、塗料を塗っても凹凸が目立つ場合があります。
きれいな塗装面を作るためには、まず表面処理を行うことが大切です。基本的な流れは「ヤスリがけ→サーフェイサー→再度修正→塗装→トップコート」という手順になります。
例えばフィギュアや模型のように表面の美しさを重視する作品では、塗装そのものよりも下地作りに時間をかけることで完成度が大きく変わります。
積層痕を消すための基本的な処理方法
積層痕を目立たなくするには、まず紙ヤスリで表面を整えます。目の粗い番号から始めて、徐々に細かい番手へ移行すると滑らかな表面になります。
一般的には、400番程度のヤスリで大きな段差を削り、600番〜1000番程度で表面を整える方法が使われます。
細かい部分まで完全に削るのが難しい場合は、サーフェイサーを吹いて表面の状態を確認し、凹凸が残っている部分だけ再度修正すると効率的です。
サーフェイサー後に使うおすすめの塗料
タミヤのファインサーフェイサーなどで下地を整えた後は、模型用塗料を使用すると扱いやすくきれいに仕上がります。
初心者の場合は、以下のような塗料が使いやすいです。
- ラッカー系塗料:発色が良く、塗膜が丈夫
- アクリル系塗料:扱いやすく、水性タイプなら臭いが少ない
- エナメル系塗料:細かい部分の塗装やウェザリング向き
アクリル絵の具でも色を付けることは可能ですが、模型用塗料と比べると塗膜が弱く、擦れる部分では剥がれやすい場合があります。そのため、長期間飾る作品や触る作品では模型用塗料の方が向いています。
3Dプリント作品の塗装手順
初心者が失敗しにくい基本的な塗装手順は以下の通りです。
- 造形物の表面をヤスリで整える
- 洗浄して削りカスや油分を取り除く
- サーフェイサーを薄く吹く
- 表面を確認して必要なら再度修正する
- 塗料を薄く何度か重ねて塗る
- 最後にトップコートで保護する
一度に厚く塗ると、細かいディテールが埋まったり、塗料が垂れたりする原因になります。薄く吹いて乾燥させる工程を繰り返す方がきれいに仕上がります。
おすすめのトップコートの選び方
トップコートは、完成した塗装面を保護するために使用します。作品の用途によってツヤの種類を選ぶことが重要です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| つや消し | 落ち着いた質感になり、フィギュアや模型向き |
| 半光沢 | 自然なツヤで幅広い作品に使いやすい |
| 光沢 | 金属やプラスチック感を出したい場合に向く |
例えばフィギュアや小物ならつや消し、ロボットやメカ系なら光沢や半光沢を選ぶと雰囲気に合いやすくなります。
初心者が最初にそろえると便利な道具
3Dプリンター本体とフィラメントしか持っていない場合でも、最低限の道具をそろえることで塗装が始められます。
- 紙ヤスリ(400番〜1000番程度)
- サーフェイサー
- 模型用塗料
- 筆またはエアブラシ
- トップコート
- マスキングテープ
最初から高価なエアブラシセットを購入する必要はありません。小さい作品なら筆塗りやスプレー塗料でも十分きれいに仕上げることができます。
まとめ
FDM方式の3Dプリンター作品をきれいに塗装するには、塗料選びよりも積層痕を処理する下地作りが重要です。
サーフェイサーで表面を整えた後は、模型用のアクリル塗料やラッカー系塗料などを使うと、初心者でも扱いやすくなります。アクリル絵の具も使用できますが、耐久性を考えると模型用塗料がおすすめです。
最後にトップコートを吹くことで塗装面を保護でき、3Dプリント作品を長く楽しめます。まずは小さな造形物で下処理から塗装まで試して、徐々に自分に合った方法を見つけるとよいでしょう。


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