高齢の家族がスマートフォンへ乗り換える場合、「電話は時間を気にせず使いたい」「LINEで家族と連絡したい」「毎月の料金はなるべく安くしたい」という条件で選ぶケースは少なくありません。
この条件では、単純に基本料金が最安の会社を選ぶより、通常の電話アプリでかけ放題になるのか、専用アプリが必要なのか、店舗でサポートを受けられるのかまで含めて比較することが重要です。
料金だけを優先するなら楽天モバイルが非常に有力ですが、高齢者本人が専用通話アプリの使い分けに不安を感じるなら、ワイモバイルやauのシニア向け料金も候補になります。この記事では、電話かけ放題とLINEを中心に使う高齢者向けに、主要な選択肢と注意点を整理します。
- 高齢者向けスマホは「通話・LINE・サポート」の3点で選ぶ
- 料金を最優先するなら楽天モバイルが有力
- 楽天モバイルの注意点は「Rakuten Linkから電話する必要がある」こと
- 65歳以上なら楽天モバイルのシニア向け特典もある
- 操作の分かりやすさを重視するならワイモバイルも候補
- 家族がワイモバイルならさらに安くなる場合がある
- auなら60歳以上向け「シニアバリュープラン」がある
- LINEだけなら大容量プランはほとんどの場合必要ない
- 高齢者向けなら格安SIMの最安プランだけで決めないほうがよい
- 楽天・ワイモバイル・auを高齢者向け条件で比較
- スマホ本体は「シニア専用」にこだわらなくてもよい
- 契約前に自宅と生活圏の電波を確認する
- 迷ったときの選び方は「親がRakuten Linkを使えるか」で決める
- まとめ:高齢の親なら最安だけでなく「間違えず使えるか」で選ぼう
高齢者向けスマホは「通話・LINE・サポート」の3点で選ぶ
スマートフォンをほとんど電話とLINEにしか使わない場合、大容量のデータ通信プランは基本的に必要ありません。自宅にWi-Fiがあり、外出先ではLINE、ニュース、地図などを少し使う程度なら、月3GB~5GB程度でも足りる人は多いでしょう。
一方、電話を長時間使う人は通話料金の確認が重要です。一般的な従量制通話は30秒22円程度なので、1時間電話すると単純計算で2,640円になります。長電話をする人では、多少基本料金が高くても完全かけ放題を付けたほうが安くなる可能性があります。
さらに高齢者の場合は、本人が一人で電話をかけられる仕組みかどうかも料金以上に重要です。通常の電話アプリを使えば無料になるサービスと、専用アプリから発信しなければ無料にならないサービスでは使い勝手が大きく異なります。
料金を最優先するなら楽天モバイルが有力
電話をたくさん使い、データ通信はLINE程度という人にとって、料金面で非常に有力なのが楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」です。データ利用量に応じて料金が変わり、3GBまでなら通常料金は月額1,078円、家族割引適用時は月額968円です。[参照]
さらに楽天モバイルでは、Rakuten Linkアプリを使った国内通話が基本的に無料です。携帯電話だけでなく固定電話への国内通話も対象となり、時間や回数による一般的な上限はありません。一部の電話番号は対象外です。[参照]
例えば月3GB以内で、電話を何時間も利用するとしても、Rakuten Linkを正しく使えば基本料金を非常に低く抑えられます。「電話かけ放題+LINE+低料金」という条件だけを見ると、かなり強い選択肢です。
楽天モバイルの注意点は「Rakuten Linkから電話する必要がある」こと
楽天モバイルを高齢者へ勧める場合に最も注意したいのが、通話方法です。無料通話を利用するには原則としてRakuten Linkという専用アプリから発信する必要があります。
スマートフォンに最初から入っている通常の電話アプリから発信すると、国内通話は30秒22円です。楽天モバイル公式でも、Rakuten Linkを使わずOS標準電話アプリから発信した場合には30秒22円かかると案内しています。[参照]
例えば高齢の親へ「緑色の電話アイコンではなく、Rakuten Linkを開いて電話してね」と説明しても、毎回間違えずに操作できるのであれば問題ありません。しかし、電話アプリの使い分けが難しい人では、意図せず通話料が発生する可能性があります。
スマホ操作にある程度慣れている高齢者なら楽天モバイル、電話アプリの使い分けが難しそうなら通常の電話アプリでかけ放題になる会社という判断が分かりやすいでしょう。
65歳以上なら楽天モバイルのシニア向け特典もある
楽天モバイルでは65歳以上を対象に「最強シニアプログラム」も用意されています。Rakuten最強プランなどを契約し、条件を満たしてエントリーすると毎月110ポイントが還元されます。[参照]
さらに対象の安心サービスなどを組み合わせた特典も用意されています。ただし、ポイント還元にはエントリーが必要で、年齢条件や対象プランなどもあるため、申し込む場合は最新の条件を公式サイトで確認しましょう。
楽天モバイルには店舗もあるため、オンライン契約が難しい場合はショップで相談できます。ただし、日常のスマホ操作をどこまで店舗でサポートしてもらえるかはサービス内容によって異なるため、「LINE設定まで手伝ってほしい」など具体的な希望がある場合は事前確認がおすすめです。
操作の分かりやすさを重視するならワイモバイルも候補
高齢者本人が専用通話アプリを使うのは難しそうという場合には、ワイモバイルも有力です。ワイモバイルの「スーパーだれとでも定額+」は、通常の電話機能を使って国内通話を時間・回数の制限なく利用できる通話オプションです。一部対象外の番号があります。[参照]
現行の「シンプル3 S」は月5GBで基本料金3,278円です。スーパーだれとでも定額+は通常月額1,980円ですが、60歳以上には「60歳以上 通話ずーっと割引キャンペーン」があり、対象のかけ放題オプション料金から毎月1,100円が割り引かれます。[参照]
シンプル3 Sの場合、割引なしの基本料金3,278円にかけ放題1,980円を追加し、60歳以上の通話割引1,100円を適用すると、合計は月額4,158円です。楽天モバイルより高くなりますが、電話をかけるたびに専用アプリを意識する必要がないというメリットがあります。
家族がワイモバイルならさらに安くなる場合がある
ワイモバイルには家族割引サービスがあります。現行のシンプル3 Sで家族割引の2回線目以降が適用される場合、月額1,100円が割り引かれます。
60歳以上の人がシンプル3 Sを契約し、家族割引とスーパーだれとでも定額+、60歳以上通話割引を組み合わせた場合、公式の案内では合計月額3,058円となる例が示されています。[参照]
また、自宅でSoftBank 光やSoftBank Airなど対象サービスを利用している場合は「おうち割 光セット(A)」によって料金が下がる場合もあります。家族がすでにソフトバンク・ワイモバイル系を利用している家庭では、楽天モバイルとの料金差が小さくなることがあります。
ワイモバイルは実店舗も比較的多いため、料金だけでなく「何かあったらお店へ相談したい」という高齢者には安心材料になります。
auなら60歳以上向け「シニアバリュープラン」がある
大手キャリアの店舗サポートを重視したい場合には、auの「シニアバリュープラン」も候補です。これは申し込み時点で60歳以上の人が加入できるプランで、月5GBのデータ容量と1回5分以内の国内通話かけ放題が含まれています。[参照]
基本料金は月額4,048円で、対象の自宅インターネットサービスや支払い方法などの割引条件を満たすと月額2,728円になる例が公式サイトで案内されています。ただし、この2,728円という金額にはauスマートバリューなどの条件があります。
長電話をする場合には、「通話定額2」を月額1,100円で追加できます。シニアバリュープラン契約者向けの特別料金となっており、これを付けると国内通話を24時間かけ放題にできます。一部対象外通話があります。[参照]
そのため、対象割引がすべて適用できる場合は、月額2,728円+1,100円=3,828円程度で5GB+完全かけ放題という構成にできます。割引条件を満たさない場合はこれより高くなるため、契約前に料金シミュレーションが必要です。
LINEだけなら大容量プランはほとんどの場合必要ない
LINEでメッセージや写真をやり取りする程度なら、それだけで数十GBものデータ容量を必要とするケースは通常多くありません。自宅ではWi-Fiを利用するなら、3GB~5GB程度のプランから検討すると料金を抑えやすくなります。
ただし、LINEのビデオ通話を毎日のように長時間使う場合は話が変わります。映像を送受信するため、文字だけのメッセージより多くのデータ通信量を消費します。
例えば外出先で動画サイトを頻繁に見る、LINEビデオ通話を長時間使う、孫から送られてくる動画をモバイル回線で大量に見る、といった使い方なら5GBを超えることもあります。その場合は10GB以上のプランも検討しましょう。
高齢者向けなら格安SIMの最安プランだけで決めないほうがよい
格安SIMには月1,000円以下の料金プランもありますが、「安ければ高齢者向け」というわけではありません。電話かけ放題を追加すると料金差が縮まることがありますし、店舗がほとんどない会社では設定や故障時の相談を家族が担当することになります。
スマートフォンに慣れている家族が近くに住んでおり、設定やトラブルをいつでも手伝えるならオンライン中心の低料金サービスでも問題になりにくいでしょう。一方、親が離れて暮らしている場合は、近所に店舗があること自体に価値があります。
また、「かけ放題」という表示も必ず内容を確認しましょう。1回5分、10分、15分まで無料というプランと、時間制限のない完全かけ放題では大きく違います。長電話をしたいのであれば、「国内通話24時間かけ放題」「時間・回数無制限」などの記載を確認する必要があります。
楽天・ワイモバイル・auを高齢者向け条件で比較
電話とLINEが中心という前提で代表的な選択肢を整理すると、次のようになります。料金は条件によって変化するため、契約時には各社の公式サイトで最新料金を確認してください。
| 候補 | データ | 完全かけ放題 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 楽天モバイル | 3GBまで月額1,078円(通常料金) | Rakuten Link利用で国内通話無料 | 圧倒的に安くしやすいが専用アプリが必要 |
| ワイモバイル シンプル3 S | 5GB | 60歳以上なら対象オプションを割引可能 | 通常の電話操作で使いやすく店舗も多い |
| au シニアバリュープラン | 5GB | 月額1,100円で追加可能 | 60歳以上専用で店舗サポートを受けやすい |
最安を狙うなら楽天モバイル、操作の分かりやすさと料金のバランスならワイモバイル、料金より大手キャリアの安心感を重視するならauという分け方が分かりやすいでしょう。
スマホ本体は「シニア専用」にこだわらなくてもよい
高齢者向けというと「らくらくスマホ」など専用端末を想像しやすいですが、LINEと電話が使えればよいのであれば、必ずしもシニア専用スマートフォンにする必要はありません。
通常のAndroidスマートフォンでも、文字サイズを大きくする、ホーム画面にLINEと電話だけを目立つ位置へ置く、不要なアプリをホーム画面から外す、といった設定をすればかなり使いやすくできます。
むしろ家族と同じメーカーやOSにすると、電話で操作方法を説明しやすい場合があります。例えば家族全員がiPhoneなら親もiPhone、家族がAndroidを使い慣れているなら同系統のAndroidという選び方も有効です。
「何か分からなくなったときに家族が説明できる端末」という観点は、高齢者向けスマホではスペック以上に重要です。
契約前に自宅と生活圏の電波を確認する
料金が安くても、自宅で電話がつながりにくければ意味がありません。特に高齢者の場合、スマートフォンが緊急時や家族への連絡手段になることもあるため、生活圏での電波状況は必ず確認しましょう。
楽天モバイル、ソフトバンク系のワイモバイル、auはいずれも公式サイトで通信エリアを公開しています。ただし地図上でエリア内でも、建物の構造や地下、山間部などでは電波状況が異なる場合があります。
家族や近所の人が同じ回線を使っているなら、「家の中で電話できるか」「病院やスーパーへ行ったときにつながるか」を聞くのも参考になります。
特に楽天モバイルを料金目的で選ぶ場合は、契約前に親の自宅や普段よく行く場所の通信状況を確認しておくと安心です。
迷ったときの選び方は「親がRakuten Linkを使えるか」で決める
電話かけ放題、LINE、低料金という3条件だけで比較すると、楽天モバイルの料金は非常に魅力的です。3GBまでの利用なら月額1,078円で、Rakuten Linkを使えば国内通話も基本無料なので、月々の通信費をかなり抑えられます。
ただし、親が毎回Rakuten Linkを開いて電話できるかが重要です。「電話をかけるときはこのアプリ」と理解して使えるのであれば、楽天モバイルを第一候補にしやすいでしょう。
逆に、アプリを間違える可能性が高い、スマートフォン操作そのものに強い不安がある、近くの店舗ですぐ相談できることを重視する場合は、ワイモバイルの60歳以上向け通話割引やauのシニアバリュープランのほうが安心しやすくなります。
料金最優先:楽天モバイル
安さ+操作の簡単さ+店舗:ワイモバイル
大手キャリアの店舗サポート重視:au シニアバリュープラン
まとめ:高齢の親なら最安だけでなく「間違えず使えるか」で選ぼう
高齢の親が「電話を好きなだけ使いたい」「LINEができればよい」「料金はなるべく安くしたい」という条件なら、まず検討したいのは楽天モバイルです。データ3GBまでなら通常月額1,078円で、Rakuten Linkを利用した国内通話が基本無料なので、条件が合えば非常に安く運用できます。[参照]
ただしRakuten Link以外の通常電話アプリから発信すると通話料が発生します。そのため、高齢者向けでは「一番安い会社」より「本人が間違えずに使える会社」のほうが結果的に安心です。
専用アプリの使い分けに不安があるなら、60歳以上向けのかけ放題割引があるワイモバイルが使いやすい候補です。店舗で相談しやすく、通常の電話操作で完全かけ放題を利用できます。大手キャリアの手厚さを優先するなら、60歳以上向けのauシニアバリュープランに月額1,100円の通話定額2を追加する方法もあります。
LINE中心なら大量のデータ容量は必要ないことが多いため、3GB~5GB程度を基準に比較し、最後に自宅周辺の電波、店舗サポート、本人の操作能力を確認すると失敗しにくくなります。家族が一緒に設定できるのであれば楽天モバイル、離れて暮らしていて店舗サポートを頼りたいならワイモバイルやau、という選び方も現実的です。


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