EPSON(エプソン)のインクジェットプリンターを長年使っていると、「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達したため修理が必要です」といったメッセージが表示されることがあります。普段あまり目にしないエラーなので、「故障したのか」「自分で交換できるのか」「修理に送るとき電源コードやインクはどうすればいいのか」と戸惑いやすい症状です。
廃インク吸収パッドは、印刷やヘッドクリーニングなどで発生する廃インクを受け止めるための部品です。EP-808AWではユーザー自身による交換を前提としておらず、限界に達した場合はインクあふれを防ぐため印刷が停止します。
また、プリンターを修理・輸送するときは、本体の電源を正しい手順で切ったあと、電源コードをプリンターから外して束ねるのがエプソン公式の案内です。この記事では、EP-808AWを例に廃インク吸収パッドの意味、修理時の準備、電源コードの扱い、修理対応期限を過ぎた機種で利用できるサービスまで整理して解説します。
廃インク吸収パッドとは何のための部品?
インクジェットプリンターでは、用紙へ印刷するときだけでなく、プリントヘッドを良好な状態に保つためのクリーニングなどでもインクを使用します。このとき用紙へ出力されなかったインクの一部を受け止めるのが「廃インク吸収パッド」です。
EP-808AWの取扱説明書でも、廃インク吸収パッドについて「クリーニング時や印刷時に排出される廃インクを吸収する部品」と説明されています。吸収量が限界に達する時期は使用状況によって異なり、限界になるとインクあふれ防止のため、パッドを交換するまで印刷できなくなる仕様です。[EP-808AW取扱説明書]
つまり、このメッセージは単純に「インクカートリッジがなくなった」という意味ではありません。プリンター内部で長期間にわたり廃インクを受け止めてきた部品について、メーカーが設定している使用限界へ到達したことを知らせています。
EP-808AWの廃インク吸収パッドは自分で交換できる?
EP-808AWについては、エプソン公式マニュアルで「廃インク吸収パッドは、お客様による交換ができないため、エプソンの修理窓口に依頼してください」と案内されています。[参照]
インターネット上ではプリンターを分解して吸収材を交換したり、廃インクカウンターをリセットしたりする情報を見つけることがあります。しかし、吸収材そのものの状態確認や内部清掃、カウンター管理なども関係するため、メーカーがユーザー交換対象としていない機種では公式修理を利用するのが安全です。
特に廃インクカウンターだけをリセットして、実際の吸収パッドがいっぱいの状態のまま使用を続けると、廃インクが内部から漏れる可能性があります。エプソンも、吸収量が限界に達したときに動作を停止するのはインクがあふれるのを防ぐためと説明しています。[エプソン公式FAQ]
修理へ出すとき電源コードは外すのがエプソン公式手順
プリンターを修理や輸送のために準備するとき、電源コードを付けたままにするのか迷いやすいところです。エプソン公式の「修理や輸送する場合の梱包方法」では、まず本体の電源ボタンを押してプリンターを正しくオフにし、その後電源コードを外して束ねるよう案内されています。[エプソン公式:修理・輸送時の梱包方法]
重要なのは、いきなりコンセントを抜くのではなく、先にプリンター本体の電源ボタンで正常に電源を切ることです。
エプソンは、電源をオフにした際にプリントヘッドが右側の「ホームポジション(待機位置)」にあることを確認するよう案内しています。正しい位置へ戻る前に電源を遮断すると、プリントヘッドが待機位置に戻らず、乾燥などによって印刷できなくなるおそれがあるためです。
修理に出す前の基本手順:
1. プリンターの電源ボタンで電源を切る
2. プリントヘッドがホームポジションへ戻ったことを確認する
3. 電源コードを外す
4. 電源コードを束ねて準備する
コンセントから抜くだけでなく本体側からも外す?
電源コードを着脱できるプリンターでは、基本的にはプリンター本体側からも取り外してまとめます。エプソンの公式FAQでも「電源コードを外して、束ねます」と案内されています。
引取修理サービスでは宅配業者が梱包を担当しますが、それは「プリンターを電源につないだまま待っていてよい」という意味ではありません。集荷前に本体を正常終了し、ケーブル類を整理しておくと受け渡しがスムーズです。
USBケーブルやLANケーブルなど外部機器との接続ケーブルがある場合も、基本的には本体から外しておきます。ただし、修理申し込み時に「この付属品も一緒に送ってください」と個別に指示された場合は、その案内を優先してください。
電源ボタンで切れない状態なら無理に動かさない
廃インク吸収パッドが限界になるとプリンターの動作が制限されますが、通常は電源操作自体は可能です。まず本体の電源ボタンを使用して終了させます。
もしエラーや故障によって正常に電源を切れず、プリントヘッドも不自然な位置で止まっている場合には、無理に手でヘッドを動かしたり分解したりしないほうが安全です。エプソン公式FAQでも、輸送前にはプリントヘッドをホームポジションに戻すことが重要とされています。
正常終了できない場合は、集荷前にエプソンへ状況を伝え、電源コードの扱いや輸送方法について確認すると確実です。特に内部からインクが漏れている、異音がするなど通常と異なる症状がある場合には、その旨も修理依頼時に伝えましょう。
引取修理サービスなら梱包は宅配業者が行う
エプソンには、自宅など指定した場所まで宅配業者がプリンターを引き取りに来る「引取修理サービス(ドアtoドアサービス)」があります。公式サイトによると、梱包作業は引取業者が行い、修理完了後は引き取り元の住所へ返送されます。[エプソン修理サービス]
そのため、対象サービスを利用する場合、一般的には利用者自身で大きな段ボール箱や緩衝材を用意して本格的に梱包する必要はありません。
ただし、集荷担当者が来る前にプリンター周辺を片付け、電源を正常に切り、電源コードやUSBケーブルなどを外しておくと作業がスムーズです。プリンター本体を移動しやすい状態にしておくとよいでしょう。
EP-808AWは通常の修理対応期限が終了している
EP-808AWは2015年9月に発売されたモデルです。エプソンの製品サポートページによると、EP-808AWの通常の修理対応期限は2022年8月31日で終了しています。[EP-808AWサポート情報]
2026年現在、EP-808AWのサポートページでも通常の「引取修理」「持込修理」などは対象外と表示されています。そのため、一般的な故障については以前と同じメーカー修理を受けられない可能性があります。
ただし、廃インク吸収パッドについては、通常修理が終了した一部機種向けに専用の交換対応サービスが用意されています。EP-808AWもエプソンの「修理期間満了機種の廃インク吸収パッド交換対応サービス」の受付対象機種として掲載されています。[廃インク吸収パッド交換対応サービス]
そのため「EP-808AWは修理期限終了だから廃インク吸収パッドも絶対に交換できない」とは限りません。申し込み時点で専用サービスの対象になっているか、料金や条件も含めて公式ページで確認しましょう。
10年使って初めて表示されたのは珍しいこと?
廃インク吸収パッドが限界になるまでの期間には、「○年使えば必ず交換」という決まった年数はありません。エプソンも、吸収量が限界に達するまでの期間は利用状況によって異なると説明しています。[参照]
例えば印刷枚数が多い人、プリントヘッドクリーニングを頻繁に行う人、フチなし印刷を多用する人などでは、廃インクの発生量も変わります。そのため数年でメッセージが表示されるプリンターもあれば、長期間使用して初めて限界に達するプリンターもあります。
約10年間使用して初めて表示されたとしても、それだけで異常な故障が起きたとはいえません。むしろ長期間の使用によって蓄積した廃インクが、設定された吸収量の上限へ到達したと考えると分かりやすいでしょう。
インクカートリッジは勝手に外さないほうがよい
修理のためプリンターを送るとなると、「インクカートリッジも外したほうがいいのでは」と考えることがあります。しかし、輸送準備でメーカーから取り外すよう指示されていない限り、自己判断でインクカートリッジを外す必要はありません。
特に廃インク吸収パッド限界の状態では、プリントヘッドやカートリッジが通常の交換位置へ動かせない場合があります。無理に工具を使って取り外すと、プリンターを破損する可能性があります。
エプソンには、修理期限終了後の廃棄時にカートリッジ取り外しが必要になった場合の特殊な手順も公開されていますが、これはあくまで廃棄など特定条件での案内です。EP-808AWも対象機種として掲載されていますが、修理へ送る場合に同じ操作をするという意味ではありません。[エプソン公式FAQ]
修理時は申し込み後に示される案内に従い、指定がない部品は無理に取り外さないのが安全です。
修理と買い替えはどちらがよい?
EP-808AWのように10年前後使用したプリンターでは、廃インク吸収パッドだけを交換して使い続けるか、新しいプリンターへ買い替えるかも検討ポイントになります。
廃インク吸収パッド以外に不具合がなく、現在の印刷品質にも満足していて、専用交換サービスの料金に納得できるなら、そのまま使い続ける選択もあります。一方で、給紙ローラー、プリントヘッド、スキャナー、無線LANなど別の部分も長期間使用されていることは考慮する必要があります。
特にEP-808AWは通常の修理対応期限がすでに終了しているため、将来別の箇所が故障するとメーカー修理が難しくなる可能性があります。
そのため、廃インク吸収パッド交換費用だけで判断せず、現在の印刷頻度、互換性が必要なPCやスマートフォン、今後何年程度使いたいかなども含めて比較するとよいでしょう。
修理に出す前のチェックリスト
廃インク吸収パッド交換でプリンターを引き取ってもらう場合は、次のような状態にしておくとスムーズです。
- 本体の電源ボタンで正常に電源を切る
- プリントヘッドがホームポジションへ戻ったことを確認する
- 電源コードを外して束ねる
- USBケーブルやLANケーブルなど外部接続を外す
- 用紙トレイに大量の用紙を残さない
- 本体周辺を片付け、集荷しやすい状態にする
- 修理申し込み時に指定された書類・付属品があれば用意する
- 自分でプリンター内部を分解しない
引取サービスでは梱包を宅配業者が行うため、対象サービスであれば梱包箱を自分で準備する必要は基本的にありません。[エプソン公式]
ただし、利用する修理サービスによって受付条件が異なる可能性があるため、申し込み完了後に届く案内がある場合は、その内容を最優先してください。
まとめ:EP-808AWを廃インク吸収パッド交換に出すなら電源コードは外しておく
EPSON EP-808AWで「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達した」と表示された場合、これは内部で廃インクを受け止める吸収パッドが設定された限界に到達したことを示しています。EP-808AWではユーザー自身による交換ではなく、修理窓口への依頼が公式に案内されています。
修理・輸送時についてエプソンは、本体の電源ボタンで正常に電源を切り、プリントヘッドがホームポジションへ戻ったことを確認したうえで、電源コードを外して束ねるよう案内しています。したがって、電源コードをコンセントにつないだまま集荷を待つのではなく、正しく電源を切ったあと取り外しておくのが基本です。[エプソン公式:梱包方法]
またEP-808AWは通常の修理対応期限が2022年8月31日で終了していますが、2026年現在、修理期間満了機種向けの「廃インク吸収パッド交換対応サービス」の対象機種としてEP-808AWが掲載されています。[専用受付ページ]
引取サービスを利用する場合は宅配業者が梱包を行うため、自分で大きな箱を用意する必要は基本的にありません。電源を正常終了し、コード類を外しておき、インクカートリッジなど内部部品は自己判断で無理に取り外さず、申し込み時の案内に従って引き渡すのが安全です。


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