エアコン専用回路の増設工事では、分電盤から天井裏へVVFケーブルを通す際に苦戦することがあります。特に隠蔽配線ではスペースが限られ、ケーブルがヨレたり曲がったりして、「この状態で問題ないのか」と不安になる人も少なくありません。
第二種電気工事士の資格を取得していても、実際の現場経験が少ない場合、施工品質の判断に迷う場面は多くあります。
この記事では、VVFケーブルの曲がりやヨレがどこまで許容されるのか、現場ではどのように施工されているのか、エアコン用回路増設時の考え方をわかりやすく解説します。
VVFケーブルの「ヨレ」はどこまで問題になるのか
VVFケーブルはある程度の曲げやクセが付くことを前提に作られています。
そのため、多少ヨレたり蛇行した程度で即危険になるわけではありません。
ただし、以下のような状態は注意が必要です。
- 被覆が潰れている
- 折れ癖が付いている
- 芯線まで圧迫されている
- 極端に鋭角で曲がっている
- ステップルなどで強く圧迫している
逆に、単純な「少しヨレた」「波打った」程度であれば、現場でも完全に真っ直ぐになるケースばかりではありません。
重要なのは、被覆損傷や導体へのストレスが発生していないかです。
現場では「見た目」より曲げ半径を優先することが多い
実際の現場では、見た目が多少悪くても、無理な鋭角曲げを避けるほうが優先されることが多いです。
特に分電盤周辺や天井裏では、スペース制限が厳しく、理想的な配線が難しい場面も珍しくありません。
そのため、現場では以下のような考え方がよくされます。
| 優先順位 | 内容 |
|---|---|
| 高 | 被覆損傷防止 |
| 高 | 過度な曲げ防止 |
| 中 | 引っ張りテンション軽減 |
| 低 | 完全な見た目の綺麗さ |
特にVVF2.0は比較的硬いため、狭い場所では多少波打つこと自体は珍しくありません。
90度曲げは現場でどう処理されているのか
実際の住宅配線では、90度近い方向転換が必要になるケースはかなり多くあります。
ただし、現場では「急激な直角折り」ではなく、できるだけ大きなR(曲げ半径)を確保しながら曲げています。
よくある施工方法
- 天井裏で余長を持たせる
- 大きく弧を描くように曲げる
- サドル固定位置を調整する
- 盤内で逃げを作る
そのため、「90度方向転換=即NG」というわけではありません。
むしろ重要なのは、「芯線へ無理な応力を与えていないか」です。
隠蔽配線では完全理想施工が難しいことも多い
新築と違い、既存住宅の隠蔽配線ではどうしても制約があります。
特に以下のような状況では、多少の妥協が発生しやすくなります。
- 梁が邪魔になる
- 断熱材が詰まっている
- 天井裏へ人が入れない
- 既存配線が密集している
- 分電盤周辺が狭い
実際のプロ現場でも、「触れない場所」は完全修正できないケースがあります。
そのため、最終的には「電気的・機械的に問題ないか」で判断されることが多いです。
気になる場合に確認したいポイント
もし不安がある場合は、以下を再確認すると安心です。
- 絶縁被覆に傷がないか
- 異常発熱しそうな圧迫がないか
- ステップル固定が強すぎないか
- 導通・絶縁測定結果が正常か
- 分電盤内部で無理なテンションがないか
特にメガー測定や導通確認で問題がなければ、かなり安心材料になります。
露出配線に変更する場合の考え方
露出配線へ変更すると施工性は上がりますが、今度は見た目とのバランスが問題になります。
実際の現場では、以下のような優先順位で判断されることが多いです。
- 安全性
- 保守性
- 施工性
- 見た目
つまり、多少見た目が悪くても、ケーブルへ無理なストレスが掛からないほうを優先するケースが多いです。
特にエアコン専用回路は電流も比較的大きいため、過度な圧迫や鋭角曲げは避ける意識が重要になります。
まとめ
エアコン用コンセント増設でVVFケーブルが多少ヨレたり波打ったりすること自体は、隠蔽配線では珍しくありません。
重要なのは、被覆損傷や極端な折れ曲がり、導体への過度なストレスが発生していないかです。
実際の現場でも、完全な見た目より「適切な曲げ半径」や「安全性」が優先されることが多く、90度方向転換自体も大きなRを確保しながら施工されるケースが一般的です。
不安な場合は、導通・絶縁確認や発熱リスクを再確認しながら、安全性を基準に判断していくのがおすすめです。


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