カメラのレンズ選びでは「F値が小さいほど明るい」とよく言われます。そのため、フルサイズのF2.8レンズとAPS-CのF1.8レンズを比較した場合、単純に数字だけを見るとF1.8の方が明るそうに感じます。
しかし、実際の撮影ではセンサーサイズによる違いや、同じ画角で比較した場合の条件によって見え方が変わります。この記事では、フルサイズF2.8とAPS-C F1.8の明るさの違いや、ボケ量、暗所性能について分かりやすく解説します。
F値だけで見るとAPS-CのF1.8の方が明るい
レンズの光の取り込み量を表すF値だけで比較すると、F1.8の方がF2.8より明るいレンズです。F値は数字が小さいほど絞りが大きく開き、多くの光を取り込むことができます。
そのため、同じカメラ本体で比較するなら、F1.8のレンズの方がシャッタースピードを速くしたり、ISO感度を下げたりできるため、暗い場所で有利になります。
例えば、同じAPS-Cカメラ同士でF2.8レンズとF1.8レンズを比べた場合、F1.8レンズの方が約1.3段分多く光を取り込めます。
フルサイズとAPS-Cではセンサーサイズの違いが影響する
ただし、フルサイズカメラとAPS-Cカメラを比較する場合は、レンズのF値だけでは判断できません。センサーサイズが違うため、同じ明るさのレンズでも写り方に違いが出ます。
フルサイズセンサーはAPS-Cより大きいため、同じ画素数であれば1画素あたりの受光面積を大きくでき、暗所撮影では有利になる傾向があります。
つまり、レンズ単体の明るさではAPS-CのF1.8が上ですが、カメラシステム全体として見るとフルサイズF2.8が必ずしも暗いとは言えません。
同じ画角で比較するとフルサイズF2.8が有利になる場合がある
写真の比較で重要になるのが「同じ画角で撮影する」という条件です。例えば、フルサイズで50mmレンズを使う場合と、APS-Cで同じような画角になる35mmレンズを使う場合では、背景のボケ方が変わります。
APS-Cではセンサーが小さいため、同じ画角を得るには焦点距離の短いレンズを使用します。その結果、同じ構図ではフルサイズの方が背景をぼかしやすくなります。
具体的には、人物撮影で背景を大きくぼかしたい場合、フルサイズF2.8レンズでもAPS-C F1.8レンズに近い、またはそれ以上のボケ表現になることがあります。
露出の明るさとボケ量は別の話
よく混同されるポイントですが、「明るさ」と「ボケ量」は別の要素です。F値は光の量に関係しますが、背景のぼけ方はセンサーサイズや焦点距離、撮影距離にも影響されます。
例えば、APS-CのF1.8レンズは光を多く取り込めるため暗所撮影には有利ですが、フルサイズF2.8レンズの方が自然なボケ表現を作れる場合があります。
そのため、夜景撮影ではF値の小ささが重要になり、ポートレート撮影ではセンサーサイズを含めたシステム全体のバランスが重要になります。
実際の撮影用途ではどちらを選ぶべきか
暗い場所でシャッタースピードを稼ぎたい場合や、軽量な機材で撮影したい場合は、APS-CのF1.8レンズが非常に魅力的です。
一方で、人物撮影や映像制作などで大きなボケや高い画質を求める場合は、フルサイズのF2.8レンズにも大きなメリットがあります。
例えば、APS-C F1.8の単焦点レンズは旅行や日常撮影に向いており、フルサイズF2.8ズームレンズは仕事撮影や本格的な作品作りで活躍しやすいという違いがあります。
まとめ|F値だけならAPS-C F1.8、総合的な表現力ではフルサイズF2.8も強い
フルサイズF2.8とAPS-C F1.8を単純に明るさだけで比較すると、F値が小さいAPS-C F1.8の方が光を多く取り込めます。
しかし、実際の撮影ではセンサーサイズや焦点距離、ボケ表現まで考える必要があります。フルサイズF2.8はセンサーの大きさによる高画質や豊かなボケ表現が魅力です。
どちらが優れているかではなく、暗所撮影を重視するのか、ボケや画質を重視するのかによって選ぶべきレンズは変わります。


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