キヤノンのPIXUS TS3730をWindows 11のパソコンとダイレクト接続した際、Wi-Fi上ではプリンターにつながっているように見えるのに、印刷しようとすると「オフライン」と表示されることがあります。この症状では、プリンター本体だけでなく、Windows側のネットワーク設定、プリンタードライバー、印刷ポート、ファイアウォールなどを順番に確認することが重要です。
特に注意したいのは、「ダイレクト接続できている=Windowsから正常に印刷できる」とは限らないことです。接続そのものが成立していても、Windowsが別のプリンター情報やポートを参照していればオフラインになる場合があります。この記事では、Windows 11でPIXUS TS3730がオフラインになる場合の確認方法を、切り分けしやすい順番で解説します。
まず確認したい「ダイレクト接続」とは
PIXUS TS3730のような無線LAN対応プリンターでは、一般的なWi-Fiルーターを経由する接続のほか、プリンターとパソコンなどを直接無線接続する方法があります。キヤノンではこの種の接続方法を「ダイレクト接続」として案内しています。
ダイレクト接続では、パソコンをプリンター側が提供する無線ネットワークへ接続して利用します。そのため、自宅のWi-FiルーターにつないでいるときとはWindows上で別のネットワークとして扱われることがあります。
つまり、WindowsのWi-Fi一覧でプリンターへの接続が確認できても、それだけで印刷経路まで正常だとは判断できません。プリンターの登録状態やドライバー、ポートなども含めて確認する必要があります。
最初に「プリンターをオフラインで使用する」が有効になっていないか確認する
最初に確認したいのが、Windowsの印刷キューです。Windows側で「プリンターをオフラインで使用する」に相当する設定が有効になっていると、通信可能な状態でも印刷できないことがあります。
Windows 11の「設定」から「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」と進み、PIXUS TS3730を選択して印刷キューを開きます。保留中のジョブが大量に残っている場合はいったんキャンセルし、プリンターをオフラインで使用する設定が有効になっていないか確認します。
また、同じTS3730が複数登録されている場合にも注意が必要です。例えば以前Wi-Fiルーター経由で登録したTS3730と、ダイレクト接続で追加されたTS3730が両方残っていると、Windowsが現在接続されていない方へ印刷データを送ってしまう場合があります。
Windows 11のネットワークプロファイルを確認する
次に確認したいのがWindows 11のネットワーク設定です。Windowsには「パブリックネットワーク」と「プライベートネットワーク」というネットワークプロファイルがあり、設定によってネットワーク上の機器を検出する動作などが変わります。
Microsoftは、信頼できるネットワークでプリンターなどを共有するときにはプライベートネットワークを使用し、「ネットワーク探索」と「ファイルとプリンターの共有」を有効にする手順を案内しています。[参照]
Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」から現在のWi-Fi接続を確認できます。ただし、ネットワークプロファイルを変更すれば必ずTS3730のダイレクト印刷が直る、という意味ではありません。これは原因を切り分けるための確認項目の一つです。また、プライベート設定にするのは自分が管理・信頼できるネットワークに限りましょう。
Windowsセキュリティを丸ごと解除するのは避ける
印刷できないと「Windowsセキュリティを無効にすればよいのでは」と考えがちですが、Windows Defenderファイアウォールなどを恒久的にすべて無効化する方法はおすすめできません。原因がファイアウォールとは限らず、セキュリティ上のリスクだけが増えてしまうためです。
Microsoftもネットワーク上のプリンターに関するトラブルでは、ネットワーク設定、プリンター共有設定、ドライバー、Windowsセキュリティなど複数の要因が考えられると案内しています。[参照]
そのため、「セキュリティのどこを解除するか」から始めるより、プリンターの接続状態、Windowsに登録されたプリンター、印刷キュー、ドライバー、ポート、ネットワーク設定という順番で確認する方が安全です。
TS3730が複数登録されていないか確認する
無線プリンターのトラブルで見落としやすいのが、Windowsに同じ機種が複数登録されているケースです。「TS3730」「TS3700 series」「TS3700 series(コピー1)」のように似たプリンターが並んでいたら、それぞれが同じ接続先とは限りません。
例えば、以前は家庭のWi-Fiルーター経由で使い、今回はプリンターとのダイレクト接続に変更した場合、古いネットワークポートを使うプリンター設定が残っていることがあります。その古い設定を選択して印刷すると、プリンター本体が目の前で起動していてもWindowsではオフラインになります。
どれが正しいかわからない場合は、不要なTS3730の登録を整理したうえで、キヤノンが提供している対応ドライバーやセットアップ手順を使って再設定する方法が確実です。再設定前には、必要に応じて現在の設定内容を控えておきましょう。
印刷ポートが現在の接続方法と一致しているか確認する
プリンターの「オフライン」が繰り返される場合は、Windowsが使用している印刷ポートも確認対象になります。「コントロールパネル」からプリンターのプロパティを開き、「ポート」タブを見ると、そのプリンターがどのポートを利用しているか確認できます。
ネットワークプリンターではWSDポートやTCP/IP系のポートなどが使用される場合があります。以前の接続設定が残っていると、Windowsが現在利用できない宛先へプリントデータを送ろうとしてオフライン扱いになることがあります。
ただし、ポートを適当に変更すると逆に印刷できなくなる可能性があります。ポートの意味が分からない場合には無理に変更せず、プリンターを正しい手順で再セットアップした方が安全です。
ドライバーを入れ直すと解決するケースもある
ダイレクト接続そのものは成功するのにWindowsから印刷できない場合、プリンタードライバーや登録情報を一度整理して再インストールすると改善することがあります。特にWindows Update後や接続方式を変更した後に症状が発生した場合は確認する価値があります。
基本的には、Windowsの「プリンターとスキャナー」から不要なTS3730の登録を削除し、パソコンを再起動してから、キヤノン公式のTS3730向けセットアップ方法に従って追加し直します。
このとき重要なのは、プリンターがWi-Fi一覧に表示されることだけを確認して終了しないことです。セットアップ完了後にWindowsのテストページや簡単な文書を実際に印刷し、通信から印刷まで正常に完了するか確認します。
それでもオフラインになる場合の切り分け方法
原因を絞り込むには、一度に多くの設定を変更しないことが大切です。まずTS3730とパソコンを再起動し、ダイレクト接続をやり直します。次にWindowsの印刷キューを確認し、それでも駄目ならプリンターの再登録、ドライバーの再セットアップという順番で試します。
可能であればスマートフォンなど別の端末から同じプリンターへ印刷できるか試す方法もあります。別端末では正常に印刷できるのにWindows 11パソコンだけ失敗するのであれば、プリンター本体よりWindows側の設定やドライバーを疑いやすくなります。
反対に複数の端末から印刷できない場合は、プリンター側のダイレクト接続設定やネットワーク設定も確認対象になります。このように「プリンター側」「Windows側」「通信経路」の3つに分けて考えると原因を絞り込みやすくなります。
まとめ:TS3730のオフライン表示はWindowsセキュリティだけが原因とは限らない
PIXUS TS3730とWindows 11をダイレクト接続できているにもかかわらず印刷時にオフラインになる場合、Windowsセキュリティだけに原因を限定しないことが重要です。プリンターのオフライン設定、古い印刷ジョブ、重複したプリンター登録、ネットワークプロファイル、ドライバー、印刷ポートなど、複数の要因が考えられます。
まずは「印刷キュー確認 → 接続中のネットワーク確認 → 重複プリンター確認 → 再セットアップ」という順番で切り分けると効率的です。ファイアウォールやWindowsセキュリティを全面的に無効化するのは避け、必要な設定だけを確認する方が安全です。
また、ダイレクト接続にこだわる必要がなければ、自宅のWi-FiルーターにパソコンとTS3730の両方を接続して利用する方法も検討できます。普段インターネットを利用しながら印刷する環境では、ルーター経由の接続の方が扱いやすいケースもあります。


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