洗濯機を購入・設置するとき、意外と見落としやすいのが洗濯機本体と水道蛇口の高さです。たとえば床から蛇口まで72cm、洗濯機本体の高さが66cmなら単純な差は6cmですが、この6cmだけを見て設置できるとは判断できません。特に上開きの縦型洗濯機では、蓋を開けたときの高さや蛇口の位置、給水ホースの取り回しまで確認する必要があります。
この記事では、洗濯機と蛇口の高さが近い場合にどこを測ればよいのか、蓋が蛇口に当たるケースや設置前に確認しておきたいポイントを具体例とともに解説します。
蛇口72cm・洗濯機66cmでも設置できるとは限らない
床から蛇口まで72cm、洗濯機の高さが66cmの場合、高さだけを引き算すると約6cmの余裕があります。そのため、一見すると問題なく置けそうに感じます。
しかし、洗濯機のカタログに記載されている高さがどこまでを含んでいるのか、蛇口が洗濯機の真後ろに来るのか、給水ホースを接続するスペースが確保できるのかによって状況は変わります。
さらに縦型洗濯機の場合は、洗濯物を出し入れするために上部の蓋を開かなければなりません。本体が蛇口より低いことと、蓋を問題なく開けられることは別の条件として考えるのが重要です。
最重要なのは「蓋を開けたときの高さ」
上開きの縦型洗濯機では、製品仕様にある本体高さだけでなく、蓋を全開にしたときに必要となる高さを確認します。機種によっては蓋を開くと、本体高さより数十cm高い位置まで達します。
たとえば本体高さが66cmでも、蓋を開けた状態では100cm前後の空間が必要になる機種なら、床から72cmの位置に蛇口があり、その蛇口が蓋の軌道上にある場合、途中でぶつかる可能性があります。
一方、蛇口が洗濯機より横にずれている、蓋が折りたたまれる構造になっている、あるいは蓋の後端よりさらに後方に蛇口があるなど、位置関係によっては高さが近くても問題なく使用できることがあります。そのため高さだけではなく、正面から見た位置と奥行き方向の位置も測定しましょう。
洗濯機を買う前に測っておきたい5つのポイント
設置可否を正確に判断するには、設置場所を立体的に考える必要があります。最低限、次の項目を確認しておくと失敗を減らせます。
- 床または防水パンから蛇口までの高さ
- 洗濯機本体の高さ
- 蓋を全開にしたときに必要な高さ
- 蛇口の左右位置と壁からの出っ張り
- 給水ホース・排水ホースを接続するためのスペース
防水パンを使用する場合は特に注意が必要です。カタログの洗濯機高さが66cmでも、設置面となる防水パンが床より高ければ、実際の洗濯機上端はその分だけ高くなります。
たとえば防水パンによって洗濯機が床から5cm高くなるなら、単純計算では洗濯機上端が床から約71cmとなります。蛇口が72cmなら高さの差はわずか約1cmです。この状態では蛇口やホース接続部と干渉する可能性が高くなるため、実寸確認が欠かせません。
給水ホースを接続できるスペースも必要
蛇口と洗濯機が物理的に接触していなければよい、というわけでもありません。洗濯機には蛇口から給水ホースを接続するため、蛇口周辺に一定の作業スペースが必要です。
洗濯機を設置してから蛇口に手が届かなくなる配置では、給水ホースの取り付けや取り外しが難しくなる場合があります。また、ホースを無理に曲げたり押しつぶしたりする配置は、水漏れなどのトラブルにつながるおそれがあります。
蛇口の種類も確認しておきましょう。一般的な蛇口にアダプターを取り付けている場合と、洗濯機用のワンタッチ水栓では接続部分の大きさや向きが異なります。蛇口の先端を含めた実際の寸法で判断することが大切です。
蛇口が低すぎる場合に考えられる対処方法
希望する洗濯機と蛇口が干渉する場合でも、必ずしも洗濯機を諦める必要があるとは限りません。住宅設備の条件によっては、洗濯機用水栓の位置や形状を変更できることがあります。
たとえば既存の水栓から上方向へ接続位置を移動させるための洗濯機用部材が使えるケースがあります。ただし、適合する部材は現在の蛇口や壁側の配管によって異なるため、自己判断で取り付けるのではなく、販売店や水道設備業者などに現場を確認してもらうと安心です。
また、洗濯機をかさ上げすれば蛇口との干渉が解消するとは限りません。むしろ洗濯機本体が高くなるため、低い位置にある蛇口との干渉は悪化することがあります。振動や転倒防止の観点からも、安易なかさ上げは避け、メーカーが認める設置条件を優先してください。
カタログでは「設置寸法図」を確認する
洗濯機を購入するときは、商品ページに表示される幅・奥行き・高さだけで判断せず、メーカーが公開している据付説明書、取扱説明書、寸法図などを確認するのがおすすめです。
機種によっては、蓋を開けた状態の寸法や給水ホースを含めた高さ、壁から必要な距離などが掲載されています。これらを自宅で測った寸法と照合すれば、単純な本体サイズだけで比較するより設置可否を判断しやすくなります。
特に蛇口と洗濯機の高さが数cmしか違わない場合は、購入予定機種の型番を販売店へ伝え、設置場所の写真と「床から蛇口までの高さ」「防水パンの寸法」などを見せて相談する方法も有効です。設置業者による事前確認を利用できる販売店なら、さらに確実です。
まとめ:本体高さではなく蓋・蛇口・ホースを含めて判断する
床から蛇口まで72cm、洗濯機高さ66cmという条件では数字上は6cmの差がありますが、それだけで設置可能とは断定できません。防水パンによる高さの増加、蛇口の出っ張り、給水ホース、そして縦型洗濯機なら蓋の開閉軌道を確認する必要があります。
特に重要なのは「蓋を全開にしたとき蛇口にぶつからないか」です。本体高さだけでなく、メーカーの寸法図や据付説明書に記載された蓋開放時の寸法まで確認しましょう。
高さにほとんど余裕がない場合は、購入前に設置場所の寸法と写真を販売店や設置業者へ提示して確認してもらうのが確実です。洗濯機は数cmの違いで設置できるかどうかが変わるため、購入前の実測が最も重要です。


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