格安SIMを比較していると、月額料金の安さから「日本通信SIM」にたどり着く人は少なくありません。一方で、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどと比べると、テレビCMや街中の店舗を日常的に目にする機会が少なく、「日本通信はどうやって利用者を集めているのだろう」と感じることがあります。
実際には、日本通信がまったく広告をしていないわけではありません。過去にはテレビCMや全国向けデジタル広告を展開しており、量販店などでスターターパックも販売しています。その一方、日本通信SIMはオンラインでの申し込みを中心としたサービスであり、料金プランそのものの競争力、検索・比較を通じた流入、メディアでの紹介、口コミ、顧客満足度、ニュースリリース、スターターパックの販売網などが組み合わさって認知を獲得していると考えるのが実態に近いでしょう。
この記事では、日本通信株式会社および日本通信SIMの公式情報を基に、どのような経路で利用者に知られているのか、なぜ大手キャリアほど広告を見かけなくても契約者を獲得できるのかを整理します。
- 日本通信とは?日本通信SIMを提供するMVNOの老舗
- 結論:日本通信は「広告をしていない会社」ではない
- 大手キャリアと日本通信では広告の見え方が違う
- 日本通信SIMは料金プラン自体が集客材料になっている
- 検索から日本通信SIMを知る人も考えられる
- 料金比較記事や動画は日本通信にとって大きな認知経路になり得る
- 口コミ・紹介で初めて知るケースも自然
- 顧客満足度の評価も新規ユーザーの安心材料になる
- ニュースリリース自体も認知を広げる役割を持つ
- 日本通信SIMにはスターターパックという店頭接点もある
- スターターパックは「店舗で見つけてもらう」接点にもなる
- オンライン中心の契約はコスト面でも重要
- 日本通信の集客経路を整理すると分かりやすい
- なぜ「広告を見た記憶がないのに利用者がいる」のか
- 「人から紹介されるまで知らなかった」こと自体は不思議ではない
- 価格そのものが口コミを生みやすい
- 安さだけではなく「合理的」というブランド設計も特徴
- 日本通信が安い理由を「広告費がゼロだから」と断定してはいけない
- 日本通信は個人向けSIMだけの会社ではない
- 2026年以降は通信以外の事業も含めた成長を目指している
- 日本通信SIMを知った後は公式情報で条件を確認することが大切
- まとめ:日本通信SIMは広告だけでなく「料金・検索・比較・口コミ・PR・販売網」で顧客と接点を作っている
日本通信とは?日本通信SIMを提供するMVNOの老舗
日本通信株式会社は1996年設立の通信会社で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。2026年3月31日時点の連結従業員数は190名とされており、大手通信キャリアと比較するとコンパクトな企業です。[参照:日本通信株式会社「会社概要」]
同社の主要事業の一つがMVNO事業です。MVNOとは、自社で全国規模の携帯電話基地局を設置するのではなく、携帯電話事業者のネットワークを利用して通信サービスを提供する事業者を指します。日本通信はMVNO事業モデルを早期から手掛けてきた企業で、現在は個人・法人向けに「日本通信SIM」を展開しています。[参照:日本通信株式会社「事業概要」]
日本通信は自社の使命について、通信を社会インフラと捉え、「真に合理的な携帯料金」を提供することへ長年取り組んできたと説明しています。[参照:日本通信株式会社「日本通信の使命」]
結論:日本通信は「広告をしていない会社」ではない
まず誤解しやすい点として、日本通信は広告宣伝を一切していないわけではありません。日本通信は2024年6月、認知施策として日本通信SIMのデジタル広告を全国で開始し、さらに関東・静岡エリアでテレビCMを展開すると公式発表しました。
このときのテレビCMは「これ以上、引けない。290円」を打ち出したもので、合理的シンプル290プランの月額290円という価格を前面に出した広告でした。デジタル広告は2024年6月26日から全国、テレビCMは同年6月29日から関東および静岡エリアで展開すると発表されています。[参照:日本通信株式会社「日本通信SIMの広告展開について-これ以上、引けない。290円」]
したがって、「日本通信の広告を見たことがない」という人がいても不思議ではありませんが、「広告をまったく行っていない」という理解は正確ではありません。広告の時期や地域、媒体によって接触する機会が異なるためです。
大手キャリアと日本通信では広告の見え方が違う
大手携帯電話会社では、テレビCM、Web広告、駅広告、屋外広告、実店舗、家電量販店の大型売り場、スポーツ・イベント協賛など、生活のさまざまな場所でブランドを目にします。そのため、通信サービスに興味がない人にも企業名が届きやすくなります。
一方、日本通信SIMは「自分で携帯料金を比較して、オンラインで申し込む」という利用者と相性のよいサービスです。こうしたサービスでは、必ずしも全国民へ大量の広告を届けなくても、「携帯料金を安くしたい」と考えて検索している人へ発見してもらえれば契約につながります。
つまり、広告の露出量だけで集客力を判断することはできません。格安SIMでは「広く浅く知られること」よりも、「乗り換えを検討している人の比較候補へ入ること」が重要だからです。
日本通信SIMは料金プラン自体が集客材料になっている
日本通信SIMの大きな特徴は、料金を分かりやすく前面へ出した商品設計です。例えば2024年には「合理的みんなのプラン」を月額1,390円のまま10GBから20GBへ、「合理的30GBプラン」を月額2,178円のまま50GBへ増量すると発表しました。[参照:日本通信株式会社「合理的50GBプラン・合理的みんなのプラン」]
さらに2025年にはデータ通信専用の「ネットだけプラン」を発表し、20GBで月額1,200円、利用量が少ない月には自動的に安くなる料金体系を打ち出しています。日本通信はこの発表の中で、既存の合理的プランについて、多くの利用者がMNPで乗り換えてメイン回線として利用していると説明しています。[参照:日本通信株式会社「ネットだけプラン」]
こうした特徴的な価格は、広告だけでなくニュース記事、料金比較サイト、個人ブログ、SNS、動画などで取り上げられるきっかけにもなります。料金プラン自体に話題性があれば、企業が直接広告費を支払った広告以外からも認知が広がります。
検索から日本通信SIMを知る人も考えられる
格安SIMの契約を検討するとき、多くの人は最初から特定の会社だけを見るのではなく、「格安SIM 20GB 安い」「スマホ 月額1000円」「ドコモ回線 格安SIM」「通話 格安SIM」など、自分の条件からサービスを探します。
このような検索では、通信会社自身の公式サイトだけでなく、通信系メディア、料金比較サイト、家電・スマートフォン関連サイト、個人ブログなどが検索結果へ現れます。そこで日本通信SIMの料金が比較対象として紹介されれば、それまで会社名を知らなかった人にも認知されます。
これは「広告を見てサービスを知る」という経路とは異なります。必要になった人が自分から調べ、その過程で商品へたどり着く検索起点の顧客獲得です。
料金比較記事や動画は日本通信にとって大きな認知経路になり得る
携帯料金は数字で比較しやすいため、第三者による比較コンテンツとの相性が非常によい分野です。例えば「20GBで安い格安SIM5社」といった記事や動画が作られれば、料金条件によって日本通信SIMが候補として登場することがあります。
利用者側から見ると、企業の広告だけで判断するより、複数社を横並びにした比較情報から選びたいというニーズがあります。日本通信のように価格競争力を強く打ち出す事業者は、この比較行動の中で発見されやすくなります。
ただし、第三者の比較記事や動画がすべて日本通信による広告・PRという意味ではありません。広告案件、アフィリエイト、編集部による自主的な比較、一般利用者によるレビューなど性質はさまざまなので、情報を見る側も区別する必要があります。
口コミ・紹介で初めて知るケースも自然
格安SIMは、一度使って満足した利用者から家族や友人へ情報が広がりやすい商品でもあります。「毎月いくら払っている?」という話題から、「そんなに安い会社があるの?」とサービスを知ることがあります。
特に日本通信SIMのように料金の特徴が明確なサービスでは、「20GBで月額いくら」「電話も使えてこの金額」と具体的な数字で説明しやすいため、口コミとの相性があります。
ただし、日本通信が顧客獲得の何%を口コミ経由としているかといった詳細なチャネル別契約比率は、一般向けに常時公開されているわけではありません。そのため、「日本通信の集客のほとんどが口コミ」と断定するのは避けるべきです。口コミは複数ある認知経路の一つとして考えるのが適切です。
顧客満足度の評価も新規ユーザーの安心材料になる
知名度の低い通信会社を初めて契約するときには、「本当に使えるのか」「安い代わりに何か問題があるのでは」と不安を感じる人もいます。その際、既存利用者を対象とした第三者の顧客満足度調査は判断材料になります。
日本通信SIMはJ.D. パワーの2025年携帯電話サービス顧客満足度調査で、2024年に続き2年連続でMVNO部門の総合満足度第1位を獲得したと発表しています。2025年調査では「通信品質」と「各種費用」のファクターで最高評価を受けたとされています。[参照:日本通信株式会社「J.D. パワー顧客満足度調査」]
また、2023年のオリコン顧客満足度調査では「利用料金」「通信速度」「初期設定のしやすさ」の3項目で1位となり、日本通信の発表によると継続意向は97.0%でした。[参照:日本通信株式会社「2023年 オリコン顧客満足度調査」]
ニュースリリース自体も認知を広げる役割を持つ
日本通信は料金改定や新プランを発表すると、自社のニュースリリースで積極的に情報を発信しています。通信業界では料金変更そのものがニュースになるため、その内容がIT・スマートフォン関連メディアなどで報道されることがあります。
例えば「料金はそのままでデータ容量を増量」「20GBで月額1,390円」「50GBで月額2,178円」といった変更は、通信料金を比較している利用者にとって関心の高い情報です。こうした商品変更がニュースとして広がれば、直接的な広告とは別の形でブランド名を知る人が増えます。
これはPR・広報による認知獲得と考えることができます。広告枠を買って商品を表示する「広告」と、ニュース価値のある情報を発信してメディアなどに取り上げられる「広報」は、似ているようで異なる集客経路です。
日本通信SIMにはスターターパックという店頭接点もある
日本通信SIMはオンラインだけで完全に閉じたサービスではありません。「スターターパック」という申し込み用コードの商品があり、オンラインショップや一部の実店舗で購入できます。
日本通信の公式サイトによると、スターターパックは申込コードが入った商品で、SIMカードそのものがパッケージへ同梱されているわけではありません。コードを使って日本通信アプリから申し込みます。[参照:日本通信SIM「スターターパックお取り扱い店舗」]
公式FAQでも、スターターパックはオンラインショップや量販店で購入可能な申し込み用パッケージと説明されています。[参照:日本通信SIM「よくあるご質問」]
スターターパックは「店舗で見つけてもらう」接点にもなる
スターターパックには申し込み手続き上の役割がありますが、マーケティングの観点では販売チャネルそのものが利用者との接点にもなります。家電やスマートフォン関連商品を探している人が売り場やオンラインショップで商品名を見れば、日本通信SIMを知らなかった人が存在を知るきっかけになります。
大手キャリアのように全国各地へ専用ショップを大量展開しなくても、既存の小売チャネルを利用して商品への入口を作れるわけです。
ただしスターターパックを販売しているからといって、一般的なキャリアショップのようにすべての契約手続きを販売店スタッフが行うとは限りません。日本通信SIMは基本的に利用者自身で申し込みを進めるサービスと理解しておく必要があります。
オンライン中心の契約はコスト面でも重要
携帯電話サービスでは、通信設備以外にも店舗の賃料、内装、人員、販売代理店への手数料、サポート、広告など多くの費用が発生します。全国に多数の有人店舗を持つことは利用者にとって便利ですが、その運営には当然コストがかかります。
日本通信SIMのようにオンライン手続きを中心とすれば、大規模な店舗網を自社で維持するサービスとはコスト構造が異なります。したがって、格安料金を考える際には通信原価だけでなく販売方法やサポート方法も含めて見る必要があります。
一方で「安いのはサポートがまったくないから」という理解も正確ではありません。日本通信は2024年に日本通信SIMのSIMカード出荷を週7日体制へ変更し、土日も電話によるコールセンター対応を開始すると発表しています。[参照:日本通信株式会社「週7日の出荷及びコールセンター体制へ」]
日本通信の集客経路を整理すると分かりやすい
| 集客・認知経路 | 具体的な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| デジタル広告 | 全国向けWeb広告など | ネット利用者へ直接訴求できる |
| テレビCM | 2024年に関東・静岡などで実施 | 一般層へのブランド認知 |
| 検索 | 格安SIM・料金比較などから発見 | 乗り換え意欲のある人と相性がよい |
| ニュース・広報 | 新料金や容量増量などの発表 | メディアで取り上げられるきっかけになる |
| 第三者の比較コンテンツ | 比較サイト・ブログ・動画など | 他社との料金比較で認知される |
| 口コミ | 家族・友人・SNSなど | 実利用者の経験から知られる |
| スターターパック | オンラインショップ・量販店等 | 販売チャネルがブランドとの接点になる |
| 顧客満足度・受賞実績 | J.D. パワー、オリコン等 | 検討時の安心材料になり得る |
重要なのは、このうち一つだけで顧客を獲得していると考えないことです。実際には広告を見たあと検索する人もいれば、比較サイトで名前を知って公式サイトへ移動する人、知人から教えてもらって料金を調べる人もいます。
なぜ「広告を見た記憶がないのに利用者がいる」のか
これは日本通信に限った現象ではありません。特定の目的を持った利用者が検索して購入する商品では、テレビCMを大量に流さなくても事業を成立させられる場合があります。
例えば「毎月スマホに7,000円払っているので安くしたい」と考えた人が、検索や動画で料金を比較し、日本通信SIMを発見したとします。この利用者にとっては、契約直前まで日本通信という会社を知らなくても問題ありません。比較した結果、料金や条件が合えば契約候補になるからです。
つまり日本通信SIMでは、ブランド名を最初から知っていることより、携帯料金を真剣に比較するタイミングで候補へ入れることが重要になります。
「人から紹介されるまで知らなかった」こと自体は不思議ではない
大手キャリアと比べてMVNOは一般消費者全体へのブランド認知が限定的になりやすく、スマートフォン料金を自分で比較した経験がない人には知られていないことがあります。
その一方、料金比較を頻繁にする人、格安SIMに詳しい人、スマートフォン関連のニュースを見る人にはよく知られている場合があります。同じサービスでも、利用者の情報収集習慣によって知名度の感じ方は大きく変わります。
そのため「自分の周囲では誰も知らない」と「顧客を獲得できていない」は同じ意味ではありません。ニッチな層から強く支持され、そこから徐々に利用者を増やす事業モデルもあります。
価格そのものが口コミを生みやすい
日本通信SIMの料金体系には、「月額290円」「20GBで月額1,390円」といった説明しやすい数字があります。料金は人へ伝えやすいため、口コミが起きるきっかけになります。
例えば家族同士でスマートフォン料金を話した際、一人が月額7,000円、もう一人が格安SIMで1,000円台だった場合、「どこの会社?」という会話が自然に発生します。
このような口コミはテレビCMのように短期間で数百万人へ届ける手法ではありませんが、実際の利用者から説明されるため、サービスを具体的に検討するきっかけになりやすい特徴があります。
安さだけではなく「合理的」というブランド設計も特徴
日本通信は単純に「格安」を強調するだけでなく、「合理的シンプル290プラン」「合理的みんなのプラン」「合理的50GBプラン」といった名称を使用しています。
これは同社が掲げる「真に合理的な携帯料金」という考え方と一貫しています。商品名そのものが会社の立ち位置を説明する設計になっているわけです。[参照:日本通信株式会社「日本通信の使命」]
「大容量の付加サービスをたくさん付ける」のではなく、「必要な通信を合理的な価格で提供する」というメッセージは、携帯料金を下げたい層に伝わりやすいものです。
日本通信が安い理由を「広告費がゼロだから」と断定してはいけない
日本通信SIMの料金を見ると、「CMをしないから安いのでは」と考えたくなります。しかし、これは単純化しすぎです。前述の通り、日本通信は実際にテレビCMやデジタル広告を実施した実績があります。
また通信サービスの原価は、広告費だけで決まるわけではありません。ネットワーク調達費、システム、人件費、決済費用、SIM発行、物流、サポートなど多数のコストがあります。
日本通信は携帯キャリアからデータ通信・音声通話を調達する仕組みそのものについて長年取り組んできた企業です。同社は2020年に音声通信を携帯キャリアから原価ベースで調達する道を開いたと説明しています。[参照:日本通信株式会社「日本通信の使命」]
日本通信は個人向けSIMだけの会社ではない
日本通信を店頭広告だけで見ていると事業の全体像が分かりにくい理由として、同社が個人向け日本通信SIMだけを事業としている会社ではないことも挙げられます。
日本通信は個人・法人向けのMVNO事業に加え、MVNO事業者を支援するMVNE事業や、法人・金融機関・システムインテグレーター・メーカーなどへモバイルソリューションを提供する事業も展開しています。[参照:日本通信株式会社「MVNE」]
つまり企業としての収益活動を「一般消費者向けスマホ広告」だけで判断することはできません。BtoCとBtoBの両方を持つ通信事業者として見る必要があります。
2026年以降は通信以外の事業も含めた成長を目指している
日本通信は創業30周年となる2026年に「ビジョン2030」を策定しています。そこでは通信サービス事業とデジタルトラスト事業の双方を成長させ、「安全安心インターネット」の実現を目指す方針を示しています。[参照:日本通信株式会社「日本通信ビジョン2030」]
同社によると、MVNO市場は多くの事業者が参入して競争が激しくなっています。その中で価格だけに依存せず、独自の技術基盤を競争力の源泉としていく考え方が示されています。
したがって今後の日本通信を見る場合も、日本通信SIMの契約者獲得だけでなく、法人向け通信やデジタルトラスト関連を含めて企業戦略を確認する必要があります。
日本通信SIMを知った後は公式情報で条件を確認することが大切
比較サイト、SNS、口コミ、動画は日本通信SIMを知るきっかけとして便利ですが、実際に契約する際は最終的に公式サイトで最新料金や条件を確認することが重要です。
携帯料金プランは容量、無料通話、追加データ料金、初期手数料、eSIM対応などが変更されることがあります。数年前の記事や動画では現在と条件が異なる可能性があります。
日本通信SIMの現在の料金や申し込み条件については公式ブランドサイトで確認できます。[参照:日本通信SIM公式サイト]
まとめ:日本通信SIMは広告だけでなく「料金・検索・比較・口コミ・PR・販売網」で顧客と接点を作っている
日本通信SIMは、大手キャリアほど日常生活で広告を目にする機会が多くないため、「どうやって利用者を集めているのだろう」と感じやすいサービスです。しかし、日本通信は広告をまったく行っていない会社ではありません。2024年には全国向けデジタル広告を開始し、関東・静岡エリアで「これ以上、引けない。290円」というテレビCMを展開すると公式に発表しています。[参照:日本通信株式会社「日本通信SIMの広告展開について」]
そのうえで、日本通信SIMの顧客獲得を理解するには広告だけを見るのではなく、特徴的な低価格プラン、検索、料金比較コンテンツ、通信系ニュース、口コミ、第三者の顧客満足度評価、スターターパックの販売チャネルなど、複数の接点から利用者に発見される仕組みとして捉えるのが分かりやすいでしょう。
特に格安SIMは「テレビで知ってから契約する」だけの商品ではありません。携帯料金を下げようと思った利用者が自分で検索し、複数社を比較した結果、それまで知らなかったMVNOを契約することが珍しくない分野です。そのため、一般的な知名度と料金比較をする人の間での知名度には大きな差が生じます。
また日本通信SIMはオンライン中心でありながら、スターターパックをオンラインショップや一部店舗で販売し、2024年にはSIM出荷とコールセンターを週7日体制へ拡充しています。[参照:日本通信SIM「スターターパックお取り扱い店舗」][参照:日本通信株式会社「顧客サービス拡充」]
したがって、「広告をあまり見ない=宣伝していない」「広告を見ない=利用者が少ない」と単純には判断できません。日本通信SIMは、必要になった利用者が料金を比較するタイミングで見つけてもらいやすい商品を作り、その価格競争力自体をニュース・検索・比較・口コミへ波及させるという集客と相性のよいサービスだと考えられます。ただし、広告・検索・口コミ・販売店など各経路が新規契約の何%を占めるかという詳細な内訳は公開情報だけでは判断できないため、特定の一手段が集客の大半を占めると断定するのは避けるべきでしょう。


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