同人誌や小説、漫画、イラスト集などを自宅で印刷してコピー本を作るなら、文字やモノクロ原稿を大量に印刷しやすいモノクロレーザープリンターは有力な選択肢です。インクジェットよりレーザーが常に優れているわけではありませんが、モノクロ中心のコピー本を何冊も作る用途とは相性があります。
特に重要なのは、単に「レーザー」というだけではなく、自動両面印刷、印刷速度、対応用紙、給紙枚数、消耗品コストを確認することです。A4用紙へ両面印刷して二つ折りにし、A5サイズのコピー本を作るなら、自動両面印刷への対応は作業量を大きく左右します。
家庭で使いやすい候補としては、ブラザー「HL-L2460DW」がバランスに優れています。より大量印刷を想定するならエプソン「LP-S180D」、印刷速度を重視するならキヤノン「Satera LBP241」なども比較対象になります。
コピー本ならモノクロレーザープリンターが向いている
小説本やモノクロ漫画など、本文の大部分が白黒ならモノクロレーザープリンターは使いやすい選択肢です。レーザー方式はトナーを使用し、普通紙へ文字や線をくっきり印刷しやすく、連続印刷も得意です。
例えば本文32ページのコピー本を10冊作る場合、単純計算で本文だけでも320ページ分あります。こうした原稿を家庭でまとめて出力するなら、1枚ずつ時間をかける機種より、毎分30枚前後以上で印刷できるレーザープリンターのほうが作業を進めやすくなります。
一方、フルカラーの表紙やカラーイラストを高品質に印刷したい場合は話が変わります。本文はモノクロレーザー、表紙だけコンビニや印刷店、インクジェットプリンターで出力するという分担も実用的です。
最初の1台ならブラザー HL-L2460DWがおすすめ
コピー本用として比較的選びやすいのが、ブラザー「HL-L2460DW」です。A4モノクロで約34枚/分の印刷に対応し、自動両面プリント、USB、有線LAN、無線LANを備えています。ブラザー HL-L2460DW公式[参照]
最大解像度は1200×1200dpiで、A4両面印刷時は約16ページ/分です。製品寿命の目安は約5万ページまたは7年のいずれか早いほうとされています。ブラザー公式仕様[参照]
本体サイズは幅356×奥行360×高さ183mmで、業務用レーザーほど巨大ではありません。自宅の机や棚へ設置しやすく、Wi-Fi経由でも印刷できるため、「コピー本だけでなく普段の書類印刷にも使いたい」という場合にも扱いやすいでしょう。
ただしHL-L2460DWはA5の自動両面印刷に注意
コピー本を作るうえで重要な注意点があります。HL-L2460DWの自動両面印刷について、ブラザー公式仕様で対応用紙サイズとして明記されているのはA4です。つまり「A5用紙そのものへ自動両面印刷したい」という目的で選ぶ機種ではありません。
ただし一般的なA5コピー本は、A5用紙へ直接両面印刷しなくても作れます。A4用紙の表裏へ2ページずつ面付けして印刷し、中央で二つ折りにすれば仕上がりはA5になります。この方法ならA4自動両面印刷を活用できます。
例えばA5・16ページの本なら、A4用紙1枚の表裏に合計4ページを配置し、4枚のA4用紙を重ねて二つ折りにします。ページ順を冊子用に並べ替える「面付け」が必要ですが、PDF作成ソフトや印刷機能によっては冊子印刷として処理できます。
大量に刷るならエプソン LP-S180Dも候補
コピー本を一度に何十冊も作るなど印刷量が多い場合は、エプソン「LP-S180D」も候補になります。モノクロ約30枚/分、自動両面印刷、標準420枚の給紙容量を備え、メーカー公称の耐久枚数は10万ページです。エプソン LP-S180D公式[参照]
特に給紙容量が大きいため、大量の本文を連続して印刷するときに用紙を補充する回数を減らせます。コピー本を継続的に制作する人にはメリットがあります。
またエプソンの公式マニュアルでは、LP-S180D/LP-S180DNについて自動両面印刷から「ブックレット」を指定し、印刷後に用紙を重ねて二つ折りにして冊子を作る方法も案内されています。エプソン公式マニュアル[参照] コピー本用途を具体的に想定しやすい機種です。
印刷速度重視ならキヤノン Satera LBP241
キヤノン「Satera LBP241」は、A4モノクロ片面で36枚/分の高速印刷に対応するモデルです。無線LAN、有線LAN、USB、自動両面印刷に対応しています。キヤノン Satera LBP241公式[参照]
A5横では片面58.8枚/分という高速印刷にも対応しています。ただしキヤノン公式FAQによると、LBP241でA5用紙そのものを使用した自動両面印刷には対応していません。A4は自動両面印刷に対応します。キヤノン公式・対応用紙[参照]
そのためA5コピー本では、A4用紙へ冊子用に面付けして両面印刷し、二つ折りする方法が基本になります。「A5対応」と「A5自動両面対応」は別なので、プリンター選びではここを混同しないようにしましょう。
コピー本向け3機種を比較
| 機種 | 印刷速度 | 自動両面 | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| Brother HL-L2460DW | A4約34枚/分 | A4対応 | コンパクト・Wi-Fi対応 | 初めてのコピー本・家庭用 |
| EPSON LP-S180D | A4約30枚/分 | 対応 | 標準420枚給紙・耐久10万ページ | 大量印刷 |
| Canon LBP241 | A4約36枚/分 | A4対応 | 高速・無線LAN対応 | 印刷速度重視 |
数冊~数十冊程度を自宅で作り、普段のプリンターとしても使うならHL-L2460DWが選びやすいでしょう。コピー本制作の頻度が高く、一度に大量印刷するなら給紙量と耐久性に余裕があるLP-S180Dが魅力的です。
なお価格や消耗品価格は販売店や時期によって変化します。本体価格だけでなく、交換トナー・ドラムなどの価格も確認してから購入することが重要です。
コピー本作りでは自動両面印刷がかなり重要
コピー本用プリンターを選ぶときは、自動両面印刷を強くおすすめします。手動両面でも制作できますが、片面をすべて印刷した後に紙を裏返し、正しい向きで再給紙する必要があります。
ページ数が少ない1冊だけなら手動でも対応できますが、10冊、20冊と増えるほど作業量とミスの可能性が増えます。用紙の向きを間違えると、裏面が上下逆になったりページ順が崩れたりします。
コピー本目的なら「レーザーかどうか」と同じくらい「自動両面印刷ができるか」を重視すると、制作作業がかなり楽になります。
A5コピー本はA4用紙を二つ折りにすると作りやすい
家庭で作るコピー本の定番の一つがA5サイズです。A4用紙を半分に折るとA5になるため、A4対応プリンターとの相性がよいサイズです。
例えばA5サイズの漫画や小説を作る場合、原稿データ自体はA5で制作し、印刷時にA4用紙へ2ページずつ配置します。表裏合わせてA4用紙1枚に4ページ分が入り、印刷後に中央で折って重ねれば冊子になります。
このとき単純に1、2、3、4ページの順番で配置するわけではありません。折ったときに正しい順番になるよう面付けが必要です。冊子印刷機能を利用すると、このページ配置を自動処理できる場合があります。
ページ数は4の倍数にすると作りやすい
A4用紙1枚を両面印刷して二つ折りすると、A5のページが4ページできます。そのため中綴じのコピー本では、8ページ、12ページ、16ページ、20ページ、24ページ、32ページというように、基本的に4の倍数でページ構成を考えると扱いやすくなります。
本文が30ページしかない場合は、奥付や表紙裏、あとがき、白紙ページなどを含めて32ページに調整できます。印刷前に一度普通紙で1部だけ試し刷りし、ページ順と上下方向を確認してから本番部数を印刷すると失敗を減らせます。
特に50部など大量に刷る場合、いきなり全数を印刷して面付けミスに気づくと用紙とトナーを大量に無駄にします。「1部試し刷り→折る→ページ順確認→本番印刷」の順番がおすすめです。
紙の厚さはプリンターの対応坪量を確認する
コピー本では本文と表紙で紙を変えたくなることがあります。本文は一般的なコピー用紙、表紙は少し厚い紙という構成が定番ですが、レーザープリンターには通紙できる紙の厚さに制限があります。
特に厚紙は、通常の給紙カセットではなく手差しトレイから入れる必要がある機種があります。また厚紙で自動両面印刷できない製品も珍しくありません。表紙用紙を購入する前に、プリンターの「対応坪量」と「給紙方法」を確認してください。
さらにインクジェット専用紙をレーザープリンターへ入れるのは避けます。レーザープリンターは定着時に熱を利用するため、必ずレーザープリンター対応または普通紙として使用可能な用紙を選びます。
カラー表紙まで自宅で作るなら別の選択肢もある
本文がモノクロでも、表紙だけフルカラーにしたいケースは多いでしょう。そのためだけにカラーレーザープリンターを買う方法もありますが、本体サイズや消耗品コストが増えるため、コピー本の部数によっては割高です。
少部数なら「本文=自宅のモノクロレーザー」「表紙=コンビニ・印刷店・手持ちのインクジェット」という組み合わせも合理的です。本文だけ大量に自宅で高速出力できれば、コピー本制作の大部分を効率化できます。
写真や繊細なカラーイラストの発色を最優先する場合は、家庭用カラーレーザーだけでなくインクジェットやオンデマンド印刷所も比較するとよいでしょう。コピー本だからすべてを同じプリンターで印刷する必要はありません。
何冊作れば家庭用プリンターがお得になるかも考える
コピー本用にプリンターを購入するときは、本体価格だけでなくトナー、ドラム、用紙などの費用も発生します。年に1回数冊しか作らないなら、コンビニコピーや印刷所を利用したほうが安い場合があります。
一方、イベントごとに新刊を作る、試作品を何度も刷る、小説原稿を頻繁に校正する、といった人なら自宅プリンターのメリットが大きくなります。締切直前でも自分のタイミングで印刷できるのも大きな利点です。
レーザープリンターを選ぶときは「本体が安い機種」ではなく、交換トナーの印刷可能枚数、ドラム交換の有無、用紙代まで含めた長期コストを見るのがおすすめです。
まとめ:コピー本なら自動両面対応のモノクロレーザーが便利
モノクロ中心のコピー本を自宅で作るなら、自動両面印刷に対応したモノクロレーザープリンターが使いやすい選択です。特にA4用紙へ冊子用に面付けして両面印刷し、二つ折りでA5本にする方法なら家庭用プリンターでも制作できます。
初めての1台としては、約34枚/分、自動両面、Wi-Fiを備えたBrother HL-L2460DWがバランスのよい候補です。大量印刷なら420枚給紙・耐久10万ページのEPSON LP-S180D、速度を重視するならA4約36枚/分のCanon LBP241も比較できます。
購入前には、自動両面印刷・対応用紙サイズ・坪量・給紙枚数・交換トナーとドラムの費用を確認しましょう。コピー本を何冊作るのか、A5かB5か、本文だけモノクロなのかまで決めてから機種を選ぶと、必要以上に高価なプリンターを買わずに済みます。


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