ドラム式洗濯乾燥機が人気を集める大きな理由は、洗浄方式そのものよりも、洗濯から乾燥までを自動化して家事の手間を減らせることにあります。洗濯物を干す、天候を確認する、乾いたら取り込むという作業を減らせるため、共働き世帯や子育て世帯、夜に洗濯する人などにとって大きなメリットがあります。
一方で、すべての衣類を洗濯から乾燥まで一気に運転できるわけではありません。衣類にはタンブル乾燥禁止のものも多く、洗濯表示に従って「乾燥機に入れられる物」と「洗濯後に取り出して干す物」を分けるのが基本です。
つまり、ドラム式洗濯機を使うことと、すべての衣類を乾燥機にかけることは別です。乾燥可能なタオルや肌着などだけ乾燥まで任せ、それ以外は途中で取り出すという使い方もできます。
ドラム式洗濯機が人気なのは「干す作業」を大幅に減らせるから
洗濯の家事負担は、洗濯機を動かすことよりも、その後の「洗濯物を1枚ずつ取り出して干す」という作業にあります。乾燥機能を使えば、この工程を大幅に減らせます。
例えば夜にタオル、肌着、靴下などを入れて洗濯乾燥運転を開始しておけば、機種や運転条件によっては翌朝には乾燥した状態で取り出せます。雨の日でも洗濯スケジュールを変えにくくて済み、花粉などが気になって外干しを避けたい場合にも便利です。
最近の上位ドラム式では、洗剤・柔軟剤の自動投入やスマートフォン連携などを備える機種もあります。Panasonicの現行ドラム式でも、ヒートポンプ乾燥や液体洗剤・柔軟剤の自動投入などを搭載したモデルが展開されています。Panasonic公式[参照]
乾燥不可の服まで無視して乾燥しているわけではない
衣類の洗濯表示には、家庭でのタンブル乾燥ができるかどうかを示す記号があります。四角の中に丸がある記号がタンブル乾燥を表し、その記号に×が付いている場合はタンブル乾燥禁止です。消費者庁でも洗濯表示の意味を公開しています。消費者庁・新しい洗濯表示[参照]
したがって、タンブル乾燥禁止の衣類を「ドラム式だから大丈夫」と考えて乾燥させるのは基本的には避けるべきです。縮み、型崩れ、生地や装飾の傷みなどにつながる可能性があります。
もちろん実生活では表示を承知したうえで自己判断する人もいるでしょう。しかし、メーカーや衣類の表示に沿った使い方としては、乾燥禁止の衣類は乾燥工程の前に取り出すのが基本です。
実際は「乾燥する物」と「干す物」を分けて使える
ドラム式洗濯乾燥機は、毎回必ず「洗濯→乾燥」をセットで使わなければならない家電ではありません。「洗濯のみ」「洗濯から乾燥」「乾燥のみ」などを使い分けられる機種が一般的です。
例えば、タオル、乾燥可能な肌着、靴下などは洗濯乾燥まで行い、乾燥禁止のシャツやニットなどは洗濯だけにする方法があります。家族の洗濯物を最初から2グループに分けて洗う方法もあります。
もう一つは、まとめて洗濯したあと乾燥させたくない衣類だけ取り出し、残った衣類を乾燥する方法です。「全部を乾燥する」のではなく、「干す枚数を減らす」だけでもドラム式のメリットは得られます。
シーツも素材や洗濯表示によって乾燥できるかが違う
シーツや寝具類も「シーツだから乾燥できる」「シーツだから乾燥できない」と一括りにはできません。素材、縫製、サイズ、洗濯表示、洗濯機側の対応によって扱いが変わります。
洗濯表示でタンブル乾燥が認められていても、大きな寝具はドラム内部で絡んだり丸まったりして乾燥ムラが起こる場合があります。洗濯機側にも毛布・寝具などのコースや容量制限があるため、衣類側の表示と洗濯機の取扱説明書の両方を確認する必要があります。
特に防水性のあるシーツ、カバー、マットなどは注意が必要です。防水性の製品には洗濯機での脱水などが禁止されているものもあるため、「寝具だから洗濯乾燥へまとめて入れる」という判断は避け、製品ごとの表示を確認します。
ドラム式でも乾燥容量は洗濯容量より小さい
ドラム式洗濯乾燥機を選ぶときに見落としやすいのが、洗濯容量と乾燥容量の違いです。例えば洗濯12kgに対応する機種でも、乾燥容量は6kgという製品があります。
これは「12kg洗えるから12kgをそのまま乾燥できる」という意味ではありません。乾燥時には衣類をドラム内で動かしながら風を通す空間が必要なため、乾燥できる量は洗濯容量より少なく設定されていることがあります。
家族が多く、一度に大量の衣類を洗う家庭では特に重要です。洗濯物を満杯近くまで入れて洗った場合、乾燥前に一部を取り出したり、乾燥を分けたりする必要が生じることがあります。
ヒートポンプ式がドラム式の人気を支えている
現在の上位ドラム式洗濯乾燥機では、ヒートポンプ式の乾燥を採用するモデルがあります。ヒートポンプ式は空気中の熱を利用して乾燥させる方式で、ヒーター式と比較して低い温度帯で効率よく乾燥させやすいのが特徴です。
Panasonicはヒートポンプ乾燥について、約65℃の低温風で乾燥するため衣類の縮みや傷みを抑えやすいと説明しています。Panasonic・ヒートポンプ乾燥[参照]
ただし、低温のヒートポンプ乾燥だからタンブル乾燥禁止の服も乾燥できる、という意味ではありません。衣類側の洗濯表示が優先されます。この点はドラム式を購入するときに混同しやすいポイントです。
乾燥まで任せやすい物・分けたほうがよい物の考え方
| 衣類・布類 | 考え方 |
|---|---|
| タオル | 乾燥対応なら洗濯乾燥と相性がよい |
| 肌着・靴下 | 洗濯表示を確認して乾燥 |
| Tシャツ | 素材・表示による。縮みも考慮 |
| ワイシャツ・ブラウス | 表示を確認。型崩れやシワにも注意 |
| ニット | 乾燥禁止が多いため表示を特に確認 |
| シーツ | 素材・表示・洗濯機の容量を確認 |
| デリケート衣類 | 乾燥機へ入れず個別に扱うことが多い |
実際には「これは必ず乾燥できる」という衣類名だけで判断するのではなく、縫い付けられている洗濯表示を見る必要があります。同じTシャツでも綿100%、混紡、プリント・装飾付きなどで推奨される扱いが異なるためです。
お気に入りの服や縮むと困る服は干し、日常的に大量に使うタオル類だけ乾燥まで任せるという使い分けも現実的です。
ドラム式を使っても結局干すなら意味がない?
乾燥不可の服を干す必要があると、「それなら縦型洗濯機でいいのでは」と感じるかもしれません。これは生活スタイルによって答えが変わります。
例えば1回の洗濯物がタオル10枚、肌着や靴下15点、普段着10点だったとして、そのうち普段着5点だけ干せばよいなら、35点すべてを干す場合より作業量はかなり減ります。完全に物干しをゼロにできなくても、毎日の作業を半分以下にできれば価値を感じる人はいます。
反対に、手持ちの衣類の大半が乾燥禁止で、もともと部屋干しが苦にならない人なら、ドラム式の乾燥機能に高い費用を払うメリットは小さくなります。ドラム式が万人に最適というわけではありません。
縦型洗濯機のほうが向いている家庭もある
乾燥機能をほとんど使わない場合は、縦型洗濯機も有力です。一般に同程度の容量ならドラム式より本体価格を抑えやすく、機種の選択肢も豊富です。
「毎日外干しする」「乾燥不可の服が多い」「乾燥機能を使う予定がない」「本体価格を抑えたい」という家庭なら、無理にドラム式を選ぶ必要はありません。
逆に「タオルや下着だけでも干したくない」「雨の日でも気にせず洗濯したい」「夜セットして朝には乾いていてほしい」と考える人ほど、ドラム式洗濯乾燥機の価値を感じやすくなります。
洗濯表示の「タンブル乾燥」を覚えておくと便利
ドラム式を使うなら、洗濯表示の中でもタンブル乾燥記号を覚えておくと便利です。四角の中に丸が描かれた記号が基本で、中の点によって乾燥時の温度条件が示されます。
- 四角+丸+点2つ:排気温度上限80℃でタンブル乾燥可能
- 四角+丸+点1つ:排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能
- 四角+丸+×:タンブル乾燥禁止
洗濯表示は2024年8月に一部改正され、2024年8月20日から新しい記号が追加されています。衣類を適切に扱うためには、最新の消費者庁の表示一覧を確認すると確実です。消費者庁・洗濯表示[参照]
ドラム式が向いている人・向いていない人
| 生活スタイル | 相性 |
|---|---|
| 洗濯物を干す時間を減らしたい | ドラム式向き |
| タオル・肌着を大量に洗う | ドラム式の乾燥を活用しやすい |
| 共働き・夜間に洗濯する | 洗濯乾燥の自動運転が便利 |
| 雨・花粉を気にせず乾燥したい | ドラム式向き |
| 乾燥禁止の衣類が大半 | メリットは小さくなりやすい |
| 毎回外干しで問題ない | 縦型も有力 |
| 購入価格を抑えたい | 縦型も比較したい |
ドラム式の人気は「すべての服を乾燥できるから」ではなく、乾燥できる洗濯物だけでも機械に任せることで家事時間を削減できるからと考えると分かりやすいでしょう。
まとめ:ドラム式でも乾燥不可の衣類は分けるのが基本
ドラム式洗濯乾燥機が人気なのは、洗濯性能だけではなく、洗濯から乾燥まで自動化することで「干す・天候を確認する・取り込む」といった家事を減らせることが大きな理由です。
一方、タンブル乾燥禁止の洗濯表示を無視して、すべての衣類を乾燥してよいわけではありません。乾燥不可の服は洗濯後に取り出して干し、乾燥可能なタオル、肌着などだけ乾燥させる使い方ができます。ヒートポンプ式で比較的低温の乾燥であっても、衣類の洗濯表示は確認する必要があります。
そのためドラム式を選ぶ価値が高いかどうかは、「全部乾燥できるか」ではなく「普段の洗濯物のうち、どれくらいを乾燥機へ任せられるか」で考えるのがおすすめです。乾燥可能な洗濯物が多く、干す作業を減らしたい家庭には大きなメリットがありますが、乾燥禁止の衣類が中心で毎回干すことに不便を感じない家庭なら、縦型洗濯機も十分合理的な選択です。


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