自作PCを問題なく使えていたのに、突然画面が真っ暗になり「No Signal」と表示されると、故障したのではないかと不安になります。特にPC本体のLEDやファンは動いているのに映像だけ出ない場合、原因の特定が難しく感じることがあります。
しかし、電源が完全に入らない状態と、電源は入るものの起動途中で停止している状態では確認すべきポイントが異なります。この記事では、自作PCで「電源ボタンを押すとLEDやファンは動くが、モニターに映らない」「マザーボードのCPUランプが点灯したまま」といった症状が出た場合の原因と確認方法を解説します。
パーツ交換をする前に、接触不良、電源供給、メモリ、CPU、GPU、BIOSなど基本的な部分から順番に確認することで、原因を絞り込むことができます。
電源は入るのに画面が映らない場合に考えられる主な原因
PCのファンが回り、LEDも点灯している場合でも、正常に起動できているとは限りません。PCは電源投入後にPOST(Power On Self Test)という自己診断を行い、CPU、メモリ、GPUなどを順番にチェックしています。
このPOSTの途中で問題が発生すると、電源は入っているように見えても映像出力が開始されません。モニター側には「No Signal」と表示されることになります。
主な原因としては、メモリの接触不良、グラフィックボードの異常、CPUやマザーボードの問題、電源供給不足、BIOS設定の不具合などが考えられます。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| CPUランプが点灯したまま | CPU認識失敗、電源供給、BIOS、マザーボード関連 |
| GPUファンだけ回らない | GPUの制御仕様、補助電源、接触不良 |
| LEDは点灯するが映像なし | メモリ、GPU、CPU、映像出力経路 |
| 突然ゲーム中に画面が消えた | GPU、電源、温度異常など |
最初に確認するべき基本的なチェック項目
まず確認したいのは、単純な接続ミスや周辺機器の問題です。意外にも、内部パーツを触る前に解決するケースがあります。
モニターの入力切替が正しいか確認してください。例えばグラフィックボードからHDMIやDisplayPortを接続している場合、モニター側が別の入力になっていると正常でも映像は表示されません。
また、映像ケーブルを一度抜き差しし、可能であれば別のケーブルや別のモニターでも確認します。ケーブル故障や端子の接触不良でもNo Signalになることがあります。
CPUランプが点灯している場合に確認するポイント
マザーボード上のCPUランプが点灯したままの場合、CPUそのものが故障しているとは限りません。CPUへ正常に電源が届いていない場合や、BIOSがCPUを正常認識できていない場合にも点灯します。
まずCPU補助電源であるEPS12V(CPU用8ピンまたは8ピン+4ピンなど)の接続を確認します。24ピンのマザーボード電源が接続されていても、CPU用電源が抜けていると起動できません。
例えば掃除やパーツ交換の際に少しコネクタが浮いていた場合、見た目では接続されているように見えても接触不良を起こすことがあります。一度電源を抜き、コネクタをしっかり押し込んで確認してください。
メモリの抜き差しと構成を最小限にして起動確認する
自作PCで画面が映らないトラブルでは、メモリの接触不良が非常に多い原因の一つです。すでに1本だけで試している場合でも、別のスロットや別のメモリで確認する価値があります。
確認するときは、電源ケーブルを抜いた状態でメモリを取り外し、端子部分を傷つけないよう注意しながら確実に差し込みます。両側のラッチが完全に閉じていることも確認してください。
例えば2枚組のメモリを使用している場合、片方のメモリや片方のスロットだけが原因で起動しないことがあります。1枚ずつ、推奨スロットを変えながら確認すると原因を特定しやすくなります。
グラフィックボード周辺を確認する
ゲーム中に突然画面が消えた場合、グラフィックボード関連のトラブルも疑います。高負荷状態ではGPUや電源への負担が大きくなるため、GPU側の異常や電源供給問題が発生することがあります。
グラフィックボードを一度取り外し、PCI Expressスロットへの差し込みを確認してください。また、GPU補助電源ケーブルがしっかり接続されているかも確認します。
可能であれば、別のグラフィックボードやCPU内蔵グラフィックスによる映像出力を試すことで、GPUが原因なのか判断できます。ただし、CPUによっては内蔵GPUを搭載していないモデルもあるため注意が必要です。
CMOSクリア後に確認したいBIOS関連の問題
CMOSクリアを試しても改善しない場合でも、BIOS設定だけが原因とは限りません。CMOSクリア後は初回起動に時間がかかる場合があり、数分待つ必要があるマザーボードもあります。
また、RyzenシリーズではBIOSバージョンによって対応CPUが異なる場合があります。使用しているCPUに対応したBIOSになっているか、マザーボードメーカーの情報を確認するとよいでしょう。
BIOSアップデートが必要な場合もありますが、画面表示ができない状態では通常の更新が難しいため、マザーボードのBIOS Flash機能などが利用できるか確認してください。
電源ユニットが原因の場合もある
LEDが点灯しファンが回っていても、電源ユニットが正常とは限りません。電源ユニットは複数の電圧を供給しており、一部だけ異常になることがあります。
例えばゲーム中に突然画面だけ消える症状は、GPUへの電力供給不足や電源保護機能が働いた可能性もあります。特に高負荷時だけ発生する場合は電源関連を疑います。
別の正常な電源ユニットで試せる場合は、原因切り分けに役立ちます。ただし電源内部を開けて確認することは非常に危険なので絶対に行わないでください。
最小構成で起動テストを行う
原因が分からない場合は、PCを最小構成にして起動確認する方法が有効です。接続するパーツを減らすことで、どの部品が原因なのか判断しやすくなります。
最小構成では、マザーボード、CPU、CPUクーラー、メモリ1枚、電源、必要ならGPUのみで起動を試します。ストレージ、USB機器、追加ファン、増設カードなどは一旦外します。
例えば普段は複数のUSB機器やストレージを接続している環境でも、最小構成で正常起動すれば、外した機器のどれかが原因である可能性があります。
1年以上使用した自作PCでも保証確認をする
組み立てから1年程度であれば、多くのPCパーツはメーカー保証期間内である可能性があります。むやみに分解や改造を進める前に、購入時の保証期間を確認しましょう。
特にCPU、マザーボード、メモリ、電源、グラフィックボードはメーカーによって保証内容が異なります。購入履歴やシリアル番号を保管しておくと、修理依頼がスムーズです。
原因が特定できない場合は、複数のパーツを交換する前にメーカーや販売店へ相談することで、余計な出費を防げます。
まとめ:電源は入るのに映らない場合は順番に原因を切り分ける
自作PCでLEDやファンは動くものの、モニターに「No Signal」と表示される場合は、単純な電源故障ではなくPOST途中で停止している可能性があります。
まずは映像ケーブル、メモリ、CPU補助電源、GPU接続、最小構成での起動確認を順番に行うことが重要です。CPUランプが点灯していても、CPU本体の故障とは限らず、電源供給や接触不良が原因の場合もあります。
ゲーム中に突然発生したトラブルではGPUや電源ユニットも疑う必要がありますが、焦ってパーツを購入する前に一つずつ確認することで原因を特定しやすくなります。保証期間内のパーツがある場合は、無理な修理よりメーカーサポートを利用することも検討しましょう。


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